名作マンガの感想・レビュー1460件<<3536373839>>美しい風景釣りキチ三平 矢口高雄名無し釣りへの愛に溢れた名作。 この漫画を支えているものの一つが、美しい風景描写だと思います。 緻密で透明感があり、いかにも「漫画」なキャラとの対比が際立っています。 直接、原画を拝見したことがありますが、雑誌で見るよりも数段美しく、芸術的で惚れ惚れしました。 漫画家さんが背景を描くときのお手本として「釣りキチ三平」から学んでいると聞いたことがあります。そういう意味では、矢口高雄先生の絵はこの先も絶えず影響を与え続けて行くのだと思います。 ちなみに昭和の漫画事情と言いますか、タイトルのキチはキチ○○の意味として堂々と使われています。今だとアウトな表現なので、これだけで作品が誤解されたり敬遠されてしまうことがないよう願っています。少女漫画の王道的ストーリー海のオーロラ 里中満智子名無し生まれ変わりがテーマです。 舞台は古代エジプト。貧しくも健気に生きる少女が運命の人と出会う。その男性は、前世にも愛し合い、しかし、結ばれることはなかった恋人だった・・・という少女漫画の王道を行くストーリーです。 王家の陰謀や、三角関係四角関係にもつれるドラマに、10代の頃夢中になって読みました。ドロドロ感もあるので、今の若い人も結構ハマるんじゃないかと思います。再現可能な料理が満載ミスター味っ子 寺沢大介名無しストーリーはもちろんのこと、ミスター味っ子の魅力は何といっても、その再現性。作品で紹介されている料理のほとんどを、手軽に再現することができちゃいます。私自身、かつ丼、カレー、スパゲティ、ハンバーガー・・、などなど挙げていけばきりがないほどに、再現してまいりました。で、そのどれもが美味しいのなんのって。今まさに漫画に出てきている料理を、食べている自分って、なんて幸せなんでしょうか。こんな感じで、ミスター味っ子は、自分で料理する楽しみもあるので、まさに一石二鳥なのです。心にこびりつく…うしろの百太郎 つのだじろう名無し全オカルト心霊好きに読んでいただきたい漫画です。オカルト漫画界の巨匠つのだじろう先生の描く、迫真の霊の世界。主人公である後一太郎(うしろ・いちたろう)の体験を飛び越し、見ている側も生活が侵食される恐怖を感じるはずです。留守番中の家、シャンプー中、自分の部屋のドアを開ける直前!何者かが潜んでいる…自分を見ている。読み終えた後、そんな感覚に襲われました。 女子プロ野球に、太陽は昇るか。鉄腕ガール 高橋ツトムあうしぃ@カワイイマンガ【世界と戦うアスリート漫画①〜スポーツコラム風に】 1934(昭和9)年、あのベーブ・ルースを擁した米国選抜チームを相手に一人、気を吐いた日本人投手がいた。その年、彼を中心に日本初の男子プロ野球チームが誕生する。 彼の名は、沢村栄治。背番号14。 学生野球が盛んな日本にようやく生まれたプロ野球の中心で、彼は自ら輝き、日本中を熱中させた「太陽」だった……というのは史実。 ★★★★★★ そしてここからは架空の話。 例えば太平洋戦争敗戦後に日本で女子プロ野球リーグを構想するとして、もし沢村栄治のような「太陽」が女子にいたら、どうなっただろう? カフェの女給を寄せ集めたチームの中に、ずば抜けた身体能力と負けん気を持った女がいた。彼女は化粧品会社の女性社長のチームで、日本を代表する豪腕……まるで沢村のような……に成長する。 彼女の名は、加納トメ。背番号14。 その豪速球とマウンド度胸は、周囲に夢を見させる。しかし彼女を待っていたのは、プロリーグではなかった。 女性社長と彼女の弟はプロリーグ構想を骨抜きにし、米国資本との賭け試合を仕掛ける。米国との「経済戦争」は日本中を熱狂させるが、その先に待っていたのは……。 プロリーグとは縁遠い場所で、加納トメは全身全霊で戦い続ける。勝負の場を作るために自ら前線に立ち、女が野球をやる権利を賭けた大博打を打つ。そして圧倒的な才能にも関わらず、常に格上に挑み、負けて当然のギリギリの闘いをする。 その姿は時に清々しく、時にひどく見苦しい。しかし彼女は周囲を惹きつけ、「太陽」として日本を明るく照らし、現代の我々の網膜にも忘れ難い影を焼き付ける。 ★★★★★ ……という強烈な印象を残す本作。その現実離れした物語は実際のスポーツ興行には参考にし難いと思われるかもしれない。しかし私達は本来、現実離れした圧倒的な才能・物凄いプレイを観たくて、競技場に足を運び、ニュースに一喜一憂するのではなかったか。 