ユーモア・ギャグマンガの感想・レビュー6117件<<149150151152153>>剣と魔法の世界に存在する知られざる”ブラック職場”…! #1巻応援教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです タナカトモ 夏川優希sogor25剣と魔法の世界に存在する知られざるブラック職場、それは"教会"…この教会の神官ユリウスは、日々強制転送されてくる勇者たちの死体の蘇生、教会の管理、更には蘇生費の徴収など、それら全ての業務をなんとワンオペで行っていたのだ!ここに知られざる神官の過酷な勤務実態が明らかになる! という、"RPGで主人公たちが全滅したときに戻される教会がもしワンオペで運営されてたら?"という切り口で描かれるファンタジーコメディ。 着想の切れ味の鋭さも素晴らしいんだけど、異常な頻度で死んで転送されてくる勇者、蘇生費を踏み倒そうとする輩、どこからともなくトラブルを運んでくるヤバい勇者、そして労働条件的にも金銭的にも限界に近づいた結果良からぬ方向に足を踏み出そうとする神官ユリウスと、コメディとしてのキャラの配置が上手くて、タイトルだけの一発ネタでは終わらせない地力を感じる。RPGをプレイしたことのある人なら親しみやすい世界観も魅力的な作品。 1巻まで読了。春義くんで繋がる11の物語11 いがわうみこアカネ子供の頃に父親の再婚相手から虐待を受けていた春義くん。父親は子供と妻の板挟みに耐えられなくなり自殺してしまいます。その後は叔母に引き取られ大人になりますが…。多数の人物から語られる「春義くん」の物語です。春義くんの過去を知る人、知らない人、色んな人の視点が交差して、過去と現在も混在しているので、読んでいて繋がりに気づくまでに時間がかかるのですが、作中の時間経過が約10年分のストーリーをこういった形で読むのも面白いですね。読み終えてみると、これは春義くんの再生の物語でもあるので、じわりと進んでいくのが合っていると思いました。いがわうみこ先生はギャグセンスが高いの忘れがちですが、シリアスを描くのもお上手なのです!下ネタだけどエロじゃないのがよい生徒会役員共 氏家ト全野愛日常系四コマ×下ネタはやっぱりいいですよね。エロじゃなくてちゃんと笑わせるための下ネタっていうのが好きです。 身長を気にするロリ系の子と天然で巨乳のお嬢様と一見真面目な生徒会長っていうかなり下手な記号的キャラクターだからこそ、淡々とした下ネタが際立つのかなあ…とちょっと分析してみたり。 水着回やお泊まり回なんてサービスイベントはあるけどギャグ漫画だし、激しめの下ネタでもみんな可愛いから爽やかでポップに読めちゃう。よくできてるなあ…。 下ネタの合間に挟まれる萩村の天才幼女っぷりが可愛い!ゆるく見えて本格的仕事マンガまんがの装丁屋さん 小石川ふにhysysk4コマだからほっこりドタバタしたやつかと思ったら、かなり細かくデザイン業の現場を描いてるものだった。しかも専門用語やマニアックなこだわりを笑いにする方向じゃなくて、装丁に関わる色んな人、漫画家がいて出版社があって編集者がいてその上司がいて…それぞれの仕事の仕方が複雑に絡み合う中で起こるトラブルや嬉しい出来事を丁寧に拾い上げている。 デザイナーが良いと思うものとクライアントが求めるもの、世間が評価するものはどうしてもズレる。そういう中で試行錯誤して合意形成していくところにデザイナーの腕の見せ所があるな、と身を引き締めました。 ちなみに書籍の装丁は数々の名作を手掛けているBALCOLONY.で、巻末に取材もあります。 たーたんって名前からして憎めない感じするたーたん 西炯子Pom 思春期真っ只中の鈴と、父たーたん(敦)。 たーたん昔、犯罪を犯した友人から鈴を預かってくれって言われて育ててるけど、鈴には15年間そのこと言えず今に至っている。 鈴も、とても可愛くなり元気でたーたん思いの素敵な子。 たーたん職場でモテモテだし、お人好しだし、何か憎めない人。 ずーっとモヤモヤ抱えて生きているたーたん。鈴に伝えられる日は来るのかなあ。 言わないと苦しいし言っても苦しいだろうし、、どうなるのかなって思ってます。八王子のヤンキー工業高校生4人組が異世界へ!! #1巻応援異世界ヤンキー八王子 奥嶋ひろまさたか※ネタバレを含むクチコミです。