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ほしとんで

セリフや表情でピンボールしている俳句漫画

ほしとんで 本田
名無し

絶妙に面白かった。 「ガイコツ書店員 本田さん」を読んだときから 絵もセリフも面白いなあ、とは思っていた。 「ガイコツ~」では主人公がガイコツキャラだったからか、 基本的な表情は一定で、なのに感情の機微がすごく 伝わってくるのが印象的だったが、 今回は普通の顔のキャラなので、当たり前だが 表情が物凄く豊か。 なので感情というか心境がさらに伝わってくる。 全体的な絵も独特だし、セリフはあいかわらず秀逸。 「だれがそんなうまいこと言えと」 と思ってしまう面白セリフが連発で出てくる。 上手い会話のやり取りを「会話のキャッチボール」とか 言ったりする。 この漫画も会話を主にストーリーが進んでいくような漫画だし、 上手い会話をしているな、とは思ったが けしてキャッチボールはしていないなと思った。 言葉をキャッチボールのように互いに相手の胸元に正確に投げ、 聞くほうは脇をしめてガッチリとキャッチして、とかしていない。 各キャラが皆でピンボールをしている感じだ。 かつてゲームセンターに必ずあった、 パチンコのように鉄球を弾いて派手な音や光を楽しむゲーム。 言葉をピンボールのように結構な固くて重い弾と化して 色んな角度から緩急をつけて互いにあらぬ方向に 弾き飛ばしあいながらストーリーが進んでいく。 その様からはまさにピンボールゲームを眺めているような 楽しさを感じてしまった。 扱っているテーマは、地味の代表のような 「俳句」なんですけれどね。 で、そんなピンボールみたいな感じの、 読んでいて頭がグワングワンしてしまうような 振幅の激しいセリフのやり取りに翻ろうされるのだけれども 読み終えると俳句について「ああなるほど」と なんだか理解出来たような気になってしまう。 ほんとに妙な、凄く面白い漫画だ。

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