心を軽くしてくれる作品
読むだけで少し心が軽やかになる作品です。 シェフである夫に失踪された宝さんは、1人残されたお店で生パスタ教室&心理カウンセリングを始めます。 悩み相談をするお客様よりも宝さんの方がずっと辛いのでは…と思うものの、強く明るく可愛らしい宝さんの言葉にたくさんの人が救われていきます。 宝さんのカウンセリングで素敵だなと感じた点は、その人が呼ばれたい名前で呼んであげるところです。 大人になると名字で呼ばれることが多いし、子どもがいる人は〇〇ちゃんママだったり仕事している人は役職名だったり…属性をとっぱらった自分を呼んでもらえる機会が減る気がします。 好きな名前で呼ばれて、ひたすらにパスタをこねて、美味しいワインをいただいて、多くの人が宝さんに心を開く理由がわかる気がしました。 失踪した夫のことは最後まで好きになれなかったけど、宝さんが納得して前を向けるようになったのはよかったなあと思います。 読者は宝さんのパスタを食べることもお話しすることもできないけど、自分の心を開放するヒントはたくさんもらえる作品でした。
突然夫が失踪・・・
どう考えても宝さんご本人がつらいと思うけど、お互いに話すことで胸のつかえがとれて楽になることもある。
自分のことを否定したり、相手を悪く言ったり。
でも肯定や許すの言葉を口にすると、人って理性と感情が向き合えるようになるのかな。
家族の問題や友人関係で悩むことはあっても人に話ことってなかなかできないけど、
お料理教室っていう料理を作って閉鎖空間であることが助けるのでしょうね。
宝さんの誘導で皆さん素直に語り始める。
美味しいものを食べて心も軽くして、いいお店です。