「幸っちゃんさん」と呼ばれる幸子の幸せ

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2019年の暮れに出た『儚いくん』に続く、柳内大樹柳内大樹さんの「SUBARASHIKI KANAKANA JINSEI」シリーズ2冊目。1冊で完結する短編で、シリーズ物ですがこの作品単体でしっかり楽しめます。

ギャングキングギャングキング』や『セブン☆スターセブン☆スター』でヤンキーマンガのイメージが強いであろう筆者ですが、このシリーズを読むとその引き出しの豊かさに感銘を受けずにはいられません。

本作は、4人の女子大生とミスターキャンパスに選ばれたものの実は少しオネエの気がある男性を中心にした群像劇です。

ヒロインの幸子は豪放磊落な性格で、喉仏が動く男がタイプであり日々イイオトコとの出逢いに飢えている女性。
「人間なんてしょせん自分のことを好きになってくれるやつが好きなんだよ!」というモノローグを仁王フェイスフェイスでかます彼女はデンジくんに通ずるものがあります。

巨乳でクールビューティだけど処女のマリコ。
ちずるはドMで天然の不思議ちゃん。
カズ美は一番真面目だが一番4人の中でエロくてS。
優しくて真面目で顔も良く薙刀は全国ベスト4の腕前だけどオネエの蜂須賀。

そんな個性的なキャラたちによるそれぞれの恋愛模様が描かれますが、大人だからこそのビターさもあり味わい深いです。幸子の顔芸を始めとしてふんだんにギャグも交えながらも、シリアスなシーンはしっかりとしっとりとキメてきて人生を生きる上での含蓄に富んだセリフも沢山登場します。

恋愛も人生も必ずしも上手くいくことばかりではないですが、そんな時には寄り添い支え合う4人の友情がまた美しいです。幸子の人生がこの後どうなろうと、こんな素晴らしい友人ができたことは一生の幸せだろうと思います。

幸子の母&祖母や、「とっととどっかのカラオケでも行ってでっかいパンにアイスでものっけて女子会でもするよし!」「帰りましてよ!パンピーども!どきよし!」とのたまうお嬢様など、サブキャラも強烈で楽しいです。

酸いも甘いも溢れる人生はそれ自体の素晴らしさを力強く謳う一冊です。今後もこのシリーズを続けていきたいそうなので、『セブン☆スターJTセブン☆スターJT』ともども楽しみにしたいです。

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