殺戮マシーン、一般人になる? #1巻応援そのへんのアクタ 稲井カオルあうしぃ@カワイイマンガこの作品を稲井カオル先生の前作『うたかたダイアログ』で例えると、 「片野さんは心が生まれたばかりのロボットみたいなことを言う……その内『これが…ナミダ…?』とか言いそう」 と言う宇多川さんのセリフ。これを全編に渡って繰り広げる感じになる。 地球外生命体の襲来で滅びそうになりながら、何となく滅びなかった世界で、最前線で戦った英雄・芥は次第に煙たがられ、緊張感の無い鳥取部隊に左遷される。 14歳から7年間、戦い以外を切り捨てて戦闘マシーンとして、英雄とした生きた芥は、ゆるい鳥取で気持ちを持て余す。 人間らしい感情や常識の無い芥が、色々教えられて新しい自分の在り方を探していく物語になるのだが、その物語は決して一筋縄には描かれない。 普通、可愛い子供や仲間、美しい光景などとの出会いで、人間らしい情緒や愛情を取り戻していきそうなものだが、芥が出会うのは、生意気なガキンチョに、ちょっとズレた感じの女性副隊長・百福。年長の隊員・古賀がツッコみ切れない程の、百福&芥のボケに継ぐボケ。更には生意気なガキンチョの遊びや語彙を、貪欲に吸収する芥。 結果、彼が獲得する新たな感情は、人間らしいと言うより……? 結構真剣な話や、「深いい」話もしつつ、様々なズレと畳みかける細かなボケに含み笑いが止まらない感じは『うたかたダイアログ』と同様。結果なんだか不思議な読後感のこの作品、是非人類と共にグダグダと続いていって欲しい! 100○○○○○ワニかな?薄命少女 あらい・まりこ漫画を読む女S※ネタバレを含むクチコミです。おもしろそうな新連載!龍神かごめちゃん龍神かごめちゃん 松尾あきstarstarstarstarstar_borderかしこまじめっぽい小学生男子が橋の下で出会った女の子は…実は龍神様!ひょんな流れで一緒に暮らすことに!ちなみに二人っきりではなくイケイケなお姉ちゃんもいます。ふとしたキャラクターの表情がかわいいです。金剛寺さんは面倒臭いを語るッ‼金剛寺さんは面倒臭い とよ田みのるエビフライエフェクトあまりにも最新話(2020年1月号)の内容が衝撃的すぎたので、クチコミスレッドを立ててしまいました… もう頭に浮かんだワードをただ打ち込んだり、思ったことを書き留めるメモにしてもいいと思います 金剛寺さんよ、永遠(とわ)に続け… こういう偉人伝はやっぱりいいご勝手名人録 寄席を仰天させた12人の破天荒者たち 雷門獅篭starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男全国区で有名ではないが、作者の雷門獅篭が寄席で見た「名人」を紹介していくマンガ。作者は昔は立川談志の元弟子で週刊モーニングで「風とマンダラ」を連載していた立川志加吾 登場する名人は立川談志/快楽亭ブラック以外は全く知らなかったどの話も面白い。特に「大東両」の回は紙切り芸で「切れないお題はない」の逸話や楽屋でも家でも紙切り芸の研究を続ける話がむちゃくちゃよかった 記憶よりもきつかった幕張 木多康昭hysyskジャンプ+にもないのにKindle Unlimitedで全部読める!となって懐かしさで読んだが、今の感覚からするとかなり厳しいと言わざるを得ない。 連載当時を思い出してみると自分は小学生で、近所の少し年上の友達に『行け!稲中卓球部』を読ませてもらっていたのでそれのパクリだと思っていた。それは小学生ゆえの知識のなさからくるものなのだけど、意外とその感覚は長く引き継がれてしまうものだ。 鈴木智恵子や奈良の母親いじりみたいのは当時もレベル低いと思っていたけど、ああいう毒舌・下ネタ・内輪ネタ、つまりは「ぶっちゃけ」が笑いになる時代だった。今だと事前に摘み取られるか、先鋭化して一部の集団にのみ支持されるようなものになるのだろう。そういう意味で貴重な記録だし、読みながら何が変わって、何が変わらないのかを確認することができる。【速報】マガポケでヤバい漫画始まるシュート!の世界にゴン中山が転生してしまった件 大島司 外池達宏 中山雅史名無しゴンだけにゴンッて。やかましいわwww 初期のオットセイの形がアレだった!?やる気まんまん 横山まさみち 牛次郎名無し1977年から2003年まで日刊ゲンダイで連載されていた擬チン官能漫画。 