お医者さんが病院内で自炊することって本当にあるんですかね?
実際のところはわからないですが、命と食の大切さを学べる素敵な作品でした。
舞台は夜間診療を受け入れている小児科。
次から次へと患者がやって来て戦場のような忙しさですが、神辺先生はいつでもマイペース。
どんなに疲れ果てていても当直室であったかいご飯を作り、自分で自分を労ってあげています。
自分の判断が正しかったのか思い悩んだり、仕事や生活に追われて心がすり減ったり、なんかダメな日はどうしたってあります。
そんな日でも、あったかいご飯食べて自分のこと褒めてあげましょう。お医者さんである神辺先生が言ってるんだから間違いない。
かつて高校球児だった作者さんによる高校野球の話です。決して明るく楽しいだけではない展開になる部分も多々あるのでその辺りはきっとリアルなんだと思います。
でもそんなリアルな雰囲気に気持ちが引っ張られてしまうことはなく、主人公の朝富士大生くんがとにかく前向きなので読んでいて元気になります。
ここからは少しテクニカルな話になります
漫画を読んで「絵がうまいなあ」と思ったことは過去幾度もありますが「漫画を描くのがうまいなあ」と思ったのは高嶋さんの漫画を読んだ時が初めてです。
変則的ながら見やすいコマ割りおよびフキダシの配置、比較的多用されていながらひとつひとつが印象に残る見開き、読み手がテーマ(今回の場合は野球)に造詣が深くなくともスッと入り込んでくるネーム。
漫画だからこその技巧がこれでもかと詰め込まれていて臨場感がすさまじく、時には目の前で試合が繰り広げられているんじゃないかという錯覚に陥ったこともあるので
漫画家志望の人にもぜひ読んでみてほしいです。
3巻の途中でライバル校が出てきてからがそれまでに増して絵も話もグッと良くなります。おすすめです。
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