怪奇・ミステリーマンガの感想・レビュー3336件<<115116117118119>>明治ロマンと時をかける女子高生の恋涙雨とセレナーデ 河内遙かしこ河内遙先生が描く王道少女マンガ的ラブストーリー。 曽祖母にもらったネックレス、天気雨、とあるクラシック音楽の一曲、三つの要素が合わさると自分そっくりのお嬢様が生きていた明治時代に飛ぶらしい。主人公は子供の頃にも一度タイムスリップしたことがあって、その時に出会ったお嬢様の婚約者である御曹司とはお互いに初恋の相手でもある。無くしたネックレスを探す為にお嬢様のフリをして御曹司に接しているうちに恋心が増すんだけど、自分の正体を明かすことも出来なくて…というお話です。 これはちょっと展開が読めなくて面白いなと思ったのは、主人公の他にもタイムスリップした人物がいるところです。それがお嬢様が恋心を抱いている若き書生だから益々面白い。人物相関図がワクワクの多角形になってます! 子供の頃のように恋と少女マンガに憧れる純粋さを思い出させてくれる良作。ポテンシャルを感じる面白い作品鳥葬のバベル 二宮志郎にわか設定の面白さと展開の広げ方が魅力的で話にグイグイ引き込まれた。謎が謎を呼び、展開がひっくり返されるのは楽しい。惜しむらくは終盤が駆け足すぎたこと。ただ次回作のガンニバルが面白いだけあって、面白い作品を描ける作者のポテンシャルを感じる一作だった。これは人気出そう!シチハゴジュウロク 笹古みとも 工藤哲孝starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)すぐにでもアニメ化されそうなビジュアルと設定! 絵も表現もめっちゃ良いし、話も面白い! 最近ワクワクして連載を追ってる作品の一つ。 夏、青春、入道雲、煩悩を抱えた男子高校生、謎の美少女、転校生、言葉使いが荒い可愛い幼馴染、突然の死、身代わり、呪い、時間遡行、復活、ミステリ、サスペンス・・・。 高校一年、夏、「五六冴郎(ふのぼりゴロー)」が、危うく死にかけた「藤宮しちは」を助けた拍子にキスしてしまったことで契約は交わされてしまった。 「ゴロー」が殺され、そのたびに「しちは」が身代わりになる。 ゴローは犯人を見つけだすと、しちはが蘇って代わりに犯人が死ぬ。 これを7回繰り返さなければいけないという。 死を繰り返す壮絶なミステリが始まった。 一人目からほぼ何の因縁も無い犯人だったため、2人目からめちゃくちゃ難航するんだろうなあと思ったら、やっぱりそうだった。 しかし、なんだかちょっと訳知り顔っぽいようなユニークなキャラクターたちが出てくるので全く飽きない。 そして、みんなかわいい。 システム的には、何度も殺されるなんてたまったもんじゃないから身代わりになったしちはを放置することもできる。 だが、それをやらないのがこの主人公だ。 ちゃらんぽらんでスケベなだけな男かと思いきや一本芯が通ってるというか、困った女の子は見過ごせないということなのか、迷いながらも覚悟を決めていく。 その過程もちゃんと恐怖と葛藤があってすごくいい。 「"狼(ウルフ)" "山猫(リンクス)" "生贄の山羊(スケープゴート)"」っていう呪文?もかっこよくて最高に中二心をくすぐってくれる。 すぐアニメ化しそうとはいえ、7人分ちゃんと終わらないと厳しいだろうなとも思う。 怪しくて面白いキャラクター達ばっかりだが、ラストに向けてどうなっていくのか! 楽しみにしてます!映画は中止になったけど漫画面白いから見てくれ外道の歌 渡邊ダイスケ名無し復讐代行系の漫画。 勧善懲悪でもないけどこういう人いそうと思わせるリアルな描写。 漫画は面白いんだ、読んでみてほしい。 脱出編は文句なし。だけど……約束のネバーランド 白井カイウ 出水ぽすかニワカ※ネタバレを含むクチコミです。設定も、演出も、物語も文句なしで面白い黒博物館 ゴーストアンドレディ 藤田和日郎ニワカ※ネタバレを含むクチコミです。元は携帯での閲覧専用漫画として描かれた、妖怪ほのぼの日常モノ奇異太郎少年の妖怪絵日記 影山理一ニワカ2.奇異太郎少年の妖怪絵日記 「奇異太郎君の霊的な日常」のサイドストーリーとして生まれた作品。元々新しい携帯のマンガを作ろうと携帯での閲覧専用漫画として描かれたらしい。