同年代なので共感することばかり。
高校の同級生だった、一人暮らしのヒロミが50代で孤独死した。 自分の経営するアパートで。 発見したのは、大学生の笠原ショウ。 同じアパートに住む、店子。 大家と借主という関係だったが、生前ヒロミは孤独死したときに発見が遅れて腐って、自分の経営するアパートの価値が下がるのが嫌だからと、たまに覗いてとショウと軽く約束していた。 そして、現実に・・・。 さらに、ヒロミは、高校時代の同級生の3人組に遺言を残していた。 ショウが大学を卒業するまで、このままアパートに住まわしてあげて欲しい。アパートは、3人の好きにしていい。 そんなに、仲良くなかった3人は、戸惑いを隠せない。 ヒロミの死をきっかけに、高校時代を思い出しながら、それぞれの現在の生活を顧みながら、これから先どうやって生きていくのか考えはじめる。
「白木蓮はきれいに散らない」、読みました。面白いです。鶴谷香央理さんがTwitterで「おばさん最高です」と書いているのを見ましたが、「おばさん最強!」と思いました。親の介護や夫婦の不仲、家族からの疎外感などいろいろありますが、それでもしぶとく自分の居場所を探そうとする。オカヤさんは、他の作家なら聴き取れないモゴモゴした小さな声をちゃんと言葉にして、思いを描く天才だと思いました。そうした元々もっているオカヤさんの魅了が、この白木蓮で全面展開されて、花開いたのではないか、と。「ものするひと」は傑作だと思いましたが、あれを超えました、完全に。そもそも、このタイトル、すごくないですか?
ぜひ皆さんの感想も聞いてみたいです。