しっとりとした恐怖
殺したはずの夫が戻ってきた。 クローン?タイムリープ?などとSF的な想像を膨らませていましたが、違いました。 夏奈は夫・亮を殺害し、物置にある冷凍庫に死体を隠す。 自由を手に入れた夏奈だったが、何事もなかったかのように亮が帰ってくる。 以前とは見違えるように、仕事熱心で家事も手伝い、暴力をふるうこともない亮。 一体、この男は誰なのか…? 夏奈と共に読者も疑心暗鬼になっていきます。 全てが明かされこのまま幸せに向かっていくのかと思いきや、最後の最後までしっかり恐怖を味わわせてくれます。 実は夏奈がずっと怖いんだよな…。 中盤で登場する蒲田という男の存在がぼんやりだったのがちょっと残念だったかなあ。 それ以外はちゃんと怖くて面白かったです。
悪魔のような顔を持つ夫・亮を殺害して庭の倉庫にある冷凍庫に保管していた主人公の夏奈のもとへ、殺したはずの亮が帰ってきて…というサスペンスなのかホラーなのか、はたまたファンタジーなのか!?というびっくり展開。
1巻の時点ではその亮(だと思われる)男の正体や、完璧な"良き夫"となっている態度の理由は明かされませんが、2巻ではしっかりと明かされます。
途中まで、これ夢オチとかただの妄想的な展開だったら最悪だな…と思って読んでましたがそうではなかったので大丈夫です。最後の最後までハラハラドキドキできます。
1巻までは基本的には主人公夫婦(+夫の同僚)間で話が進むのですが、2巻になってお隣さんや夏奈の母親などが関わることで一気に見えてなかったものが見えだし「そうだったのか…!」につながってくのが楽しいです。
殺したはずの亮が生きていた謎が明らかになったあとも「いやこれはそうじゃなくてこうだろう…」という予測は多分ほとんどの人ができてそれにより最悪の結末を予想してしまうのですが、最終的なオチは考え方によってはハッピーエンド何じゃないかなと思います。でも背筋がヒヤッとしましたね。
しかし、夫の同僚である蒲田という男がなぜああいう事になったのか、ハッキリと明かされない終わり方もなんか絶妙に怖さを残してく感じでもぞっとします。