名無し

小沢真理先生の新連載。平和な家庭に起きる悲劇の予兆的な第一話。童謡のグリーングリーンみたいな筋立てで、子ども視点のモノローグが思わせぶりでツライ。そして両親の恋話もなかなかの面白さ。

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第2話の感想。優しい父親の隠れ借金が判明。美人妻にヤクザの魔手が迫りそうなサスペンス展開の合間、娘はうんこの話をしたりエセイケメンに恋をしたりといたって平和。このギャップが不思議面白い。

第3話の感想。父親の疾走により引き起こされた不穏な空気がより現実味を帯びていく中、美人でお嬢様な母親は追い詰められ、娘は何も知らずという光と影の対比が上手に描かれている。知らない男の靴という小物の使い方も見事。

第4話の感想。帰宅するやいなや、夜逃げさせられて混乱する小学生女児の姿が痛々しい。しかしお嬢様だった母親が、闇金の取り立てを撃退するという逞しい姿に安堵も。新しい街でどうやって暮らしていくのか、ちゃんと立ち直れるのか、続きが待ち遠しい。

第5話の感想。新生活はパチンコ屋の住み込み寮という、ごくスタンダードなもの。しかし危機感のない娘が元の街へ戻ってしまう。しかも好きな男の子が実は自分たちを追い詰めた極道の息子だったというご都合な展開にややストレスが……早く時間経過して大人になってほしい。

ようやくありすにお友達ができて、一安心。
妹も生まれたし、お母さんは同僚や弁護士先生といい感じだし。
(なのに一抹の不安が……)

ほのぼの回(待ってた!)
ルナちゃん一家のエピソードもいいし、タフでやり手のママエピソードも素晴らしい。
キャラが全員イキイキしてて、ちゃんと血が通ってる感じがするのがすごい。

あっくんの背負った運命があまりにも重過ぎる。
アリスは何も知らず、さわやか同級生君と幸せになった方がいいと思うけど、そうもいかないんだろうなぁ。

こういう不気味な展開がすごく上手い。
でも最後の良心で榎本さんがなんとかしてくれる、はず……。

アリスがぼんぼん臭い男子に幻滅するシーンはスッキリした。
そしてイケメン弁護士もナイス。
もとさん不憫すぎるけど、このまま警察のお世話になってかたぎになった方がいいよ。

ヒーローが子どもなのにヒーローしててよかった。
でもアリスたちには見えない世界の話すぎて、すれ違っちゃって本当に可哀想。
誰も知らない場所で、また住み込みの仕事探さなきゃとか、ストーカーのプレッシャーってキツイなとあらためて思った。

ようやく事件が解決して、あとはハッピーエンドかな。
物語的にはもっと大きな山場が欲しいけれど、あの淡々とした母子家庭の暮らしの描写がこの作品の魅力だと思うので、このまま終わっても満足です。

アリスとアマリリス

ありすとあまりりす
著者:小沢真理
ジャンル:社会
最新刊:
2019/12/13
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