手首の骨折を切っ掛けに、デジタル制作への挑戦を決意した、ちょっと変わったマンガ家・川原泉と、有能なパートナーに助けられて順調にデジタル制作をこなしてきた、とても人の好いマンガ家・福田素子。花とゆめ「HMCビッグチャレンジ賞」の同期受賞以来、同じ九州出身として交友を続けてきた二人が初めて行う共同作業★デジタルコミック誌「LoveSilky」掲載→「メロディ」掲載→単行本化という3つの編集部の合同プロジェクトとして連載がスタートしたのは2018年。以来約4年、七転八倒の全8回+描きおろし12Pでついに単行本化を実現!!!「このコミックスが無事発売されたら、私、デジタルでアレの続きを描くんだ」(これ、何かのフラグじゃないよね?)※「アレ」…「これから私は武士になる」のことと思われる。
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デジタル原始人☆川原泉
アナログで描いていたひとがデジタル作画デビューする時のギャップがよく描かれている。
「〇〇するやつ」「△△のマークのやつ」など川原先生のツールに対する捉え方は非常に感覚的で、クリスタを使ったことがある人なら思わず笑ってしまうところもあると思う。福田先生は「原始人」ということばを使ってその隔絶っぷりをイジりながら応援していたが、自分は迫力を感じながら読んでいた。
デジタルツールに親しみがないにもかかわらず、マンガに関わる経験と知識を頼りにすごい勢いで使いこなしていくのが実際の原稿を通して伝わってきたからだ。ギャグっぽく描かれてるが、これは本当にすごいことだと思う。弘法筆を選ばずということわざはいつの時代にも通用するんだなぁ。