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紺野キタ先生の百合短編集。四つの物語は新書館の『ひらり、』『ウィングス』と一迅社の『百合姫』より。描かれる感情はいずれも、よく分からない所からやって来る不可解なものだ。
①『女の子の設計図』…久しぶりに共に暮らす、年子で同学年の姉妹は容姿も性格も全然似ていないが、惹かれていく。恋が生まれ、育まれる様は美しい。なのに恋が生まれる理由は、まるっと欠落していて、それでいて自然。それが二人の、生まれ持ったprogramとでも言う様に。
②『少年』…上級生から告げられるのは「私の中の少年が、貴女に恋した」という言葉。
当人にもよく分からない恋心と向き合い始める下級生もまた、上級生によく分からない感情を抱く。名も知らぬ感情への怖れと切なさに共感。
③『wicca』…虐めていた女子と虐められていた女子が、一つ空間に繰り返し閉じ込められる。物語も放棄され、原因の分からない「憎しみ」は何処までも増幅されてから、鎮められる。憎しみの無人島百合は静かな恐怖。
④『おんなのからだ』…義姉は兄貴と離婚する。恋を確かめ体を重ねる元・義姉妹。あんな兄貴を好きだった義姉、あんな兄貴と同じ好みの妹。どこに惹かれるとかではなく、ただ順番に巡り合った「何となく百合」はそれでも、やっと繋がった幸福がただ尊い。
幼い頃に両親が離婚したため離れて暮していた姉妹・花南(かな)と青音(あと)。再会当初はぎこちなかった二人だったがお互い少しずつ心を開き始め……!?表題作シリーズほか『少年』『wicca』、「百合姫」掲載作品『おんなのからだ』を収録。甘さと苦さが溶け合う、紺野キタ初の百合作品集!
幼い頃に両親が離婚したため離れて暮していた姉妹・花南(かな)と青音(あと)。再会当初はぎこちなかった二人だったがお互い少しずつ心を開き始め……!?表題作シリーズほか『少年』『wicca』、「百合姫」掲載作品『おんなのからだ』を収録。甘さと苦さが溶け合う、紺野キタ初の百合作品集!