定期的に来る「道満晴明摂取欲」を満たすのに最適
短編集だけど全てが繋がる。 しかもこれまでのふざけっぷりとはだいぶ異なり、かなりちゃんと気持ちいい。 道満晴明作品の入りとしてもいい。最初にヴォイニッチホテルを読んで嫌いじゃなかったらなお良い。 薄々にじみ出ていた「持っている」作者であることを証明してくれる作品でもあった。
ショートストーリーの名手・道満晴明が描くメランコリックオムニバス! 世界の終わりが近づく中、人は何を思うのか!? 楽しいだけじゃ、穏やかなだけじゃ、幸せなだけじゃ、人生はつまらない。「憂鬱」それは甘くて苦い蜜の味――…。読むほどに絡み合っていく、巧妙なストーリーギミックとじわじわと心を侵すメランコリックな物語!!
奇才、道満晴明の本領発揮作。他の作者には描けないだろう独特の雰囲気を持つ26の短編が連なり、一つの円環を作り上げる。道満晴明の絶妙な肩透かし感、ナンセンスさ、そして大きな物語のカタルシスまでを味わうことができる。おすすめ。