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ずっと求めていた彼であって彼でないものあれもあれもあれもすべて彼というひとりであるのにあの旋律が今も私の心をかきならし私の胸をかきむしるその名前を恋とよぶのだ(『SALVAME』より)『SALVAME』を始めとした6作品を収録。
ずっと求めていた彼であって彼でないものあれもあれもあれもすべて彼というひとりであるのにあの旋律が今も私の心をかきならし私の胸をかきむしるその名前を恋とよぶのだ(『SALVAME』より)『SALVAME』を始めとした6作品を収録。
紺野キタ先生のBL短編集。少年から大人まで年齢は幅広いが、いずれも非男/女性的なモノを巡る物語になっている。 『SALVA ME』はボーイソプラノに惹かれた男子が、再会するその子に「惹かれたもの」を見いだせず、関係を上手く築けない話。その「惹かれたもの」は、儚い中性性。 また『告白』と『小泉くんと愉快な仲間たち』は一連の物語で、寄宿舎の仲間になるのに、〈少年美〉の魔性・近付き難さを捨てていく話。 『とてもじゃないけど見つからない』は女装少年が、離婚したゲイの父親に一時引き取られる話。その続編『めばえ』は、そんな女装少年を虐める少年の「めばえ」の話。女装はするけれど性自認は男とか、女装を拒否する心理の奥にある性愛の形など、複雑。 『天使も踏むを恐れるところ』は、古い親友と彼の幼妻との出会いの話。BLなのでまぁ、そういう事だが、訳あって成長出来ない妻の、立ち位置と愛の形に驚かされる。 男性同士の性愛もありながら、男/女になりきれない儚い存在がオトコノコを惑わす掌編達には、甘い夢を封じ込めた感覚がある。