戦争体験者の人生
戦争で負った“痛み”をいかに後世に伝えるか…というテーマのヒューマンドラマ作品。 最初の1・2話目こそ、はしもとみつお氏の鬼気迫る作画もあって、戦争の惨さを存分に伝えてくれたが、それ以降、現代に至るまでのストーリー構成やメッセージ性にはチグハグ感があるのは否めなかった。 主人公の戦後の人生を、長い時代を経て追体験できるという構成は良い。しかし、731部隊やハンセン病の話など強引に差し込んでるとしか思えない話もあり、ただ触れてただけで掘り下げてはくれない。実体験というわけでもなく、参考文献もないので、あくまで創作の要素が大いにある、ということに留意したい。 ページをめくると、いつの間にか時代が進んでたりして、時代感覚を意識しなければどの時代の話をしてるか分からなくなったりする。戦後から2003年までが描かれるが、その時々の時代の空気を想像しながら読むと面白い。
連載中に読んではいたが色々話が飛んでわかりにくい感じだったが単行本で読むとそんなにわかりにくくはなかったしあと昔の戦争マンガに比べて表現がキツくないので読みやすかった。
あらすじの通り終戦記念日に読むといいかも知れない。