大家さんの存在の大きさたるや。
じんわり、あったかくなるストーリーの数々。 とあるアパート小鳩荘。 大家さん、いい味出してるなぁ。 住人達との程よい距離感も、良き。 特に最初の早川さんの話が私は好きでした。 自分とお友達になるって大家さんの言葉、良いなって。自分も自己啓発本とか読んでたなー笑 そのままで良い。そのままが良い。 1巻完結が勿体無い〜。
誰の人生にもかけがえのないドラマがある。坂の途中に佇む、年季の入った渋いアパート「小鳩荘」。外側はオンボロだけど、愛情深い大家さんがいつも清潔を保っています。そんな「小鳩荘」を舞台に、そこに住む悩める住人たちのそれぞれのお話を紡いでいきます。彼らの物語に大家さんと小鳩荘が関わることで、ほんのちょっと前に進めたり、大切なことに気付いたり…。普通のなんでもない人たちに特別な日常があり、自分の物語を生きている……。──そう、「わたし」や「あなた」と同じように。【目次】 プロローグ 201号室 もしもし早川さん 101号室 幸子とクマ 103号室 タケシの青春 202号室 山本さんは宇宙人 大家さんの一日 204号室 先生は猫がさわれない 104号室 サーカスの女の子 エピローグ あとがき
じんわりと沁みる作品に触れたくなった時、お薦めしたい作品です。
タイトル通り、坂の途中にあるアパート小鳩荘の住人、そして大家さんを1話完結のオムニバス形式で描いていきます。
101号室のお父さんがいない幸子ちゃん。
103号室の野球でそこそこ有名だった大学生タケシ。
104号室のサーカスで育ったターニャさん。
201号室の駆け出しイラストレーター早川さん。
202号室の宇宙人の山本さん。
204号室の妻に実家に帰られた村上先生。
そして太極拳教室に通う大家さん。
ジェラートが美味しかったり、友達の何気ない言葉に傷付いたり、相手の気持ちを考えられず傷付けてしまったり、ちょっとした親切が嬉しかったり……
そんな彼らのそれぞれの日常の悲喜交々が穏やかで優しい筆致で彩られ、そして時に交錯します。
それぞれの営みが今日も明日も続いて、変わらぬ速さで回っていくこの世界の不思議さと面白さ。
何の変哲もないけれど、特別な物語です。