が、なぜか書籍化しちゃったと作者も語っている。 内容は、妖怪に縁ある少年とそれを取り巻く妖怪達のほのぼの日常モノ。座敷童の『すず』がひたすらに可愛いので勝ち。ちゃんと登場した妖怪を丁寧に解説してるところが高ポイント。がっちりとした物語があるという作品ではないが、箸休め的に読むと楽しい。 推理だけじゃない、いろんな要素が入った良質コメディじけんじゃけん! 安田剛助sogor25話のネタが実質推理小説縛りなのに5巻まできても全然ネタ切れを起こさないどころか、推理小説要素がメインの話と、それを活かしてキャラの関係性を進展させるのがメインの話との両方がバランスよく組み込まれてる。その他にも1冊の中でキャラの登場する割合も考えられてるし、ガチめの推理小説の知識を出して頭を使うパートと頭空っぽで読めるパートも良い配分で入ってる。結果として通しで読んでも全く飽きさせない作りになっている。 実際の小説名を出す権利関係(+広島弁を流暢に話せる声優)さえクリアすればアニメ化でめっちゃハネそうなんだよなー。 5巻まで読了禁断のソリッドシチュエーションSFルートダブル Before Crime * After Days After 桃山ひなせ イエティ/レジスタ 中澤工 月島総記 日向もやし みけおう 月島トラ兎来栄寿何という面白さ! 面白すぎる! 凄すぎる!! ルートダブルに本腰を入れ始めた時、私は「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメのリアルタイム視聴すら諦めて、この過酷な世界に徹夜で没入してしまいました。そして、暫くの間うわ言のように「ルートダブル面白い」「ルートダブル面白い」としか言わない、壊れたレディオのようになりました。 「ルートダブル」は、2012年の6月にXBox360で発売されたAVG。今や禁忌とも言える極限状況。知的好奇心を刺激して止まない、近未来における新たな理を描くSF設定。それらが合わさって構築される、濃密な物語。その圧倒的な面白さは、私が2012年に触れた全ての物語の中で最高ともいえるものでした。 ■禁忌の絶望的極限状況 「ルートダブル」は、メルトダウンした原子力施設の中に閉じ込められた9人の脱出劇を描いた物語です。蔓延する放射線、火災、バックドラフト、酸欠空気、殺人……様々な苦難が満ちた地獄の世界で、果たして彼らは生き残れるのか。 このあらすじを聞けば、「福島の事故があったのに、そんな話は不謹慎ではないか」と感じる方もいるでしょう。実際、社会情勢を鑑みて発売中止になるかもしれない、という時期もありました。しかし、この作品の制作が発表されたのは2010年。元々、原発事故の被害者を貶める意志など微塵もなく、むしろ極限状況における人間の希望を描いた作品であるということが強調され、何とか発売されました。私は、この作品が世に出てくれて本当に良かったと思っています。純粋に面白いのは勿論ですし、触れれば悪意を持って創られた作品でないことは明白に理解できます。そして、放射線・放射能・放射性物質やベクレル・シーベルト・グレイの違いといったような知識を改めて学ぶことができる内容、そして作品の中で語られるテーマは今の社会において非常に重要で有用であるからです。 ■視点は「二つ」あったッ! 双極から立体化する物語 「ルートダブル」は、そのタイトルが表す通り、二つの異なる視点から同じ対象が描かれます。√Aは、記憶喪失になってしまった救急隊員の笠鷺渡瀬の視点で、√Bでは母親が研究所の職員である高校生の天川夏彦の視点で。マンガ版でもそれぞれのルートの話が別々に一本の作品として描かれ、単行本も√Aと√Bが二冊同時に発売される形でした。 たとえ見るものが同じであっても、観点が変わればその印象は全く違う……そんな面白さも見事に表現されています。一方的な視点見るだけでは解らない側面。他者の立場に立ってみて初めて解ること。この双方向的な構造それ自体が、批評性を持っています。これ以上ない緊張感溢れるシチュエーションで、二転三転していく物語。何でこんなに続きが気になる所で仕事に行かなければならないのか! と理不尽な怒りすら湧くほどの牽引力でした。この作品に込められた様々な趣向と構造には、思わず溜息すら漏れます。 ■SFの世界が現実に ジュール・ヴェルヌが描いた潜水艦や宇宙船、アーサー・CD・クラークが描いた衛星通信技術、H・G・ウェルズの描いた光学迷彩……優れたSFは、未来への真摯な想像力によって、現実を先取りしすることが多々あります。「ルートダブル」もその好例です。実際に制作中に原発事故が発生してしまった、というのも先見的ですが、この作品では根幹となる部分に一つ大きな設定を導入しています。それが、「Beyond Comminucation(BC)」、いわゆるテレパシーと呼ばれるような能力です。脳と脳による直接的なコミュニケーションが超能力としてではなく、極めて濃厚な科学的考証を経て、社会では普通の存在となった能力として描かれます。「"情報"もエネルギーの一種である」という理論は近年研究が進められ、今作で描かれるような現象も近い将来には実現しているのではないか、と思わされるリアリティがあります。知的好奇心の擽られるSFが好きな人間には堪らない作品です。 ガンガンオンラインのサイト上で1話の試し読みができますので、まずは騙されたと思って触れてみて頂きたいです。商業的な要請から美少女が全面に押し出されてはいますが、中身は実に重厚です。 ただ、この「ルートダブル」は、マンガ版は物語の途中までで完結となっており、事件の全ての真実や、より細かい世界設定などを楽しむためには原作をプレイする必要があります。とはいえ、マンガ版にはマンガ版の魅力も勿論あります。ゲームでは見られなかったアクションやキャラクターの表情・魅力といったものを堪能できるのは、マンガ版の強みです。原作と共に相乗的により深く物語を楽しめる作品として、まずマンガ版から入るも良し、先に原作をプレイして後から読むも良し。現在、PS StoreにてPS3版とVita版の半額キャンペーンが行われていますので、是非とも原作と併せてこの類稀なる傑作として「ルートダブル」の世界をお薦め致します。 ■余談 マンガソムリエを名乗り、あまつさえマンガレビューサイトでこんなことを言っていいのか悩みます。しかし、敢えて言いましょう。こと物語創作において、今最も可能性を持った媒体はノベルゲームではないかと。ヴィジュアル面とサウンド面、そして構造的演出による相乗効果を駆使できながら、映画やアニメに比べれば遥かに低コスト。その気になれば四畳半の部屋で個人単位で制作し、世界を変えて行くこともできます。 原稿用紙数万枚分や単行本数十巻分、あるいは映像にして数十時間分の超大なボリュームの物語をいきなり新人が打ち出すのは極めて困難ですが、ノベルゲームはそういったことも可能にする世界です。今後も、野心的な素晴らしい作品が生まれることを期待しています。 ただ、マンガにおける音声面の補完としては、最近では集英社のVomicや、Domixといった試みもあり、非常に興味深い所です。あるいはニコニコ動画などでも絵が多少動きつつ音声も付けられた作品があり、そちらにも新たな可能性を感じています。ロッキーの練習シーンや、ラピュタ上陸シーンのような、聞けば一瞬でそのシーンを想起するような音楽の力がマンガに付加されたらどうなるのか。Webマンガやスマホで読むマンガが隆盛を極め、マンガ業界も過渡期を迎えている今、どんな形のマンガが今後生まれてくるか、楽しみです。 正義も悪役もいないストーカー浄化団 オオイシヒロト オオガヒロミチ名無しストーカーを懲らしめる集団。そこまでは誰でも想像するけど一巻読み終わると「なるほど、そういうことね」と納得する。 行き過ぎたストーカーを止めるのはヒーローではない。 無償で被害者を助けるヒーロー的なものは存在しないということ。 「被害者側」も「加害者側」もこの「ストーカー浄化団」もそれぞれエゴを持ってて最終的に全て綺麗に解決する様、見てて気持ちいいです。 かっこよくも見えてくるし、恐ろしくも見えてくる。 新たなループものの傑作はっぴぃヱンド。 森下真 有田イマリsogor251巻序盤は「がっこうぐらし!」のようなホラー的要素が強かったけど、1巻終盤から少しずつ謎が提示され、その謎が少し解けると新たな謎が生まれ、そうこうしていく中でもループは繰り返されていく。分かりやすい"ハッピーエンド"ではなかったかもしれないけど、明確なゴールにちゃんと辿り着いた、素晴らしい結末でした。 