ドラマ性がなく快楽主義的
原作者のONE特有の過剰に最強であるが故に、無気力という主人公の漫画は最初は読んでいて楽しいが、何十巻と続けられると、こんなもんでいいかの連続となっていて、結局脇役のドラマとして描いて一番ピンチの所で水戸黄門的に主人公が来るまでの一辺倒なストーリーとなってしまう。 作画の村田雄介も、漫画家で最高の画力と賞されるが、実は少年マンガのトップアシスタント的な少年マンガの究極のテンプレ画である。技術はあるが、個性がない。彼の線は商業的な手癖の無い安定的な線である。つまり作家性が無い。 この漫画を読んで、何か人生の大切な教訓や大きな感動が得られる訳ではない。あくまで、敵を倒すカタルシスを麻薬的に受容しているだけである。以上のことからサイタマが敵を倒すたびに、無気力になるのと同時に、読んでいる私の心も無気力になるのである。
原作も村田版も遅筆過ぎる。年を重ねる毎に酷い。ハギワラカズシやトガシヨシヒロみたいな全くやる気の無い休載したまんまの漫画より、少しマシなだけ。村田版の最もやばいのは、一度リリースした作品の展開を全く別の展開に刷新してしまう厭らしさ。通常販売型の書籍では、有り得ない行為だし、読者を愚弄している。途中で無期限休載も有りそう。