恋愛観やジェンダー観もずいぶん変わった
子供の頃にアニメの再放送で観るともなく観ていたような記憶はあるが、時代がそうだったのか自分が幼かったのか、恋愛に積極的な女ははしたないと思っていて、エルのことは好きじゃなかった。冷やかされ具合や春助の態度をみても、それほどずれた感覚ではなかったと思う。自分の背が低いことも関係しているかも知れない。 しかし今読むと「周りにどれだけ冷やかされようが全力で仲良くするべき」と即答できるくらいエルは最高だし、これだけ沢山シリーズとして続いた理由も分かる。「男として」「男だから」「男らしく」という言葉が頻繁に出てくることや、森田先輩の描写など引っかかるところも多々あるが、逆にそれだけ当時の支配的な考え方を思い起こさせるし、ある程度そういったものを打ち壊そうとしていたようにも読める。
いつか読みたいと思っていた身長差ラブコメの名作『Theかぼちゃワイン』。1話を読んでまず思ったのが、春助のツンデレが完璧すぎるということ…!
「思春期特有の恥ずかしさから毎回エルちゃんからの厚意を無碍にするけど、本当にエルちゃんを傷つけてしまう前に手のひらを返して素直になる」という絶妙なバランス感覚が見事。
ツンデレキャラは下手したら「はあ?何だこいつマジ何様だよ…」となってしまいがちだけど、全く読んでいて嫌な気持ちにならなかったのがすごい。
春助がまだまだ女子になびくのはダサいと思っているお子様であり(=情状酌量の余地がある)、エルちゃんが太平洋より広い包容力を持っている(=そう簡単に傷つかない)おかげで安心して見ていられるのかも。
とにかくエルちゃんがビジュアル的、内面的に最高すぎて読みながらずっと心のなかで「バブゥ〜〜〜〜」と唱えていました。エルちゃそ〜〜〜〜!! 世界一かわいいよ!
あっという間に1巻読み終わってしまって続きがメチャクチャ気になる。
▼以下、1巻で面白かった&好きだったとこ
・開幕早々「サンシャイン学園」というネーミングで何故かツボって笑ってしまった
・超古典的ツンデレセリフをマジのガチで言ってて感動
・かっこいいで喩えに出てくる芸能人が小林旭なの流石に古い
・ズタズタになったマフラーを見て何も言わずに静かに傷つくエルちゃん。しかし春助が喧嘩したとわかるやいなやソッコーで怪我の心配をする…あまりにも大天使
・自分史上、笹寿司以来の最高の敵役・テッキン。シンプルかつどストレートに嫌なヤツで好きすぎる!!
・お勉強も得意なエルちゃそ素敵すぎる……
・テスト撒くとこで「女王の教室じゃん!!」と興奮してしまった
・ネクタイで生徒とチェーンデスマッチするテッキンさん最高の極み
・「レッツゴー♡ ファイトファイト♡」と、あるはずのないハートが見えてしまいそうなぐらいかわいいエルちゃその応援たまらん…
・テッキン、カスみたいな教師のくせに発育の良い女子生徒のパンチラをみたくてしょうがないところも最高にクソで愛せる
・団長といいテッキンといい負けたら潔いとこがすごくいい
・ボンネットとフロントガラス破壊されて「ジワア」ってなってるテッキンの顔良すぎる
・電話で中学生の息子に「愛してるわよ!」と言う母と、そんな母からの頼み事をしぶしぶ聞く息子という関係があまりにも理想的すぎる。こういう家庭環境からも春助は素直じゃないだけで性根はいい子だというのが伝わってきて好き
・容姿差別と地方差別のWパンチみたいなキャラが出てきて時代を感じた
・パンツ履いてるときはパンチラさせるけどノーパンのときは一切見せないという倫理観好き。普通にドキドキしました
・「学寮祭」の扉絵に描かれたのはゴジラなのかTレックスなのか…
(▼『Theかぼちゃワイン』三浦みつる 1巻より。最の高)