彼氏が原付に乗っている時に口の中にカナブンが入ってきたのに驚いてスリップして死んでしまった。しかし彼が事故を起こした本当の理由は「私が頭痛薬を買い忘れたからかもしれない」と後悔している主人公は日に日に病んでいく。

友達に「相席屋いこ〜」ってLINEしたのに返信が来なくて、あっブロックされてるんだ…と判明するシーンの見開きの使い方がよかった。『包丁を買う』でも印象的な見開きがありましたね。

スペリオールで連載している『落花生』は回を重ねるごとに暗い話になっていてしんどいけど目が離せないです。これまでの読切作品のように主人公が救われるラストになってくれ!!と願わずにはいられません。

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野球で話せ

漫画で話せ

野球で話せ
かしこ
かしこ

何を隠そう私も自分の描いた漫画を第11回青年漫画賞に応募していたのです。とはいえ私は記念受験のようなものなので箸にも棒にもかからないのですが…それでも言わせて下さい、私のライバルって中原とほるだったのかよ!!と。いや〜でもこれは完敗です。だって全編を通して「漫画を描くのが楽しい」って感じだったじゃないですか。働きながら漫画を描くのは大変です。やりたいことがあるのは幸せだけど、休みの日なんかに一人で引きこもってコツコツ描いてると「誰にも求められてないものをこんなに一生懸命やって何になる?」と虚しくなります。それよりも情けないのは描きたいから描くのではなく「漫画家になりたいから描いている」という気持ちのブレが起きてしまうことです。それでは本末転倒なのです。だからこそ作中で叔父さんが言っていた『表現を続けなさい』というセリフに胸を打たれて勇気づけられました。それは連載デビューを経験された後も医師として働きながら投稿を続けられたご自身に対しての言葉なのかもしれませんが、私もこんな風に漫画と向き合いたいと思わされる姿でした。いつか私の漫画を中原さんに読んでもらいたい。漫画で話したいです!

ドラゴンヘッド

本当に恐ろしいのは人間の心なのです…

ドラゴンヘッド
かしこ
かしこ

初めて読みました!が、昨年出版された「総特集 望月ミネタロウ」が出た後に読んでよかったかも。 全編通してみると、やっぱり序盤の修学旅行からの帰り道に新幹線がトンネルに閉じ込められて脱出しようとする場面が、何が起きたか分からないワクワクという漫画的な面白味がありますね。それが徐々に逃れられない自然災害だったと判明するのは、エンタメとしてはカタルシスが足りないかもしれません。ただ、(実際に連載中には阪神淡路大震災も起きたそうですが)前出のインタビューによると構想段階から「天変地異は起こるけどそんなスペクタクルな話じゃない」「闇をテーマにした地味な作品」というのは決めていたそうです。 人間は暗闇の中にいると存在しない怪物を想像して恐れてしまうけど、本当に恐ろしいのはそんな自分と向き合わないことである…というのは、ものすごく普遍的なテーマだから、いつ読んでも「今に通じる話だ、これ…!!」と思うんだろうな。特に今現在のSNSを中心にした不寛容な時代の雰囲気ってこれが原因なんじゃないかなって思いました。 ドラゴンヘッドを読むとその後に東京怪童を描かれたのも自然な流れだったんだな〜と分かりますね。

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落花生

落花生

魂を震わす絶望がある。大型新人デビュー! 稲垣理一郎氏、押見修造氏、乃木坂太郎氏、山口貴由氏ら審査員絶賛! 【第2回スペリオール次世代新人マンガ大賞】大賞受賞作 『包丁を買う』の新鋭、連載デビュー! 教え子からキスされた。その日から、彼の人生は一変する。生徒からの信望も厚く、家庭では出産間近の妻がいる中年の男性教師。満ち足りた人生のはず…だった。絶望にあえぐ全ての人に贈る、魂の福音。

私のせい死んだかもしれない彼氏への償いにコメントする
カナブンと頭痛薬
カナブンと頭痛薬