空想-イマジナリー-も入り交じる色鮮やかな群像劇 #1巻応援
大学生の佑は幼馴染の真依香のことが昔から好きでしたが、彼女は大学進学を機に地元を離れていたため昔ほど頻繁に会わなくなっていました。 この作品はそんな2人の関係を描きつつ、2人それぞれの交友関係にもスポットライトを当て、群像劇のような形で進んでいく物語です。 真依香が地元を離れたと言っても彼女が住んでいるのは佑の家から車で行ける距離の場所。 この絶妙な距離感を前に、佑は真依香とより親密になる方法をはないかと思い悩み、一方の真依香のほうも佑のことは意識しつつも自意識が邪魔をして素直になれずにいる、そんなもどかしい様子が描かれています。 また、佑が「過去に行けるなら真依香にツンケンした態度を取っていた自分を窘めたい」と後悔したり、真依香が1人電車に乗っているときに風景を見て何気ない妄想をしたりといった、登場人物の"空想"があたかも現実の世界にも広がっているような形で描かれていて、何気ない日常を描いているのにどこかファンタジーのような雰囲気もある、不思議な空気感の作品です。 1巻まで読了
親の再婚で姉弟になる、亜麻音と直耶。きょうだいに過度な期待を抱く二人だったが……「思ってたのと違う!」初対面の異性と同じ屋根の下で過ごすドキドキと、家族としての距離感の双方を往き来する、悩める高校二年生の物語。
思春期の二人にとって、同い年の異性と「姉弟になる」は一大事。相手の呼び方ひとつとっても、なかなか前進せず、二話も話が作れてしまう。
二人は基本いい子なので、家族になろうと努力しつつも、相手を異性として意識する心に悩み、ジタバタする。
姉弟として時を共有し、互いの優しさを知り、家族としての信頼を深めるにつれて、却って相手への「別の」感情も募らせてしまう様が切ない。
この二人のままならなさに、亜麻音の親友・郁乃も加わり、事態は複雑になる。
亜麻音の隣は自分のものと思っていた郁乃。どんなに「親友」を積み重ねても、ポッと現れた男に一瞬で攫われてしまうことに、思い至った時……。
それぞれの苦悩が、二巻までで一通り提示され、振り回す亜麻音に、大人しく振り回される直耶という構図も定着して、安定の面白さ。
ここまで純粋に、恋愛未満のドキドキだけで構成されている作品も、最近では珍しいのでは?
初々しいラブが足りない、とお悩みのあなたに、今イチオシの作品だ。
三巻は2019年12月26日発売。ハマるのは今からでも、遅くない!
三巻、これ切ねぇ……。
辛い事があって、直耶に甘え、姉弟として以上の気持ちを吐露する亜麻音と、それに揺すぶられる直耶。「姉弟」の縛りの中で、抑えきれない気持ち、それを抑えようとする気持ち、どちらも切ない。
特に亜麻音の考えが見えず、三歩進んで三歩下がる二人の関係に、やきもき!
亜麻音の親友・郁乃と直耶の親友・稔の邂逅もあり……二人でなんか、こそこそしてるぞ?
まだまだ進展には時間がかかりそう。今から三巻、どうですか?