ふと、これまで読んだことのなかった、単行本1巻から読んでみようと手にとって驚いたのだが、あのオットセイは、最初からあのコミカルな形ではなく、初期の頃は普通のオットセイとして描かれていたというのを、今更ながら知った。 やるまん復活を報じたゲンダイの記事に理由が書いてあったのだが、 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/info/275039 要は、当時の表現規制に対応するため、苦肉の策で男性器を動物に見立てることで生まれたアイデアだったらしい。 やるまん以前は少女マンガを数多く描かれてきた横山まさみち氏だったが、「エロは描かない」と言いつつも、結局、一番の長寿連載となってしまったというのは、何とも業の深さを感じさせる話だ。 ちなみに記事の中で「43年前の“幻の第1回”を発掘」とあるが、電子版「やる気まんまん」の1話「セックス・ファイト」に普通に収録されていたので、そこまで幻というわけでもなかった。実は好きだった人多そうねこわっぱ! 松本直也名無し怪獣8号で一躍注目を浴びた松本直也の少年ジャンプ連載デビュー作。他人にはあまり言ってないけど実は好きだったっていう人は多そう。 ネコと神様のほのぼのしたギャグ漫画で、バトルも迫力あって好きだったのだが、、序盤でタマのかぼちゃパンツ丸出しを連発したからロリわっぱとか言われてたんだよな。おかげで他人にオススメしづらくなったのを覚えている。 Dr.スランプのアラレちゃんみたい存在に近いのだけど、タマにもう少しカリスマ感があればもっと人気出たと思う。 漫画と土地の記憶(インタビュー記事を読んで)今日どこさん行くと? 鹿子木灯あうしぃ@カワイイマンガ『今日どこさん行くと?』の作品ページに、作者の鹿子木灯先生のインタビューへのリンクが追加されたので、読んでみました。 熊本地震で被災された先生が、熊本のPRのため、そして復興していく様子を残したいという意思のもと、この作品を産み出されたことに、色々な感慨が湧くのですが、読者としてこの作品が嬉しいのは、 ●変わりゆく熊本の記録が読める ●美しく楽しい熊本が描かれている の二点を両立しているところにある、と思っていたので、先生のインタビューは大変納得いくものでした。 敢えて復興の途中を描くのは、美しさに欠けると思われるかもしれませんが、記録としては貴重なものです。何よりもそれは、復興を望む人々の、強い想いの記憶でもあります。そう思えば、復興の生々しい過程も、完成された美しい光景も、その土地の人々にとっては等価に愛しいものでしょう。 ある土地を描くことは、その土地の記憶を描くことです。(長い目で見れば)いずれ失われる物を描き残すことは、そこを大切にした人々の、生きた証を残すことでもあります。 こうした漫画作品が残されることは、何よりも熊本の方にとって、嬉しいことでしょう。そのことは、次作の熊本ドライブ漫画『私の魅力がわからんと!?』が、ネッツトヨタ熊本さんの企画であることにも表れていると思います。 今(2020年7月)、熊本をはじめ九州地方は大きな水害に遭い、再び郷土が奪われる事態となっています。『私の魅力がわからんと!?』の内容にも今後、それが反映される「かもしれません」。また他作品では、『放課後ていぼう日誌』の舞台・芦北町は甚大な被害を受け、作者の小坂泰之先生も被災され、連載を休載されるようです。また、『カワセミさんの釣りごはん』の地域も大雨に見舞われているようです。 様々な作品の発表に、大きな影響が現れるのかもしれません。しかしまずは、何よりも先生方と九州の皆様の、身体の健康と心の安寧を、お祈り申し上げます。 私達はまず、今ある作品でこの地域に想いを馳せ、もしこの後、作品がまた産み出される時が来たら、その作品から様々に変わっていく九州と、変わらず美しい九州を、また鑑賞し、コレクションすることで応援出来たらと思います。 結論:まずは『今日どこさん行くと?』と『私の魅力がわからんと!?』を読もう! ドハマりました好きな子がめがねを忘れた 藤近小梅小村君好きな子がめがねを忘れた 最高に面白いです! 本当に今まで読んだラブコメのなかでもトップです\(^-^)/ 心が豊かになります!読んでるとニヤニヤが止まらなくなります笑笑 気持ちが落ち着きます(・o・)珠子トラブル巻きこまれすぎだけど。。