マーク・フィッツパトリックさんは、20年来の日本アニメのファンで、2009年にチャンネル「Totally Not Mark」(登録者数66万人)を開設。彼は、アニメの映像に自分なりのレビューや考察を加えた動画を投稿しており、その多くはドラゴンボールやワンピースなど、東映アニメーションのものでした。
12月7日に投稿された動画によると、マークさんは著作権侵害として15本の動画を削除するとのメールをYouTubeから受け取ったとのこと。その1時間後には削除対象が28本に、さらに一晩明けると150本に達したそうです。
動画のほとんどを失うことになった上、家族や従業員を養う収入源も失うことになったマークさんは、自身の動画は確実に正当なものであり、作品を宣伝している自分をなぜ東映は攻撃するのかと不満を爆発させました。
欧米と異なる日本の著作権法
ここで問題になってくるのが、日本と海外の著作権の違いです。
欧米の多くの国では「著作権侵害のコンテンツが世に出るのは必然であり、出たら対応する」という考えに基づき、一定の条件を満たせば、著作権者から許可を得る必要なく著作物を再利用できる「フェアユース」が認められています。
一方、日本ではフェアユースは認められていません。
つまり、著作権を当然の権利として考える日本企業と、欧米を拠点とするYouTuberの価値観の相違が問題の発端になっているのです。