ハーレムものの、新たな世界を見た!
君のことが大大大大大好きな100人の彼女 中村力斗 野澤ゆき子
どうせ、女の子がいっぱい出てきて、ハーレム状態イチャイチャキャッキャの日常系なマガジン的展開でしょ?
と思ったら、違った。
ジャンプです。
マガジンでなく、ジャンプです。
友情、努力、勝利なのです。
女の子はいっぱい出てくるけれど、等しく愛するのです。
君が一番スキとかないのです。
――まるで、推しを並べたオタクのよう。
君も君も君も、等しく好き。
そして、君も君も君も強烈に個性的。
みんな全力で愛城恋太郎を愛しているし、恋太郎もその思い以上に気持ちを打ち返す。
ものすごいテンション高く、ものすごい細かいオマージュやらなんやら入れつつ、眼の前にいる彼女たちに平等にキスしては感想を述べ、くすぐり合ってはキャッキャウフフ、いやなんだこれは、何を見せられているんだ。
愛城恋太郎のすごいところは、みなを愛せなければハラキリを宣言しているところ。
愛せなかった子は不幸になって死んでしまうから、覚悟を示しているんだろうけど、その設定を彼女たちは知らない。
あらすじに書かれているママが起きているのに、読んだらどこか違うなんて初めて見た。
読まずに毛嫌いするなんて、もったいない。
男女逆転しても、いや性別が入り乱れても、性別なんてなくなっても、恋太郎はこのテンションで皆を愛しそうだし、恋人たちも同じテンションで恋太郎を愛しそう。
がんばれ、恋太郎。
シカバナ―はな、したい、こと―
人間の死体を苗床にして育つ生き物か…
生前から寄生していたとして、あの1話の女の子らしくない筆跡の遺書は操って書かせたのかな
みぞれの誰にでも好かれるような道徳的な振る舞いも、自らの生存に有利にするための合理的な行動に思えてきた