初めて読んだ感想
あしたのジョー ちばてつや 高森朝雄
ジョーってこんなに不良だったんだ…って思いました。有名作品なのでキャラクターの名前と名セリフくらいは知ってましたが、実際に読むまでジョーってもっといい子だと思ってました。力石徹との出会いも少年院なんですね。自分みたいに勘違いしてる人は世の中にたくさんいそうです。恥ずかしながら力石の死がクライマックスだと思ってたので、終生のライバルがこんなに早く死んでしまうのかと驚きました。でもそこから力石に致命傷を与えて殺してしまったトラウマをジョーが乗り越えていくという、さらに踏み込んだ物語になっていくのがすごく面白かったです。トラウマがフラッシュバックしてリングでジョーが吐いてしまうシーンが印象的でした。ジョー以外は黒塗りのシンプルな見開きなんですけど、ジョーのショックの大きさが見えて辛い、けどそれを乗り越えていかなきゃいけないんだって思いました。もう一つ好きなのはやっぱり紀ちゃんとデートするシーンです。あれも存分にページを取って一日デートした最後に「わたしついていけそうにない…」と紀ちゃんが言うなんてガーンときますね。これもちばてつや先生がよくおっしゃってる漫画の「間」の効果なのでしょうか。前半は自分が感情移入しやすかったのでチビ連のサチが好きでしたが、脇役って言っちゃうのが失礼なくらい全員が登場人物として必要なキャラになっているので、読み終わると全員好きになりますね。こんなにどのキャラも人生を持ってる漫画は初めて読みました。
父、母、3人姉妹の家族のもとにお試しで引き取られた男の子の話。
『東京ヘルヘブンズ』に続く、週マガ60周年特別企画の「吉河美希完全新作読み切り3本掲載」の第2弾。
https://shonenmagazine.com/info/entry/20190822yoshikawa
よくあるエッチなハーレム展開になるのかと思いきや、意外にもエロさは全然なかった。
扉絵には「ファミリーコメディ」って書かれてるけど、笑えるシーンはほとんどないし、実際はシリアスよりの「日常系」が近い気がする。
「吸血すると人が死ぬから面倒なことになる」という設定や、娘のために孤児の主人子を殺す前提で引き取ってきたり、吸血鬼の暮らしはかなりダークなのが見え隠れするのがよかった。
予想を裏切って、ギャグに振り切ってるわけでも、エロに振り切ってるわけでも、家族の絆に感動するわけでもなかったせいで、なんとなく作品の方向性がわかりにくかった。
東京喰種から戦闘シーンを抜いてマイルドにしたような作品になったら面白いかもしれない。