3.0
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エロいだけじゃない、2人の愛が深まるほどに、ヒロインがどんどん強く逞しくそして美しくなってゆく、常に少女漫画の枠をぶっ壊していくスタイルがこの漫画の魅力ですが、ラストも「そうきたか!!でもそうするしかないか…!!いや、でも…!!」というようなものでした。
まず主人公・ユリと家族の関係。あんな悲しい終わり方ある…?でもあんなに愛情深く育てた一人娘が、ヤクザと交際することを許せる親なんて、います?いませんよ。もちろん兄弟や友達も同じ。そこで変に理解を示したりして主人公に寄り添うようなキャラをただひとりとして出さなかったことが素晴らしいと思いました。あんなに日々溺愛ラブラブ幸せな時間を過ごした分の代償をしっかり払ったということでしょう。
(※以下超ネタバレ)
桜夜さんの方の代償は、彼女にそういう人生を歩ませてしまったことと、言わずもがな…失明ですね。あれは結局なにが原因はだったんだろう?殴られたから?病気?
しかし、ラストまでほぼ一気読みした感想としては「もっといろんなことを描く予定だったのではないだろうか」と思いました。ラストに向けての若干の早足感は否めなかったです。というのも、ジンくんやユリの兄弟など、もっと深掘ってもいいようなキャラが居たと思うんですよね。また、結婚して、桜夜の目が見えなくなってから終わりまでが短すぎる。普通こういう人気漫画だったら新婚編が始まったりしますよね。(ま、でも失明してからをそんなに描く必要もないのか…)
多分そう思ってしまうのは「マンガってそういうものだ」という固定概念にとらわれているだけで、ちゃんと考えればこの漫画にそれは当てはまらないということも理解できます。なので結論としてはこれでヨシ!
この漫画で大事なのはユリと桜夜さんの関係のみ。ふたりが一生添い遂げるという揺るぎない覚悟をきめて一緒になったという事実だけで、他のことなんてどうだって良いんですよね。
ありがとうございました。いい漫画でした。