今を遡ること900年、仏師・茅淳(ちぬ)と、国司の娘・初音は出会い、恋に落ちた。やがて、身分違いの二人は引き離され、二人の想いは残った…時が経ち、旅行で寺に訪れた美樹は、はじめて訪れたはずのその景色に見覚えがあるような気がして…
出羽の国に流された藤原豊充の娘・阿古耶。阿古耶は父をなぐさめるかのように、毎夜琴を奏でた。ある時、琴の音色にあわせて笛の音が聞こえて来た。二つの音は美しいしらべとなり、毎夜続いた。阿古耶はいつしかその人の事が気にかかって…松本るいが暖め続けてきた日本昔がたりをイーブックでお届けします。
安積一族によって滅ぼされた結城一族。残された咲耶姫は危うく難を逃れ、通りがかった猟師に助けられた。人里はなれた山の中で、多世と名づけられて育った咲耶姫だったが、ある日安積の追手の手が…父を兄を一族を滅ぼされ、育ててくれた猟師も殺され、咲耶は鬼女と化す…
平安王朝期、洛西大江山に多くの鬼がこもり、京に出て略奪をほしいままにしたという。彼らは結髪をせず、童子名を名のり、終生童子髪であったという古来より神に仕える者は世の人と違い長髪であったというが、自らを鬼と呼び世俗との縁を絶った者たちのしるしであったのだろうか。大江山に棲む鬼と恐れられた酒呑童子の姿を松本るいが鮮やかに描き出す!
羽原よしかづがおくる感動の大スペクタクル歴史ロマン登場!!大陸を統一していた熹王朝が一諸侯の滄に滅ぼされて数年が経ち、庶民は天下泰平の世が訪れたと喜び沸いたのもつかの間、各国と結んだ和議を破った滄国は領土支配の戦を始め、再び世は動乱の時を迎えた。大陸東部のほとんどを支配し未だ戦の勢いは衰えずといった隣国とは違い、唯一、大陸の西へ開ける交易地である茶の国は、東の滄と西の阿流羅汗の一触即発状態に挟まれて、どちらにも付くことはなく、中立という立場でとりあえず国の体制を保っていた。そしていつしか腐敗しきった権力対抗する賊集団が現れ、それを清骨山のふもと、都の北西に根拠地があることから「戒狄」と呼ぶようになった…戒狄の冬寿が腐敗した権力に立ち向かう…!!
契約者(カイン)はお前なのだ――契約者はバアルの力を持ちアナトと共に復活する。繁栄を誇ったウマイヤ王朝が亡び、一人の王子が逃走するとき、古代オリエントの神々が動きだす。劇画村塾出身の作者が壮大なスケールで描く歴史ロマンついに登場!!紀元570年、ホラサーンを中心に起こった反乱の為、90年間続いたウマイヤ朝はアッバース朝に取って変わられた。アッバースはウマイヤを根絶やしにしようとウマイヤの一族を容赦なく迫害していった…。ウマイヤ朝10代目教主ヒシャームの孫、クライシュの鷹と呼ばれたアブドル・ラフマーンも、弟アジスと共に逃亡生活を送っていた…