表紙の可愛らしい絵柄からの1話のホラー展開によって、ループの設定に「1ページめくるとどんな展開になるかわからない」という疑心暗鬼の要素が加わり、最後までテンションを落とすこと無く読むことが出来ました。 ループものでいうと「ドロップフレーム」や「リピートアフターミー」、マンガ以外だと「STEINS;GATE」や「All You Need Is Kill」なども好きですが、私の中ではそれらに並ぶ名作になりました。 全5巻読了唐突だけどなんかわかる雪女と蟹を食う Gino0808名無し読んで思ったことは「あれ?作者女性の方なんじゃ…?」でした。 主人公は自殺を図るおっさんなのですがとても共感できる… 自分も死ぬくらいなら死ぬ前に蟹がくいてぇ!! 影がある人妻も何も身の上話をしていないのにキャラが立ってるんです。 主人公も雪女のような人妻も、実は似てる人間な気がします。 まったく違うのに似てる人間が出会ってしまった! 似ているからこそ葛藤して惹かれ合う気がします。 男は多分死ぬ危機感を感じたら性欲が勝る生き物だと思います。死ぬ前にふらっと北海道行きたいわ…っていう心情はちょっと女性的ですね。 1999年から2014年の間に描かれた高橋留美子の短編が一気に読める鏡が来た 高橋留美子短編集 高橋留美子ガロン1999年から2014年の間に描かれた高橋留美子の短編が収録されている。ほとんどが単行本初収録らしい(もう少し早くても良かったのでは笑) 表題作の「鏡が来た」は手のひらに鏡が現れると、人の悪意が見えるようになってそいつを始末してあげなきゃいけない世界の話で世にも奇妙な物語的なテイストだけど、「with CAT」とかは高橋留美子らしいドタバタラブコメで幅が広い。 個人的にはあだち充と共同で描いた週刊少年サンデー50周年記念企画に寄せた「マイスイートサンデー」が二人が漫画家になるまでとか、あだち充がデビューしたとき高橋留美子は何をしていたのか?が描かれてて面白かった。二人ともサンデーとの出会いは遅いっていう共通点があるらしい 圧巻のクライマックス無限の住人 沙村広明ぱにゃにゃんだー漫画の終え方は難しいとよく聞きます。しかしながら、ムゲニンの終盤は美しくてため息がこぼれます。物語の佳境と長期連載で培われた作画技術があわさり素晴らしい出来です。 一方で、物語の序盤は、そんなに私の好みではありませんでした。主人公が不死身の侍と聞けば、捨て身の特攻無双のチートキャラをわたしは思い浮かべるのですが、ムゲニンではそうはいかない。万次さんは不死身だけど微妙に弱い。いえ、弱いわけじゃないんだけど、自分より強い敵には普通にガチ苦戦する。きっと登場人物を強さでランキングしていったとき、上の下くらいになりそう。だから、根性と策略でなんとかやり過ごしていく。その泥臭さたるや、愛想がいいキャラではないのに応援したくなるほど。 そういうのが好きな人はきっと序盤から楽しいはず。なんやかんやで主人公が圧倒的なほうが好きだとヤキモキするかも。けど、前述の通り、最終的には圧巻のクライマックスです。読んで良かったーという感想しかありません。 藤田和日郎伝統の鬼カッコイイジジイが見れます邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎ANAGUMA米空母から脱走した殺人フクロウと人類が壮絶な戦いを繰り広げるという マックスB級感あふれるあらすじから繰り出される今作のジジイは 盲目となった伝説のマタギスナイパー!!もうカッコイイぞ!! 見るだけで人を殺せるフクロウのカジュアルな強さに絶望しながらも、 つらい過去をそれぞれに抱えた主人公たちが腕を取り合い、立ち向かう姿に自然と目頭が熱くなります。 藤田和日郎の描くジジイにハズレ無しです。 あと個人的にはX-FILESとか好きな人に読んでほしい。不可思議な世界観を尻目にどんどん進んでいくストーリー殺人プルガトリウム 小手川ゆあsogor25死後の世界、殺し屋が裏切りの末に殺したかつての仲間を探して本当の仲間・家族になろうとする。あらすじだけでなんかヤバそうな物語だというのが見て取れるけど、世界設定もかなり謎を残してて全く先が読めない。 