例えば『1518! イチゴーイチハチ!』の環会長や、『球詠』の選手達が将来飛び込む女子プロ野球の歴史に、もし加納トメがいたら……と想像するのはとても楽しい。それは彼女達が加納トメというとんでもない才能を目標にし、いつか凌駕し、歴史を上書きする瞬間を見せてくれることを期待するからだ。『うしおととら』は面白いから絶対読んでおけと先輩に言われたうしおととら 藤田和日郎名無し以前から先輩に『うしおととら』は面白いから絶対読んでおけといわれていたのだが最近の無料公開キャンペーンのおかげではじめて読むきっかけができた。1話目からヤバくて槍強いし妖怪怖いしホラー?かと思ったら主人公は明るいし根性あるし、女の子かわいいしおもしれーわこれ。ハッタリと強運カメレオン 加瀬あつしstarstarstarstarstarウマタロ喧嘩が弱く、いじめられっ子だった主人公・矢沢栄作がヤンキーとして高校デビューを果たし、ハッタリと強運だけで成り上がっていくサクセスストーリー。 次から次へと怖ろしく強いヤンキーに絡まれては、ハッタリを利かせた口上で相手をビビらせ、戦闘となれば狡賢く逃げまわり、最後には神風のような運を味方につけて勝利してしまう。 読者視点で見ると信じられない奇跡ばかり起きて笑ってしまうのだけど、ヤンキー目線では、矢沢が次第に大物に見えてくるから不思議。。 ピンチになっても世の中ハッタリでなんとかなるのでは?と当時は本気で思わせてくれたし、こんな強運を手に入れたいと思った。 いま考えるととんでもないストーリーだったけど、青春時代にちょっとした憧れを見せてくれた漫画だった。 フェルゼン様…ベルサイユのばら 池田理代子名無しアントワネットとフェルゼンの関係が好きでした。不倫ながらも死ぬまで愛しあった二人を応援してました。王妃ゆえに普通の女性として恋愛することが許されなかったアントワネット。処刑されてしまったが、生まれ変わったら今度は不倫じゃなく自由に恋してほしい。これを読んで棋士に…ヒカルの碁 ほったゆみ 小畑健名無し囲碁界も将棋界もAIが新たな戦い方を教えてくれる時代。このヒカルの碁は、その先駆けになるような漫画だったように思います。インターネット上での対局ができるということを、この漫画を通して知った子も多いハズ。今やこの漫画を読んだ世代から囲碁の棋士が誕生しています。そういう意味でも一度読んでみる価値のある漫画だと思います。もちろん物語としても非常に面白いです。日本が国家としてあるべき姿に気付かせてくれる作品沈黙の艦隊 かわぐちかいじ名無し高校時代に友人から紹介され、壮大なストーリー展開や手に汗握る戦闘シーン、人間ドラマに夢中になってしまいました。 90年代当時は忌避されがちであった、核兵器の意味や国家とは何か?といったテーマが堂々と語られています。 戦後70年の間に日本人が失ってしまった国家の一員としての役割や誇りを思い起こさせると共に、混迷を極める現在、私たちが目指すべき場所を明確に指し示してくれる作品だと思います。 週刊少年マガジンの「顔」の実力を見よ!コータローまかりとおる! 蛭田達也名無し映画化もされ、パチンコ化もされたほど根強い人気をもつ作品ではあるが、真のエンディングは迎えないまま20年が過ぎてしまったのが「コータローまかりとおる!」の現状である。とはいえ、それは続編の話であり、本作品はきっちりと完結をしている。12年で60巻近くを出した筆の速さからくるテンポの良いギャグとアクションの連発は爽快感さえ感じることができるだろう。連載中にJAC(ジャパンアクションクラブ)全面バックアップのもと映画にもなっており、ジャスピオンの黒崎輝、ギャバンの大場健二、ビジンダーの志保美悦子、そして今をときめく大スターの真田広之がメインキャストを務めており、こちらも機会があれば視聴するのをオススメする。 週刊少年マガジンの看板作品だった頃の実力を堪能できるだろう。無題金田一少年の事件簿 天樹征丸 金成陽三郎 さとうふみや 大下賢一郎はる本格的な推理マンガで読み応えたっぷり!! 事件の動機やトリックも細かく描かれていてひとつひとつの事件に心動かされます。 普段は学校の成績も悪くダメダメな金田一少年が事件になるとキレキレの推理を始めるのが読んでいてかっこいいです名作のだめカンタービレ 二ノ宮知子名無しのだめも、千秋先輩も仲間や先生も、みんなキャラが立ちすぎるほど立ってるけど、それが不協和音にならずに楽しめるのは、ほんと作者の力量だと思います。