自分に嘘をついてはいけない。
ひょんなことから自分の作品(自分では作品とさえ思ってない)が独り歩きして、やりたいこととずれたり周囲から過剰に期待されたりして、ドタバタする話。 嘘は心を殺します、のようなセリフがあり、ほんとにそうだよなと共感しました。仮病や忖度なんて誰しもしたことあると思いますが、人に対して嘘をつくと、その後の自分も引きずるし、嘘をついた相手の顔をまともに見れなくなるし、心は死に、孤独になっていくよなと。 が、本作の本質はそういう罪悪感的なことじゃないんだと最後まで読んで気付きました。むしろ自分に対して嘘をついている状態の方が苦しいということなのかなと。 沁みました。再読すると思います。 ネタバレにならないよう抽象的な物言いになりましたが、ぜひ読んで欲しいマンガです。
ミステリー、サスペンス、ファンタジー、大正ロマン、SF?いろんなワードが当てはまる読んだことないタイプの話だと思いました。
子爵令嬢のやまとと、大学卒業と同時に結婚の約束をしていた晴臣。しかしある時やまとは突然失踪してしまいます。調べるうちに「月読(つきよみ)」という、瞳が虹色に輝く子供の存在を知り、やまとの瞳が同じ様に輝いていたことを思い出します。晴臣は月読に関する記事を書いた記者を訪ねるも「月読になった子供は"性"を失う」と告げられる。もう一度性を取り戻すには、再び恋をしなければならない…。
月読の瞳は高値で闇取引されたり、嗜好品として売買されるという話もある。あるいは、性を取り戻すための保護施設に居るという可能性も。晴臣はやまとが自分以外の誰かに恋をする前に、再会することができるのでしょうか。平凡で純粋な青年を突如襲う哀しく妖しい悲劇の始まりです。