アニメタ!

「叩き上げ」が生まれる瞬間を眺めるのは楽しい!

アニメタ! 花村ヤソ
たか
たか

2年ぶりに新刊が発売されていることに昨日気づいたのでまとめて一気読み。やっぱめっちゃ面白れ〜〜!!目が良くて立体を意識して描ける貴重なセンスを持つものの、技術は完全ド素人のユキムラが、1年バチバチにしごかれてものになっていく様が最高! https://comic-days.com/episode/13932016480030302093 小手先の技術を教えた方がすぐに使えるようになり、ユキムラ自身も周囲も楽なのだけれど、監督の希望は「ユキムラの才能を殺さずに、(ベテラン同様)動画の本質を正しく理解したアニメーターに育てる」こと。 監督はユキムラが辞めるかもしれないリスクを理解したうえで、普通より厳しく指導し育てることを選ぶ…。 もしこれが今現在の現実世界を捉えたドキュメンタリー映像だったら、法律やパワハラが気になってしまうかもしれない。 しかし、これは若者の明るい成長物語漫画なので、「上司のしごきは間違いなくストーリー上で、主人公の成長に必要な・正しいことである」と100%安心して読むことができるところが好き。 技術はド素人だけど、アニメへの情熱があり、(新人にはわからない)センスがあるユキムラ。 超有名漫画家の娘で技術はピカイチだけど、アニメへの思いはいまひとつのまりあ。 原画に憧れていたが、九条監督に動画の腕を評価されたことで動画検査を務める富士先輩。 かつて監督と副監督の間柄だった九条と芹澤。 何より花村ヤソ先生自身が元アニメーターで、2003年頃Production IGで働いてらしたということで、実際に登場する人物の言動の説得力がすごい。そしてキャラ同士がお互いに抱く複雑な感情は傍から見ていて本当におもしろい…! こういう若者が厳しい訓練を通じて一人前になる話は、読むと元気が出るのでどんどん読みましょう! https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1705/06/news015.html

ゆるキャン△

ゆるキャン△

ゆるキャン△ あfろ
名無し

この作品はテレビアニメやドラマにもなって好評ですが、人気が高いのもよくわかります。まず、キャンプをテーマにしている設定がユニーク。そして、キャンプに夢中になる主人公が年頃の女の子たち、というのもユニーク。これまでアウトドアというと、一般的には男性の趣味という先入観がありますよね。今、流行りのソロキャンプなどは特にです。でも、この作品の中では、高校生の女の子たちがキャンプの面白さに目覚め、ひとりでもグループでも臆することなく、春夏秋冬、いつでもキャンプに出かけてしまう。漫画とは言え、そんな彼女たちの勇気やフットワークの軽さも羨ましく、爽快感すら感じます。また、キャンプ場での出来事やハプニングばかりでなく、キャンプへ行く前のワクワク感や、キャンプを通じて出逢った友情なども描かれていて、ストーリー性も豊かです。現実には、女子高校生だけのキャンプ、女性のソロキャンプは危険性も伴い、その実行は難しいと思いますが、この漫画を読むことでキャンプ場の空気感を楽しむこともできるので、キャンプに興味のある人はもちろん、決まり切った日常に少々飽きて、非日常的なひと時を味わいたい人もぜひ読んでみて欲しいです。

純水ルミネッセンス

楽園までどのくらい?いや、目の前に。

純水ルミネッセンス かずまこを
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

この単行本の後半は『純水アドレッセンス』の追加エピソード。養護教諭×生徒のカップルの、生徒が卒業まで逢瀬を止めようと悩んだり、結婚式とその先を考えたり、卒業後に学校に残される教師を想ったり……次々と訪れる「区切り」と向き合い、精一杯に恋を生きる物語が、爽やかに鮮やかに描かれている。 『純水アドレッセンス』を読んでいる人は、これは絶対読みたいはず! そして前半は『楽園まで、あと…』という作品。『楽園』誌で中村明日美子先生が連載されていた『おはよう楽園くん(仮)』の二次創作に勤しむ同人作家とその恋人の百合。因みに『おはよう楽園くん(仮)』はBLである。 二人の「区切り」は同人誌即売会。印刷所の締切を巡ってアレコレしたり原作の新展開に萌えたり推しカプで微妙な感じになったりと色々あっても、怒涛の即売会を乗り越えて二人は……という感じのお話だ。 ♡♡♡♡♡ 遠い将来を考えると、同性カップルでなくても、不安になる。だからまずは目の前の「区切り」を一つひとつ、精一杯に満たされる。それの積み重ねが、確かな将来なのかもしれない……そんなメッセージが全体を貫いていると感じた。 楽園まであと、どのくらい?という問いには「先ずは目の前のオアシスで喉を潤そう」と答えたい。 ♡♡♡♡♡ そしてもし興味がおありなら、『おはよう楽園くん(仮)』も一緒に読んでみると面白い。二人が何を見て悶えていたかとか、二人の繰り出すセリフの元ネタなど……色々分かって面白い。そして中村明日美子先生の引く美しい曲線と、カワイイ楽園くん(仮)の、微妙に醸し出されるエロスが癖になりそう。 BLは守備範囲外の私でも楽しめた、愛らしい小品!