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夜のおねえさんは食べることばかり考えている

そういう世界もあるのですね、としか

夜のおねえさんは食べることばかり考えている FURICO 藤川よつ葉
名無し

グルメ漫画もあらゆる切り口で漫画化されつくしている 感じもしますし、銀座を舞台にしたグルメ漫画というのも そりゃ登場するだろうね、とは思ったりします。 むしろ予算無制限ともいえる夢の世界でありながら 実際に存在する世界なのですから、 題材として取り上げないほうがおかしいともいえる。 描き方によっては面白い世界なのだろうな、とも。 実際、こういう設定でなければ描けない部分を描いているし、 グルメ漫画としては貴重な存在だとも思うわけです。 一歩間違えれば単なるブルジョワの世界で、読者から 反感しか買わなかったりしてもおかしくないのに、 それなりに読み進める気にはなりますし。 面白くないわけではないのですよ。 けれどなんだか、あこがれたりとかうらやましいとか 思わないんですよね。 けして嫌味な金持ち連中とかの話ではなく、 人生についても仕事についてもちゃんとしてきたからこそ 成功した社長さんたちが、正しく銀座遊びをしている。 それをキャスト達が的確にサポートしていく。 なんの問題もないのだけれども、だからといって それをみせられても、なるほど凄いですねとしか言えなくて、 皮肉でも強がりでもなく、 感想としては「そうですかあ」としか感じなかったです。 縁のない世界だよなあ、というしか・・。 多分ですけれど、客として出てくる男性たちは 成功者だから、いまさら頑張れとは思わないし、 キャストの人たちについても、大変なんだな努力も しているんだなと思う面はあっても、 そうか頑張れよ、とはなんか感じない。 妬みを感じさせないのは皮肉じゃなく描き方として 上手いとは思いました。 でもそういう共感できない部分が確実にあって、 なんか「そういう世界もあるんだなあ」 くらいにしか思えなかったりしました。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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