ハコイリのムスメ 池谷理香子Pom 面白かった! 世に言うお嬢様が、偽装婚約すること、大学に受かることを条件に東京で生活することに。 大学生ライフ、サークルの中で起こる人間関係模様とか懐かしい。。 偽装婚約の相手の紀之と主人公の珠子の二人の恋愛もウブな感じが良い。 珠子は入り込みすぎてトラブルに巻き込まれすぎでしょと思うけど、憎めない可愛さがあるんだろうなあ。てか何も知らない様に見えて以外に人見てる気もする。 青春時代を思いだせてくれる、ドキドキワクワクするお話。心臓が……ヤバくなります好きな子がめがねを忘れた 藤近小梅三重さん♪YouTubeのCMで流れて知りました 三重さんの目が悪くてド天然!小村君の人の良さ がこの物語を最高に面白くしてくれます!!! 自分なりに次こういう風になるかな?って予想しながら読んでるのですが……予想外すぎて全然当たりません笑 好きすぎて少なくとも5巻まで10回は読んでしまいました(´・ω・`) 好きすぎてスマートフォンのトップ画・背景画、好きな子がめがねを忘れたの表示にしてます! ずっと読んでいたかった全3巻今日どこさん行くと? 鹿子木灯nyaeマンバで知って「こんな漫画があるのか」と驚いた作品です。 3巻で終わってしまったことは自分としては非常に残念。もっとずっと上司さんと戸部下くんのゆるふわドライブを読んでいたかったです。 逆に言えばこの3冊に熊本と坂道と車の運転の楽しさがギュッと凝縮されているとも言える。 車の運転が大嫌いな自分に「車の運転たのしそう」と思わせたこの漫画の実力は本当にすごいです。100年後にバズる漫画JINBA 浦田カズヒロ野愛100日後に打ち切られる漫画家を読んでから妙に感情移入してしまい、どんな作品を描いていたのかと思ったらケンタウロス競馬漫画。 ケンタウロス競馬漫画というパワーワードよ。どういうことなの? しかもJINBAの前にもケンタウロスギャグ漫画を描いていると知り、そのケンタウロスに対する執念にちょっとゾクゾクした。 100日後を先に読むか後に読むかで感想変わるかもしれない。 ケンタウロス競馬漫画というとてつもないインパクトに受け身が取りきれないまま割とちゃんとしたスポーツ青春ストーリーがはじまり、どこまでがギャグでどこまでがガチなのかわからないまま2巻まで読み終えた。 この漫画について教えてもらったときに読んだ「あっというまに掲載位置が下がっていた」というコメントや100日後のカエル先生の苦悩が頭を過り、救いを求めながら3巻を読んだ。 純粋に作品を批評する土俵に立たないまま、ハイテンションかつ猛スピードで展開されていくストーリーをただ追いかけた。 時代が追いついていなかったんだ。 良いとか悪いとかではなく、凄い作品に出会えたような気はしてます。いつか時代が追いついて、ケンタウロスが競馬に出る日が来たらこの漫画は歴史的な作品になるはず。 追いつける日を楽しみにしています。心と体身体に良い作品短い横断歩道も待つタイプの中学生 やまうちなかやま自分、短い横断歩道も待つタイプの社会人 なのですが、帯に書かれている通り 「当たり前を守る少女に癒され」 ました。 毎話「そうなんだよ、これ守ってる人少ないよね、わかる!」って気持ちにさせてくれて、読んでいて気持ちがいいです。 濃ゆい漫画を読んで胃もたれした時に、読むと胃薬のように効いてきます。 妙なコマの静寂感も身体に優しい そして、自分が評価したいもうひとつのポイントが 表紙 よくないですか!? 朝・通学中の朝日が差し込む感じ、影の感じ 若干、朝早すぎる気もしますが、ずっと見ていたくなる良い表紙です 自分も善い事のためには躊躇しなようにしよう ※過激行動はダメだけど 良い馬に乗る為なら手段を選ばないジョッキーゲス、騎乗前 西公平名無し「馬七人三」という言葉があるが、これは本来レースは馬の力だけではなく騎乗する人間の力量によって差がでるという意味である。しかしこの漫画の主人公の騎手・牧聖一は「7割が馬の力で決まるなら良い馬に乗れば楽勝じゃん!」と考えており、名馬に乗る為なら手段は選ばない。調教師や馬主に媚を売り、悪知恵を働かせ、プライドを捨て、コネのある女と寝る…とんだゲス野郎なのだ!!! 主人公が清々しいくらいのゲスっぷりで読んでるうちに好感が持てるようになってきました。