まず女の子がカワイイ。信じていい、大丈夫だこのマンガは。

むしろ「20代も後半になって美少女が喫茶店でキャッキャウフフするような作品を読もうという俺が大丈夫か?」という気持ちだったのですが、本作はその20代後半の「働く人間」にザックリと刺さります。

とはいえ序盤は入り込むまで正直時間がかかったし、兼業作家として活動する作者の念みたいなものがカワイイ女の子レイヤーを貫通して透けて見える瞬間もあります。

が、だからこそ届いてしまう。
喫茶店月の岬に集まった人たち(※みんなカワイイ)が
素直に自分の好きなものを、好きなひとたちとやっていこうとするまっすぐな気持ちが。

ただカワイイだけの作品ではない。
作者のまっすぐな思いがたっぷりと詰まった、信頼できるマンガです。

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エロイーズ 本当のワタシを探して

物語の始まりのシーンが好き

エロイーズ 本当のワタシを探して
ANAGUMA
ANAGUMA

本作、ベンチに座っていたエロイーズがふと記憶喪失になっていたことに気付くシーンから始まるのですが、その自然さがなんだか巧みで、ピンク色のカラートーンとともに強く印象に残っています。 メインとなるストーリーラインはサブタイトルにもある「本当のワタシ」探し。 少ない手がかりを元に記憶を失う前の自分がどんな人間だったのかを調べていく…と書くと壮大なミステリーやサスペンスのようでもありますが、そうそう大変なことが起こるわけでもないのが人生というものかもしれません。 どこにでも居る女性だった(と思われる)エロイーズ・パンソンの身の回りも、世の人のご多分に漏れずありふれた出来事ばかりだったようで、一生懸命過去の自分の身辺調査を行うほどに些細でちっぽけなことばかりが判明していきます。そのようすは親近感やおかしみと同時に、どこか空虚さというか、切なさも感じさせたり…。 「記憶を失う前の自分ってどんな人間だった?」というのを入り口に「そもそも根本的に自分ってどんな人間なんだろう?」という二重の意味で「本当のワタシ」を探すことになるのが妙味です。 そんな深いテーマもありつつ、バンドデシネとしてはかなり読みやすい部類に入ると思います。エロイーズのちょっとした仕草がどれもかわいかったり、普段縁遠いフランスでの「フツーの」暮らしが垣間見えるだけでも面白いので、読む機会があれば気軽に手に取ってみてほしい一作です。

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喫茶店の女子高生店主と小学生大家のまっすぐな交流を描くにコメントする
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