失くした腕を弔う話、だったはずなのに。
すっごい話だった。 人は一旦どん底まで落ちたら、あとは上がるしかないという考えってあるけど、この漫画ではラストにかけてそのまたさらに底へ落ちていった感じ。衝撃です。 なによりずっと、主人公と親しい漫画家の女性との会話がキツかった。主人公、ああいう会話しててよく発狂しなかったな。 手書き文字のところがちょっと下手だったので、最初これは作者の実体験か(左手で描いているのか)?と思ってしまったんですが考えてみたら絵はちゃんとしてるしラストにかけての流れから、創作で良かったと思いました。 これは亡霊として出てきてしまった失くした利き腕を弔ってあげる話。そのはずだったのに…。
マンガに狂ってしまう人間、漫画家になりたかった自分を呪う。
自らの失った利き腕がマンガを描きたいと化けて出てくるものの、呪縛は自分自身がかけていたもの、というのはよくわかる。
にしてもこの展開はすごかったなぁ・・・
迫力もあり、コマ使いもベタもすごく雰囲気があってよかった。