純水ルミネッセンス

楽園までどのくらい?いや、目の前に。

純水ルミネッセンス かずまこを
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

この単行本の後半は『純水アドレッセンス』の追加エピソード。養護教諭×生徒のカップルの、生徒が卒業まで逢瀬を止めようと悩んだり、結婚式とその先を考えたり、卒業後に学校に残される教師を想ったり……次々と訪れる「区切り」と向き合い、精一杯に恋を生きる物語が、爽やかに鮮やかに描かれている。 『純水アドレッセンス』を読んでいる人は、これは絶対読みたいはず! そして前半は『楽園まで、あと…』という作品。『楽園』誌で中村明日美子先生が連載されていた『おはよう楽園くん(仮)』の二次創作に勤しむ同人作家とその恋人の百合。因みに『おはよう楽園くん(仮)』はBLである。 二人の「区切り」は同人誌即売会。印刷所の締切を巡ってアレコレしたり原作の新展開に萌えたり推しカプで微妙な感じになったりと色々あっても、怒涛の即売会を乗り越えて二人は……という感じのお話だ。 ♡♡♡♡♡ 遠い将来を考えると、同性カップルでなくても、不安になる。だからまずは目の前の「区切り」を一つひとつ、精一杯に満たされる。それの積み重ねが、確かな将来なのかもしれない……そんなメッセージが全体を貫いていると感じた。 楽園まであと、どのくらい?という問いには「先ずは目の前のオアシスで喉を潤そう」と答えたい。 ♡♡♡♡♡ そしてもし興味がおありなら、『おはよう楽園くん(仮)』も一緒に読んでみると面白い。二人が何を見て悶えていたかとか、二人の繰り出すセリフの元ネタなど……色々分かって面白い。そして中村明日美子先生の引く美しい曲線と、カワイイ楽園くん(仮)の、微妙に醸し出されるエロスが癖になりそう。 BLは守備範囲外の私でも楽しめた、愛らしい小品!

アララさん

クスッと笑える、ほのぼのファミリー漫画

アララさん みつはしちかこ
名無し

かつて大ブームを起こした「ちいさな恋のものがたり」の作者、みつはしちかこ先生のほのぼのファミリー漫画です。今回、「ハーイあっこです」も描かれているということもはじめて知りました。長年渡ってご活躍されているその凄さにも感動です。 漫画家のお姑さん"オヨヨさん"はおっちょこちょいで天然。お嫁さんの"アララさん"は明るいしっかり者。時々、お互いの失敗に呆れたり、辛口のコメントを口にしたりするのですが、困った時にはお互いに助け合ったり、フォローし合ったり、といいコンビぶりを見せてくれます。お姑さんとお嫁さんというより、お母さんと娘って感じかな。なんだかとっても良い関係で、羨ましくなります。かと言って、単に漫画の世界の夢物語に終わらず、結構現実味を帯びた"嫁&姑のあるある"シーンも多いんですよ。ただ、それに陰湿さを感じさせないのは、みつはし先生の作品らしく、どのキャラクターの短所にも愛すべき点があるのを基本に描いているからだと思います。クスッと笑える4コマ漫画仕立てで、軽く読めるので、仕事の合間やちょっと疲れた時の気分転換にページを開いてみるのもおススメです。

大長編ドラえもん

のび太と鉄人兵団

大長編ドラえもん 藤子・F・不二雄
なかやま
なかやま

私が初めて観たドラえもん映画、はじめて買ったドラえもんコミックス、新ドラに呼び戻してくれた作品、思い出いっぱいです。 大長編ドラえもんの中では、珍しいと思われる 「のび太たちの世界の直接の危機」 終始ミリタリー風味が感じられ、限られたリソースと鹵獲したザンダクロスでどのように鉄人兵団を迎え撃つか? ドラえもん作品と言うより、「ひとりぼっちの宇宙戦争」などのハードSF寄りな異色作では無いかと思っています。 敵である鉄人側にも彼らなりの正義で動いており、「ロボット奴隷を開放するために人間を労働力として使う、奴隷ロボットは幸せになれる」が、40年近くたっても刺さる内容です。 そしてゲストキャラクタであるリルルとしずかちゃんの交流もまた刺さる 「やっぱりほっとけないわ・・・。」刺さる ラストについては、藤子・F・不二雄先生自身「納得がいっていない」と何処かのあとがきに書かれていたと思います。(ソースは忘れしまいましたが・・・) 私は、あのラストには結構納得しており「藤子先生でも、ああする意外のび太たちを勝たせる術がなかったのだ」と思っています。 また、これは意見が別れるかもですが、 この作品は「原作漫画」「旧映画」「新映画」の3つのタイプで楽しむことができます。私的にどれが一番かと言うと、圧倒的に「新映画」となります。 原作・旧映画で薄かった、のび太サイドがキレイに補完されいるのが、原作主義派だった私に「ドラえもんと言うコンテンツが、藤子先生の手を離れた今でも、まだ生きているコンテツ」だという事を実感させてくれました。 好きすぎて映画館に毎週行っていた 「新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」超名作だから観てくれ・・・頼む・・・