小説家志望の主人公が変わり者の元同級生と衝撃の再会を果たす
おもしろすぎる1話だった。清掃業の傍ら「自分には他と違うなにかがある」と信じ小説家を志すも、賞にはかすりもせずすり減る毎日を送る主人公の黒川。ある日、仕事のために赴いた個人宅は憧れの作家の家だった。しかしその作家の正体は、高校時代変わり者で凄惨ないじめの標的にされていたクラスメイトの天野だった、という衝撃の展開。 高校卒業から10年。あまりにも違うふたりの状況、そして黒川が天野宅に呼ばれた理由がまたとんでもない。びっくりしすぎて笑ってしまった。屈辱とはこのことだなと。これからこのふたり、どうなるんだろう!?
「私にしては、背伸びして、」から始まるショート。
主人公は、後輩の家に訪れた主人公の女の子。ベランダに出て、一緒に花火を見ようとしている。ふと傍らに蚊とり線香を見つけて、小さい頃のおじいちゃんが死んだときを思い出す、というのがあらすじ。
蚊とり線香が人の寿命と重ね合わされ、蚊の死んだ姿のアップは人の一生の脆さと被さって見えてくる。と同時に「おじいちゃん家のにおい」という、ちょっとした思い出の懐古が、緊張をゆるめて、主人公を「背伸びして前に」進めさせてくれる。マンガの奥深さを感じさせてくれる作品だった
そんな不思議なマンガ空間へ連れて行ってくれる。技を感じる一作だった