4.0
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カルト村で育った著者の高田かやさんが自らの意志で村を出るまでを描いた作品。
ほのぼのとしたイラストで淡々と描かれているのでさらっと読めてしまうけれど、どこを切り取ってもおかしなところしかありません。ほんとに現代の話してる?と衝撃を受けました。
親や兄弟と切り離される。日々労働に駆り出され、休日や報酬はない。音楽も読書も恋愛も禁止。日記は検閲され、理不尽に怒られる。
そりゃはやく出ていきたくもなるよねと一般人は思うけれど、幼い頃からずっと村しか知らなければこれが当たり前になってしまうんですよね。
怒られるときに叩かれないこと、廃棄の菓子パンのおかげでひもじい思いをしなくていいこと、そんなことで喜んでいる子どもがいるなんて悲しすぎる…。
本を読むのが好きで深く思考する力があるかやさんだから、自分の本当の気持ちに気づけたんだろうなと思いました。
正直なところ、村や親を恨んではなさそうな(描いてない気持ちもあるんでしょうが)清らかさに洗脳の恐ろしさを感じざるを得ませんが……今幸せに暮らしているなら何よりだなあと安心しました。