sinkで出来ていたことが出来ていない
漫画家としての作者の実力はここで記述するまでも無い程に圧倒的なのは周知の事実である。しかし、この作品においては、その実力を発揮しきれていない。サスペンスにも関わらずコマ割りが細かくテンポ良く進むため、サスペンスが必要な箇所でなんてこと無い日常の様に進んでいってしまう。ましてや大ゴマにする必要の無い箇所で大ゴマにしてしまっている。絵の造形も不気味な雰囲気が失われギャグのキャラ造形になっている為、ここでもサスペンスが失われる。sinkで出来ていたことが何故出来ていないのだろうか?
人魚が普通のお魚屋さんの水槽で泳いでいるという異様な光景から始まるこの漫画、表現がちょっとわかりにくいところはあったけど…ファンタジーで定番の人魚というキャラクターと近未来的な要素が共存していて短いのに内容が濃い。悲しさもあるけど希望がある未来が想像できる終わり方で良かった。