死後の世界だけども普通に人が日常生活を送っているという不思議な世界観。それどころか現れる死者に応じて勝手に世界が改変される様子。一応かつての仲間を見つけるというのがメインに置かれてるけど、この死後の世界全体にもっと大きな謎が隠されてるような気がしてならない。 1巻まで読了。 メイコの遊び場の設定・子どもの遊び【登場人物まとめ】メイコの遊び場 岡田索雲メイコの遊び場の遊びメイコとアスマたちがやった遊びをまとめました。(更新:2020/02/21) 【登場した遊び】 **1話目「遊びのはじめ」** ・じゃんけん(虫けん・足じゃん・顔じゃん・舌じゃん) **2話目「釘」** ・釘遊び(かこみ・改造釘) **3話目「灰」** ・だるまさんがころんだ **4話目「縄」** ・投げ縄・縄跳び **5話目「松葉」** ・松葉遊び(形を作る・松葉相撲) **6話目「タンポポ」** ・タンポポ(花相撲・種痘・風車・かんざし・笛・花占い) **7話目「影」** ・鬼ごっこ(高鬼・色鬼・形鬼・影ふみ鬼) **8話目「暴動」** ・自転車 **9話目「男の子女の子」** ・おはじき ・お手玉 ・まりつき **10話目「蝸牛」** ・クチベニマイマイ **11話目「ハンカチ」** ・ハンカチ遊び(てるてる坊主・赤ずきんちゃん・バラ・バナナ・イカ・カメ・リボン・ブラジャー・ネズミ) **12話目「槌の子」** ・自転車 ・スルメを網で焼く **13話目「8月の事件」(1973年8月)** ・ジャンケン ・あんたがたどこさ ・毛笛 ・ロープ回し ・釘遊び **14話目「赤青」** ・昆虫採集セット(赤…殺虫液 青…防腐液) **15話目「変身」** ・ライダーごっこ **16話目「糸」** ・あやとり(はしご・東京タワー) ・糸電話 **17話目「何処」** ・どこいき **18話目「字」** ・字隠し **19話目「月」** ・あやとり ・けん玉 **22話目「名前」** ・魚鳥木 **23話目「恐怖」** ・地面にお絵かき(恐怖の大王) **24話目「石けり」** ・石けり **25話目「馬」** ・馬とび ・胴馬 ・蹴り馬 **25話目「最後の一人」** ・かくれんぼ夭逝の天才・青山景の遺作よいこの黙示録 青山景mampuku もう7年以上も前になります。32歳という若さもあり、ショッキングな事件でした。 「SWWEEET―スウィート―」「ストロボライト」「チャイナガール」を経て、イブニングで連載されていた本作。徐々に知名度を上げながら着実に階段を駆け上り、「このマン」上位進出も有望視された中での急逝……当然ながらこの「よいこの黙示録」は既刊2巻で未完となりました(厳密には、既に連載されていた分と第6話のネームおよび下絵、設定画などが第2巻としてまとめられ翌年刊行されました。) 内容に関しては、永遠に未完となってしまったことが悔やまれるほど素晴らしいもので、続きが気になる、というより結末が気になる複雑怪奇なストーリーでした。クラスを言葉巧みに操る一人の天才的少年の手によって、新任教師・湯島朝子をも巻き込んだ新興宗教「神童教」が誕生していく様子が描かれている。一人称主人公であり唯一の大人であるはずの朝子が、無意識のうちに取り込まれていくのがとても面白かったのですが、首謀者・伊勢崎少年の素性がこれから明らかになるか……といったタイミングで終了となってしまいました。 宗教という、人類社会の繁栄と密接な関係にある普遍的テーマと、小学校の教室という特殊な閉鎖環境、この奇妙な組み合わせが斬新で、緻密に練られたストーリー展開にワクワクさせられました。 2巻にはその後の展開も含めたプロットが載っていて、これがまためちゃくちゃ面白く、この内容が漫画化される日はこないという残酷な現実に絶望させられます。(プロット案によると朝子は伊勢崎によって完全に手籠めにされてしまうようです。ショタおね大好きなのでこれ是非は見たかった……!!)コミカライズが綺麗にハマったミステリー作品十二人の死にたい子どもたち 熊倉隆敏 冲方丁sogor25一般的にマンガという表現方法はミステリーには不向きだと言われてるけど、登場人物が多くてかつ会話劇がメイン、そして視覚情報自体が状況の理解には一役買うけども事件の伏線を示す上ではそこまで寄与しないということもあって、この作品に関してはコミカライズはかなり合ってたんじゃないかと思う。 