スポーツ界のヒーローなんて才能がある人間が努力した上で
仲間や運に恵まれなければなれるモンじゃない。
そして努力が出来たり仲間が応援してくれたりするのは
本人が、真面目に本気で取り組んでいればこそ。
そうでなければ頑張れないし廻りも応援しない。
そもそも、どんなに才能があっても好きでなければ
努力できないだろうし、
好きでもないのに出来る程度の努力しかしない主人公は
現実でも漫画でも、共感を得るのは難しい、そう思う。

だからだと思うが、スポーツ漫画の主人公は
そのスポーツが大好き、というのが定番。
それか、好きじゃなかったけれど、
やってみて好きになった、とか。
ファイティング寿限無」も、
やってみて好きになったパターンではある。
だが、そうなるまでも、そうなってからも、が
ハンパじゃない。

修行中の落語家「橘屋・小龍」こと小林は
師匠が好きで師匠命で師匠の命令は絶対。
だが師匠は落語の実力者でありながら、
実力至上主義ではない。
芸人は売れなきゃ惨めなものなんだ、というリアリスト。
「手段はナンでもいいから売れろ。付加価値を付けろ。」
その教えに従い、小林が選んだ手段が
「落語も出来るプロボクサー
落語が師匠が命な小林だけに、
ボクシング命でない自分がボクサーを目指すことに
引け目を感じつつトレーニングに励む。
だがプロボクシングの世界は、
好き嫌いだ本気だ遊びだ、とかの
全てを飲み込んで濾過した上で強者だけが生き残るという
別の意味で純粋で単純な世界だった。
さらに思いがけず、落語とボクシングが融合することで
小林の才能が開花し、ボクシングに本気になり、
周囲も小林を知り応援してくれるようになっていく。

やりたくないならやるな、好きじゃないならやるな、を
逆説的に問うてくる、そんな漫画。
しかもそれだけじゃない笑いながら泣けてしまう漫画。

ファイティング寿限無」は
ベストセラー小説の漫画化作品。
とにかく題名が秀逸。
そして、一見するとギャグっぽい題名であり
主人公に師匠がつけてくれたリングネームだが、
その命名に込められた思いを、
是非とも読んで知ってもらいたい。

最近に世間で話題になる「キラキラネーム」
をつける人達に、命名することについて
御一考していただきたくなる話なので。

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