きょこうすいり
あらすじ
怪異になってしまった一人の少女と、怪異にさえ恐れられる一人の男が出会った時、生まれるものは――!? “推理”、“妖怪”、“都市伝説”、“恋”……予測不可能な物語が幕を開ける!!
ファンタジーとミステリーは相いれないと思われがちだが案外そうでもない。米澤穂信の『折れた竜骨』は中世欧州は海賊の時代が舞台のローファンタジーで、魔法ありバトルあり殺人事件の謎解きありのなんでもありなのに美しくまとめられており、魔法も込みで見事な推理で事件解決してみせている。世界のルールや常識を読者に押し付ける「説得力」とか「強度」が凄いのかもしれない。この『虚構推理』もそのような意味では面白いリアリティを持っている作品だと思う。
妖怪や幽霊のような存在と密接に関わり合いながら、都市伝説じみた事件を解決していく伝記ファンタジー。謎解きモノとして読者が掴まっていられる拠り所となるリアリティの線引き(世界観の輪郭みたいなもの)が1巻2巻と読み進めていくうちに徐々に鮮明になっていく。
たとえば、第1章『鋼人七瀬編』の1巻で登場する怪人「鋼人七瀬」は、それまでの流れ的になんとなく異物感があって腑に落ちない感じがするが、登場人物の思考や「七瀬」への感じ方を通して読み手が抱く「七瀬」に対する違和感の正体がだんだんわかってくる。これがなんとも快感なのだ。
本編には関係ないが、裏表紙の紹介文が1巻では「伝記×ミステリー」だったのが2巻で「伝記バトル」、3巻では伝記ミステリーに戻っている。変遷に意味はあるのかないのか・・・
よくおに
あらすじ
欲望は人を「鬼」へと変えた――。自身の欲望を満たすため、暴虐の限りを尽くす異能の者たち。現代日本に突如現れた彼らを、人々は「欲鬼(よくおに)」と呼び恐れた。そんな悪しき鬼たちを討つ者がいる――その名は二十正人(じつなし・まさと)。同じ欲鬼である彼は、己の正義欲が求めるままに裁きの鉄槌を振りおろす!! 欲望の化身たちの、飽くなき戦いがはじまる!!
きゅーいーでぃーいふしょうめいしゅうりょう
あらすじ
「以上……証明終了です」MIT(マサチューセッツ工科大学)を15歳にして卒業後なぜか日本の高校に入学した天才・燈馬想(とうま・そう)と、健康優良女子高生・水原可奈(みずはら・かな)が、難事件に挑む!! 精緻なトリックと奥深き人間描写を一話読み切り形式で堪能できるミステリの金字塔『Q.E.D.』、ここに再起動(リブート)!! 彫刻家の密室殺人事件、100年前に科学と宗教の狭間で起きた事件……描き下ろしを含む大ボリューム2話収録!! ※他作品の試し読みが巻末に収録されておりますが、本作の収録ボリュームや価格に影響はございません。
ろーるあんどろーる
あらすじ
コスプレ特区「桜木町」。ここの住人は皆、“怪物になりきって”暮らしている。なぜなら、この街には「役割を演じなければいけない」という奇妙なルールがあるから。主人公・アサトも、「狼男」役として友達と楽しく過ごしていた。だが、街に隠された謎によってその日々は一変するーー!! 謎と不条理に包まれた街で繰り広げられる、衝撃の新世代ダークファンタジー!!
ざしっくすせきわんのだっかんしゃ
あらすじ
主人公・アレックスは、妹のアイリーンと二人で、街で修理屋を営んでいた。両親と幼くして死別した二人はお互いを最も大事に想い、今日まで生きてきた。そんなある日、突如現れた正体不明の巨大怪物「エニグマ」が街を襲い、アレックスから左腕と妹を奪っていった――。絶望の淵に堕ちるアレックスだったが、しかし彼の元に現われた義足の少女ニコラシカによって、エニグマ打倒の戦士へと導かれていく――。
しっこくのてん
あらすじ
突如、平和な日ノ本を襲ったルナー教の使徒“宣教師”。彼らは「人は死ぬことで幸福になれる」と説き、殺戮を始めた。一方、小さな村で教師をしていた少女・モモの元に不思議な少年が現れる。自分の名前も、家族も知らない彼にモモは「天」と名付け、一緒に暮らし始めた。しかし、そんな平和な村にも遂に宣教師の魔の手が――。
ゆめくいたんていうつのみやあいりのきかん
あらすじ
病弱な少女を元気づけるため……国谷一力(くにや・いちりき)が幼き日に交わした約束――「元気になって、名探偵になろう!」その言葉は高校2年の春、現実のものとなる。美しく成長した少女・宇都宮(うつのみや)アイリが一力のクラスに転校してきたのだ。そして……少女は少年に向け、高らかに宣言する……「さあ、探偵を始めようじゃないか!」学園青春ミステリー、ここに開幕!!