登場人物が多いだけに掘り下げる要素も多くて、実は2巻まではかなりスローペースに感じていました。ただ最終3巻、事件の種明かしから幕引きに至るまで一気に転がっていく展開は心地よい。 全3巻読了済。 これは見事なセルフ翻案ヒル・ツー 今井大輔sogor25前作「ヒル」から比べてサスペンス度合いが強いと共に、巻き込まれた形の主人公のユウキが事件に前のめりに動くので物語の速度感がかなり早く感じる。そして速度感があるからこそ1ページ先の展開を読ませない。 前作の設定をちゃんと活かしつつ、前作とは明確に違う読み口の作品、むしろ1話から大きく事件が動く分、前作未読の方はこちらか先に読んでもらうのもアリかもしれない。 しかし5年以上前の作品が電書で人気になって新編開始、でこれだけの物語を作り上げるあたりは流石の一言。 2巻まで読了。元・科捜研の作者が描くサスペンス!トレース 科捜研法医研究員の追想 古賀慶かしこすごい経歴の人が描いてる漫画があるんだなと思って手に取りました。 DNA鑑定などの知識も詳細で面白いんですけど、テレビでは報道できないような事件の黒い真実も物語の読みどころです。世の中こういうことが実際に起こってるんだろうな…と、ヒヤっとします。 また、冷徹に真実を追求する主人公の真野は、23年前に起きた一家殺人事件の生存者である過去を持ち、復讐の為に真犯人を探している。その黒幕とは…!まさに驚愕。 これを読んだら2時間ドラマが物足りなくなります。無記名的な、無国籍的な、大陸横断的なオールド・ボーイ 嶺岸信明 土屋ガロン影絵が趣味狩撫麻礼の名義でもっとも世に知られる土屋ガロンが原作をつとめているのが『オールド・ボーイ』。韓国の名監督パク・チャヌクにより映画化され、カンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリ、さらには映画大国アメリカはハリウッドでもリメイクされ、その際、それら会社間での権利関係で色々と揉め事が発生したようである。 そんな作品のほうが勝手にひとり歩きしている状況は原作者冥利には違いないが、この原作者、狩撫麻礼という名義でもっとも知られている男はじつに変な男である。まず、狩撫麻礼という名はカリブ=マーレー、つまりレゲエ音楽家のボブ・マーリーと彼の生活の拠点であったカリブ海とを掛け合わせたものらしいが、土地や名前などの固定的なイメージをペンネームに使用していながら、当の本人、狩撫麻礼という名義でもっとも知られているこの男は、土地や名前などの固定化したイメージから浮遊して逃げさるかのように極めて無記名的な存在である。いくつものペンネームを使い分けるさまは言うまでもなく、そもそもマンガ原作者であるために絵柄は作画担当に委ねられ、ひとつのイメージに定まることはない。さらにはいっさいメディアに顔を現さないために誰も彼の姿形を知らず、狩撫麻礼は彼のマンガに出てくる登場人物たちのように部屋には冷蔵庫とサンドバッグだけがポツンと置いてある、冷蔵庫の中身はすべてビールで埋め尽くされている、なんていうような妙に信憑性のある伝説だけが勝手にひとり歩きしているのである。そう、作品だけではなく、彼の存在自体も"物語"となり勝手にひとり歩きしているのである。 そもそも物語とは何か。物語とは話し語ることであり、物語の起源とは伝承にほかならない。当然のことだが、物語の伝承には著作権などなければ固有性も何らそなわっておらず、しかし当の物語のほうは極めて匿名的に、希薄にも、希薄であるが故に霧や空気のように所かまわず浸透して、あらゆる隙間を縫って各方面へひろく拡大伝播していく性質をもっている。著作者という概念など人類のながい歴史において近代になってようやく発生したものにすぎない。では、物語の本質とは何か。著作者という概念が発生した近代以降は、それは著作者その本人に帰依するものと一般には言われているようだが、人類のながい歴史からみた物語の場合はそうはいかない。その物語の発話者を遡って探していこうにも、その先には深淵があるばかりである。あるいは都市伝説によくあるように、その物語伝承の起源を仔細に追っていった結果がじつに身も蓋もないことであることも往々にしてあるだろう。