振り切ったギャグめいたシーンが面白いのはもちろん、彼らの悩みや夢に感情移入して、じーんときます。漫画だと当然、音は聴こえないのに、逆に聴こえないからこそ、想像の余地があって、どんなに素晴らしい演奏なんだろうと思える良さがあります。 アニメ化もドラマ化もされて大人気でしたが、やっぱりなによりも原作の漫画の魅力があればこそ!だと思いますね。 誰もが認める名作「寄生獣」寄生獣 岩明均名無し人に寄生し、その体を乗っ取り、人間を捕食していく謎の生物…これだけ言うとホラーの趣がありますが、これはヒューマンドラマです。 テーマも環境問題がどうのと言う、今の時代ではありふれた陳腐な物に感じられるかも知れませんが、逆にそれが寄生獣(パラサイト)の「自然の摂理」的な物を感じさせます。 パラサイトには悪意があるわけではなく、単に「この種を食い殺せ」と言う本能に従っているだけなので、弱肉強食の摂理に従えば、彼らは普通に生きているだけと言うことになります。 つまり彼らも自然の一部なのです。 それが環境を破壊している人間へのカウンターとしての生物なのかが分からないため、パラサイト当人達も「我々は何故こうして生きているのか」と考察する者もおり、中々深いです。 結局、パラサイトの中で一番の能力を持ち、リーダー格である「後藤」は、環境破壊の権化である、ゴミ捨て場の毒を主人公に打ち込まれてトドメを刺されますが、これも皮肉が効いています。 主人公に寄生し損ね、共同生活を送ることになる「ミギー」にも妙な愛嬌があり、明言はしませんが、最後彼らがどうなるかは涙無しには見れないかもしれません。 名言や名シーンの多い漫画でもあるので、それだけでも読んで損はしないでしょう。 作者の岩明氏の絵も、人間と人間で無い何者かの違いがきちんとわかる辺り凄いです。 特別綺麗とか特別美しいとかそういうのではありませんが、生きた眼とそうでない眼の描写が抜群に上手い。 視線だけで「コイツはヤバイ」とか「コイツ人間じゃねぇ」と言うのを分からせるのは類い希なるセンスだと思います。春巻ファン必読!!外伝!浦安鉄筋家族 闘え!春巻 やぎさわ景一 浜岡賢次名無しでました。浦安キャラの中でも一、二を争う大好きなキャラ「春巻先生」。 当初は明らかにブルースリーを意識した存在だったのですが、巻を追うごとにヘタレて、比類なきバカの頂点へと登りつめていきました。そんな彼の集大成ともいえるギャグあり、バトル(?)あり、ファン垂涎の一品です!旧キャラも新キャラも迎えてパワーアップ元祖! 浦安鉄筋家族 浜岡賢次名無しこのシリーズはいくつかサブタイトルがついたものが存在しているのですが、この「元祖」は初期の浦安鉄筋家族に存在したキャラでいつの間にか消えてしまったキャラたちが復活します!どちらかというとずっと浦安を読んでいた人向けですが読んだことがなくても大丈夫です。笑いのツボを的確に押さえてくるので読んで損はないです! 気分が落ち込んでいるときに絶対笑いたい人必読!毎度! 浦安鉄筋家族 浜岡賢次名無し言わずと知れた有名ギャグ漫画の続編リーズです。 どのキャラクターも個性的で変わらず面白いですが、やはり現実の有名人を模倣したキャラクターの破壊力がヤバい笑 「おいおい、大丈夫か?」と違う意味でニヤニヤしながら読んでしまいます。 この作品は電車の中で読むのはご法度です。なぜなら「突然吹き出してしまうから!」絶対笑いたい人は是非!コロナなんかクソ喰らえ!キャプテン ちばあきお影絵が趣味新型コロナウイルスの影響で春のセンバツが中止になった。コロナなんかクソ喰らえ! 少年の頃から甲子園を夢みて日夜練習に励んでいた球児たちのことを想うとほんとうに涙がでる。色々と救済案が検討されているらしいが、おそらくどれも大した効果は生みはしないだろう。奇跡的にも90回、100回と聖地・甲子園の地で途方もない熱戦を繰り広げ続けている大会だからこそ球児たちの憧れになる。この奇跡的な歴史の積み重ねの上に、こんどは自らが新しい歴史を刻んでゆく、これほどの夢がほかにあるだろうか。 ジタバタしていても仕方ないので、ちばあきおの『キャプテン』を読む。もちろん、イガラシ編の春の選抜大会の巻だ。大会に向けた過激な練習が教育ママの松尾の母ちゃんに問題視され、そんなタイミングで運悪く松尾が怪我してしまい、イガラシは校長から選抜辞退を宣告される。 ジタバタしていても仕方がない。いまこそ我々はちばあきおの『キャプテン』を読むべきなのだ。