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黒丸さんといえばドラマ化・映画化もされた『クロサギ』が有名でありイメージも強いと思いますが、こちらの恋愛系のお話もちょっとびっくりする位に面白く引き出しの豊かさを感じました。

6編のセックスに至る様々な男女の物語を収めた短編集ですが、女性作家ならではの女性心理描写の的確さがあります。

1話目で、主人公の旦那が「最近の若いやつはこちらが指示しないと何もしてくれない」と愚痴るのに対し「そういうあなたも家では言わないと家事の一つもしてくれない」と言いたい想いを押し殺している様など共感を呼びそうなシーンが多数存在します。

“女はみんな自分だけの『ご褒美』を持っている”

“恋したものには触れてはならない 触れることは汚すことだからだ”

“本当に美しいものは触れてはならない――”

など、各作品の冒頭のモノローグが示すように言葉選びにも情趣があります。特に、第5話「まぼろし夫婦」で紡がれる切なる美しい言の葉が大好きです。

主に女性向けではありますが、男性もこういった作品を読み女性の考え方を学ぶことで世界は少し平和に近付くと思います。

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