ドロドロ愛憎劇
萩尾望都の「11人いる」に、成人するまではその性別が決まらない。という登場人物がいたのですが、よくよく考えると、オメガバースっぽい。 萩尾望都ってやっぱり凄いですね。 それは置いておいて、このオメガ・メガエラは、昨今流行りのオメガバースを独自の解釈と昭和レトロな世界観で描いた作品です。 端的に言えば、子供を産めずに蔑まれるオメガ(男性)が、一流アルファ家系を乗っ取ろうと策略し、それに翻弄されるオメガ(少年)の愛憎劇。 1ページ目から、いや、もう表紙から昼ドラばりのドロドロ感。 ぬるい恋愛物語では物足りない。そんな方に、ぜひ読んで頂きたい。 ITANが休刊になったそうで、連載が危ぶまれていたようですが、デジタルでの連載が決まり一安心。 今、一番続きが気になる漫画です。
馬宮の『きれいなディオ様感』がいい。やはり顔の良い貧しい生まれの男が成り上がる物語は最高ですね…!丸木戸マキ先生のレトロな絵柄と、昭和の旧華族やら上流階級っぽい世界観がマッチしてて雰囲気が素晴らしい!
子どもを生むことができない「メガエラ」として蔑まれている主人公・犀門が、愛する夫の第一婦人の座に戻るために他人を利用していくさまに痺れました。
やはり愛憎と権力欲のドロドロは、ハズレのない面白さ。
馬宮とともに、日本有数の名家を欺く…それは日本の社会システムを覆すことそのもので震える…!
世界観が古めかしいのにときどき言葉遣いが現代すぎるところがすこし気になりましたが、ストーリーがおもしろいのでオッケーです!
いつもBLを読みつつ「オメガバースに女性のαとかΩとか出てくれば面白いのに、なんで出てこないんだ?」と思っていましたが、よく考えれば女性にたくさん焦点が当たってしまうとBLじゃなくなってしまう!!…そりゃそうだ。
丸木戸先生いわく、この作品はBLではなく『BLみあるドラマティックな少女漫画』とのことです。
萩尾望都、古屋兎丸作品が好きな人はハマると思うのでぜひ読んでください!
【追記】
マンバのクチコミで知った杉山美和子先生の『Bite Maker ~王様のΩ~』も女性が登場するとのことです(気になりつつまだ読めてません)