すなわち物語の本質とは、その発生の起源ではない。物語の本質とは、むしろ、著作者を置き去りにして、極めて匿名的に、希薄にも、希薄であるが故に霧や空気のように所かまわず浸透して、あらゆる隙間を縫って各方面へひろく拡大伝播していく性質のほうにあるのではないか。それはまさしく物語が勝手にひとり歩きするということである。 そして、まさしく『オールド・ボーイ』はそんな物語の本質を貫くかのように、狩撫麻礼の名を置き去りにして、マンガというジャンルを越えて日本から韓国へ漂流し、ヨーロッパへ渡り、とうとうアメリカ大陸にまで辿り着く。しかも、ひとつひとつ国を跨ぐごとに、その物語の中身は少しずつ改変されているのである。狩撫麻礼とは物語の本質を身に纏い、世界各地をさながら無記名の幽霊のように彷徨い歩く男の仮の名前ではないか。そして、そんな男が、わけもわからずに何十年も監禁されて、そのわけを探すために街を彷徨い歩く、さながら記憶喪失のような男の後ろ姿と妙にかぶさるのである。 ところで、幽霊で思い出したのがロシア文学の代表格ゴーゴリが書いた『外套』という小説である。極寒の地、ロシアで、アカーキイ・アカーキエウィッチというひとりの男が新調したての外套を追い剥ぎに奪われて死んでしまうという小説だが、アカーキイの死後、各地でアカーキイの幽霊が現れて外套を奪っていくという噂が流れはじめる。じっさいに幽霊をみたというひとが遠い街から現れたが、その幽霊の風貌はアカーキイの姿形とはまったく違っていたという。 カリブ=マーレ―から拝借したという狩撫麻礼の名をみるたびに、私にはそれがカリブ海の南国のイメージとはどうしても繋がってこない。むしろ、なぜだか、狩撫麻礼ときくと大陸を横断してはしる極寒のシベリア鉄道を思い浮かべるのである。 今週のネオレイションne0;lation 平尾友秀 依田瑞稀名無しとにかく扉の青髪ヒロインはやく出してほしい。 絵もきれいでストーリーもしっかりしてて、最初からマンガとして完成されてる超少年マンガ。カラー絵の大物マンガになりそう感すごい。「僕は理系の不良だ」は、子どもに刺さりそう。 ...なんだけど、名前で損してる気がする。作品名が文字化けかパスワードかよってぐらい覚えづらくてネットで誤記がすさまじそう。なんで編集はもっと覚えやすい&売りやすい名前にしなかったんだろう? neolation← ;抜き 0じゃなくてo ne0ration← ;抜き lじゃなくてr ne0;1ation← lじゃなくて1 ne0;lation← ;じゃなくて: ネオレーション← 正しくはネオレイション カタカナすら表記ゆれの可能性があるのは、ハンデがでかい気がする漫画を越えたDEATH NOTE カラー版 小畑健 大場つぐみやむちゃもう、漫画という枠を超えたものと思っていいんじゃないですか。だって当時も今読んでも面白すぎるし、絵だって綺麗で完成度最高。 ドラマ・映画・舞台・ミュージカル…漫画だけじゃあもったいない!みたいな感じで二番煎じされていくんでしょうかね。実写化もまぁ良かったですが、いろんな媒体に広がりすぎてストーリー自体に若干飽きてしまいまして、原作ファンなら漫画だけをたまに読み返すくらいにしておけば良かったと最近になって後悔しまくっています。<<115116117118119>>
河内遙先生が描く王道少女マンガ的ラブストーリー。 曽祖母にもらったネックレス、天気雨、とあるクラシック音楽の一曲、三つの要素が合わさると自分そっくりのお嬢様が生きていた明治時代に飛ぶらしい。主人公は子供の頃にも一度タイムスリップしたことがあって、その時に出会ったお嬢様の婚約者である御曹司とはお互いに初恋の相手でもある。無くしたネックレスを探す為にお嬢様のフリをして御曹司に接しているうちに恋心が増すんだけど、自分の正体を明かすことも出来なくて…というお話です。 これはちょっと展開が読めなくて面白いなと思ったのは、主人公の他にもタイムスリップした人物がいるところです。それがお嬢様が恋心を抱いている若き書生だから益々面白い。人物相関図がワクワクの多角形になってます! 子供の頃のように恋と少女マンガに憧れる純粋さを思い出させてくれる良作。