実はいい馬を見抜く目は確かだったり、騎手としての才能もなくはないところもあるんですけどね。真面目な競馬漫画だったら絶対こんなこと描かないだろうけど、実際に良い馬に乗せてもらう為の営業力って大事なんだろうなとも思いました…ちなみにこれはギャグ漫画ですが(笑)主人公はヤバい奴ですが他のキャラも相当ヤバいです。ある意味みんなゲスですね。おもしろシーンはたくさんあるけど、3巻での謎の三角関係の発生とか結末も含めて好きだったな。競馬以外のネタも充実してました。古屋兎丸の心意気が遺憾なく発揮されているのが・・・π(パイ) 古屋兎丸影絵が趣味月刊ガロのスーパースター(たしか福満しげゆきがそう言っていた)こと、古屋兎丸といえば、まず何といっても『π(パイ)』ですね。 月刊ガロといえば、常軌を逸した漫画家が大勢集まっており、エロ・グロ・ナンセンス・アバンギャルド等の作風で一世を風靡しましたが、古屋兎丸ももれなくこういった作風でガロからデビューしています。そして、まあ、私どもを含めた少々自意識を拗らせた人々がガロ系の漫画を読み漁ることとなったわけですが、こういったいわゆる大道からみれば外れ値にあたる作品というのは、一時こそはセンセーショナルに思われるのですが、その後が続かないということもまた多い。じつに沢山の漫画を読んできましたが、記憶にいつまでも残っているのはごく一部で、ほとんどの作品はタイトルすらも忘れてしまっています、まあ、これはガロ系に限ったはなしではありませんが。 で、こと古屋兎丸についていえば、いつまでも記憶に残っている。彼はガロ系作家の御多分に漏れず、常軌を逸した漫画家のひとりだと思うのですが、たとえば、同じく記憶に残り続けているねこぢるとは常軌の逸し方が違うような気がする。ねこぢるは純粋に外れ値の彼方にいるような漫画家でした。だけども、古屋兎丸の常軌の逸し方というのは、道を大きく踏み外す類いのものではなく、むしろ、あるひとつの習慣を偏狂的に続けるひとのそれであるような気がします。常軌を逸して几帳面なんですね。 それをまさしく体現しているのが『π(パイ)』ということになるでしょうか。ジャンル的にはオッパイのはなしなので、まあ、エロにナンセンスを掛け合わせたようなものになるとは思いますが、どうもそれだけではないような、エロとナンセンスをテーマとして掲げておきながら、それらを縦に貫いている偏狂的な習慣の持続がみられるのです。 主人公の沢木夢人は、オッパイ好きなデブのオタクだったのですが、ある日、オッパイと円周率の神秘に気がつき、これを探求することに人生を捧げようと決意する。しかし、このままでは一生なまのオッパイを見られないかもしれないと思い至り、高校入学まえに壮絶なダイエットをしてイケメンとして生まれ変わる、つまり高校デビューですね。ここまでで一巻の20ページなのですが、どうでしょう、この時点でもうすでに私たちの拗れた自意識が好みそうな漫画の体をなしておらず、気合いの入ったド直球の青春物語なのです。ただ、ちょっと、この気合いの入り方があまりにも偏狂的なんですね。何しろ、オッパイと円周率の神秘を探求して、人類に幸せをもたらし、ノーベル賞を取ろうという夢のようなはなしのですから。だけど、きわめて純粋で誠実で健全な漫画だと思います。自己紹介になりますが、純粋で誠実で健全な漫画が大好きです。 <<149150151152153>>
剣と魔法の世界に存在する知られざるブラック職場、それは"教会"…この教会の神官ユリウスは、日々強制転送されてくる勇者たちの死体の蘇生、教会の管理、更には蘇生費の徴収など、それら全ての業務をなんとワンオペで行っていたのだ!ここに知られざる神官の過酷な勤務実態が明らかになる! という、"RPGで主人公たちが全滅したときに戻される教会がもしワンオペで運営されてたら?"という切り口で描かれるファンタジーコメディ。 着想の切れ味の鋭さも素晴らしいんだけど、異常な頻度で死んで転送されてくる勇者、蘇生費を踏み倒そうとする輩、どこからともなくトラブルを運んでくるヤバい勇者、そして労働条件的にも金銭的にも限界に近づいた結果良からぬ方向に足を踏み出そうとする神官ユリウスと、コメディとしてのキャラの配置が上手くて、タイトルだけの一発ネタでは終わらせない地力を感じる。RPGをプレイしたことのある人なら親しみやすい世界観も魅力的な作品。 1巻まで読了。