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どうぞごじゆうに~クミコの発酵暮らし~【電子単行本】

手が掛かる子ほどかわいい理論

どうぞごじゆうに~クミコの発酵暮らし~ いのうえさきこ
兎来栄寿
兎来栄寿

皆さんは糠漬け、やったことはありますか? 毎日手間暇かけてこまめにメンテナンスがすることが苦にならずにできる人には、とても向いていると思います。 私はといえば、「この時間で○冊のマンガが読めてしまうな……」「マンガにこの臭いが移ってしまわないかな……」などと考えてしまったため、それはそれは向いておりませんでした。きゅうりの一夜漬けが精一杯です。嗚呼、心の余裕を失くしてしまった現代人。でも、糠漬けの味自体は大好きなんですよね。 というわけで、本日紹介するこちらのマンガは突然親類縁者から常滑焼の壺に入った立派な糠床が送られてきたことで、急遽糠漬けライフを送ることになるアラフィフの主人公・クミコの物語です。普段は中小製菓メーカーの総務としてさまざまな雑用をこなしながら気付いたら何となく独身のまま生きて来た主人公ですが、糠床いじりという新しい趣味に開眼していきます。 そして、古漬けの辛子茶漬けであったり、古漬けタルタルであったり、色々なレシピが紹介されます。やったことがないですが、ゆで卵の糠漬けは絶対美味しいのでやってみたいです。 糠漬けのために、普段は買わない高いお米を買おうとするところなど、わかるわかる楽しいよね、と共感します。普段特に何もやることがない人は、そこそこ手間暇がかかる上で成果物がかなり即時的にできて得られる満足感も高いであろう糠漬けはすごくいい趣味になり得ると思います。 ただ、手を掛けたにも関わらず必ずしも上手くいくとも限らないのもまた糠漬けあるある。繊細な糠床は、色々な要因によって大きな影響を受けてしまうんですよね。そういった方面のあるあるも、かなりしっかり描かれていきます。 それにしても、ヤクルト1000が相変わらず品切れている世界ですが、手軽に乳酸菌を摂って腸内環境を良くしたいという目的であれば糠漬けは非常に良いものです。最近は、無印良品でお手軽な糠床も売られているようですので、手軽に始めるのであればそういったものもありかもしれません。 ……私は何で糠漬けの回し者みたいになっているのでしょうか。

先生の子を妊娠しました

不朽の名作が電子で復活 #1巻応援

先生の子を妊娠しました
兎来栄寿
兎来栄寿

きづきあきらさん&サトウナンキさんの過去作品『いちごの学校』が、改題され電子書籍として刊行されました。 きづきあきらさん&サトウナンキさんといえば、人間の闇や病みを描くことに定評のあるコンビで私は名前を見掛けたら必ず作家買いするほど好きです。代表作は『ヨイコノミライ』や『うそつきパラドクス』などが挙げられると思いますが、場合によってはこちらを最高傑作と推す人もいるほどの名作です。 改題された新タイトルの通り、本作は女生徒が先生と関係を持ち子供を孕んでしまう物語です。一般的な恋愛マンガでは、男性教師×女生徒という組み合わせはそれなりにポピュラーなジャンルです。しかし、本作の場合はそれが非常にリアルで重いものとして描かれます。 特に印象的なのは、女生徒を妊娠させた主人公の「責任」。「責任を取る」と口で言うのは簡単でも、実際にそうなってしまった時にどうするのが「責任を取る」ことになるのか。相手に対して、相手の親に対して、自分の親に対して、学校に対して、同僚に対して、生徒に対して、そして自分の子供に対して。 愛する気持ちがすべてに勝る甘美で絶対的なものだったとしても、その先にある果たすべき道義や免れない誹りと向き合った時に、生身の人間はどうしたって削れます。現実がそれほど容易くないことを、重みを持って描いています。 主人公が受け持つ現国のテストのように曖昧な部分はあったとしても、それでも学校のテストには答があります。しかし、人生には定型の答はありません。幸せとは相対比較したり誰かに決められるものではありませんが、それでも愛する人と結ばれ愛する人との間の子を授かった彼らが、本当に幸せと言えるのだろうかと考えずにはいられません。 引用される『星の王子さま』や『ひかりごけ』やボードレールなども人によって解釈が様々に分かれる作品であり、そのことを一層強調しているように感じます。 1話ラストの ″自分の命が自分のために存在しなくなった とりあえず今 それだけはわかるんだ″ というモノローグが昔からとても好きでしたが、かつて読んだときよりも実感を伴っています。 余談ですが、甘々な夫婦生活部分と学生時代のツンツンな時の対比をシンプルなラブコメとして描いたら今のTwitterではバズりそうだなぁと詮無きことを思いました。

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