可哀相な事態が起こったから救済措置を設けますといったって、この世界はマイナス1に1を足せばゼロにもどる数式のようにはできていない。無念は無念のまま残り、救済は救済としてあるかもしれないが無念とはすれちがったままだろう。それどころか、救済が何らかの形で夏の大会にまで及べば、さらなる無念や軋轢を生むことは想像に容易い。いまこそ我々は『キャプテン』を読むべきなのだ。無口すぎるゴリラーマン ハロルド作石名無し主人公の高校生、ゴリラーマン(池戸定治)は、とても無口で(というより一言も喋らない)喧嘩が強くて、顔はゴリラにそっくり。めちゃめちゃ個性的で謎すぎる存在ながら、どこかひょうきんでかわいらしい魅力的なキャラとなっている。 もうひとりの主人公、同級生の藤本修二は、喧嘩はめっぽう強いけどちょっとアホでひょうきん者というゴリラーマンとは対象的な性格で、この二人が巻き起こすドタバタ劇を描いた不良な漫画であるが、主人公の一人が一言も喋らないという斬新さもあって、他の不良漫画とはひと味違った面白さのある作品。 不良漫画の金字塔”クローズ”の続編WORST 髙橋ヒロシ 高橋ヒロシ名無しクローズの続編ですけどクローズを読んで無くても大丈夫です。もちろん読んでいれば、前作にも出てきたゼットンなどの後輩達が最上級生になってるのでより楽しめます。伝説のヤンキー校・鈴蘭高校を舞台にした熱き戦いは普通の不良漫画とは一線を画しています。出てくるセリフに名言も多く、このシリーズを抜きにして不良漫画は語れないでしょう。全てはこの作品から始まった男一匹ガキ大将 本宮ひろ志名無し週刊誌として後発のジャンプを一気に知名度の上がる作品に押し上げた作者といえば、やはり本宮先生の描く本作品に他ならない。 その影響は大きく「藍の時代」の中で、本宮先生との邂逅を描かれた車田正美氏はその衝撃について描いている。 ちなみに本宮先生は”戸川万吉”そのままの姿で登場し男を見せています。 その他にも、北斗の拳の武論尊、原哲夫両氏や、男塾の宮下あきら氏など多くの作者と作品に影響を与えた作品です。 ジャンプの熱気のある漫画を好む方には間違いなくオススメできる作品と言っていいでしょう。 ジャスト世代の50代はもとより、40代の方は独立UHF局の増設時期に従いアニメは見たが原作は未見という方も多いと思われます。 また若年層にはサラリーマン金太郎のファンの方など本宮エッセンスの詰まったバイブルとして本作品はオススメです。大人でも楽しめる少年漫画風のシルフィード 本島幸久ダービー絵はいかにも古臭い少年漫画といった感じで慣れるまで時間がかかったけど、次第にストーリーに惹き込まれていった。 ダービー、菊花賞、そしてついには凱旋門賞と活躍のステージがどんどん上がっていくのは読んでいて爽快。 その一方で単純なサクセスストーリーに留まらず、人と馬の結びつきや、競馬界の裏事情、騎手の過酷な練習など、細かい部分もちゃんと描写されている。 私は当時リアルタイムでは読んでおらず、最近読んだばかりなのですが、大人でも十分に楽しめました。 最近のグルメ漫画とはまた違う良さザ・シェフ 加藤唯史 剣名舞名無し読んでみたいなぁと思いつつ中々チャンスがなかったやつ。 1話目からもう面白かったです。この主人公・味沢の無愛想だけど悪い人じゃない感じってブラックジャックと同じ人種だな!!??!とすぐに思いました。何回読んでも飽きない!賭博黙示録カイジ 福本伸行名無し漫画・アニメ・映画と全部見ているくらいのファンですが、これはもう説明不要なレベルで、あまりにも面白い作品だと思っています。何度読んでもワクワクゾクゾクするし、飽きがこない。これからもカイジを読み続けていきたい。<<3536373839>>
釣りへの愛に溢れた名作。 この漫画を支えているものの一つが、美しい風景描写だと思います。 緻密で透明感があり、いかにも「漫画」なキャラとの対比が際立っています。 直接、原画を拝見したことがありますが、雑誌で見るよりも数段美しく、芸術的で惚れ惚れしました。 漫画家さんが背景を描くときのお手本として「釣りキチ三平」から学んでいると聞いたことがあります。そういう意味では、矢口高雄先生の絵はこの先も絶えず影響を与え続けて行くのだと思います。 ちなみに昭和の漫画事情と言いますか、タイトルのキチはキチ○○の意味として堂々と使われています。今だとアウトな表現なので、これだけで作品が誤解されたり敬遠されてしまうことがないよう願っています。