死んだ息子の遺品に息子の嫁が入っていた話

俺の嫁と書かれたら処分しにくい

死んだ息子の遺品に息子の嫁が入っていた話 秀
ゆゆゆ
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失踪し、遠い地で病死して帰ってきた息子・明宏。 両親のもとに届いた遺品には「俺の嫁」と書かれた手紙を持つ、スリープ状態のアンドロイド・ケイコが入っていた。 訂正。 ただのアンドロイドでなく、アンドロイド型ラブドールです。 とはいえ、健全なコメディなので、ラブドール要素はオマケです。 ケイコさんは普段からアンドロイドらしからぬ振る舞いをしているため、読者が普通の人と勘違いしかけるタイミングでロボット感あふれる性能を発揮します。 それに対して登場キャラクターたちがボケたりツッこんだり。 ケイコさんにそんな改造をした明宏くんの話になって、ふと故人を偲んだり。 笑いだけでなく感動もできる漫画です。 主に登場する人物は明宏くんの妻かつアンドロイドのケイコさん、明宏くんのご両親、明宏くんの幼馴染の田中くん、田中くんの子供。 個性的な面々が揃っています。 全2巻なので、サクッと読めます。 コメディなので1巻の流れがずっと続くかと思いきや、物語は予想外の方向に向かいます。 気持ちがあふれすぎて、とっ散らかった感想になってしまったため、どんなお話か気になった方は第一話を読んでみてください。 https://twitter.com/hide_pau/status/1167429975122690048?t=5qfYS07UzGTYGuvAP4teMA&s=19

ルサンチマン

月子ちゃんはかわいい

ルサンチマン 花沢健吾
ゆゆゆ
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おもしろいから読んでみなよと言われたのが、2016年くらい。借りて読んだら、たしかにおもしろかった。設定に目新しさはないけれど。 そう、VRとかMRとか、身近にたくさん出始めた2016年頃だと、設定に目新しさはなかった。 しかし、他の方も書いているように、「ルサンチマン」は2004年にコミックス化した漫画。 2000年代半ばはまだ、VRゴーグルやヘッドギアなんて、普通に生活していたら出会わない。 発行年を知ったあと、「目新しさはない」だなんて大きな勘違いだったと知った。 それこそ映画「バーバレラ」をありきたりの設定詰め合わせのB級映画と思ってしまうくらい、わかっていなかった。 2004年当時に読んだ人たちは、もっと強い衝撃を受けたと思う。 いったいどうして、ヘッドギアをつけて部屋の中を動き回って遊べて、さらに専用グローブで仮想空間の女の子に触れるギャルゲーだなんて、あの頃描けたんだろう。 そして主人公は、団塊ジュニア世代の悲哀を感じるおじさん(でもまだ30歳になっていない)。 なんだか清潔感を感じない見た目。 人を馬鹿にしていても自分も同類。 生活が生活故に、漏れ出てしまう感情。 誰とでもないけど、既視感を覚えてしまうおじさん。 でも、このおじさん(今考えるとまだ若手)がかっこよく見えるときがあるのだから、花沢健吾先生の漫画は不思議だ。 「おもしろいよ」と勧めてもらったとおり、おもしろくて楽しめる漫画。 もし読まれる際は、これが2004年当時の漫画だと念頭に入れて読んでいただけたら、いろいろなシーンで、よりくすっとできると思う。

性別「モナリザ」の君へ。

男と、女と、オマァさん

性別「モナリザ」の君へ。 吉村旋
ゆゆゆ
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主人公のひなせは、性別が決まっていない「準モナリザ症候群」の高校3年生。 性別を持たない子どもは、通常12歳から14歳で肉体的に男か女に変わっていくはずなのに、変わらないままでいる。 変わらない理由はわからない。 気にならなくなっていた無性別の状態。 でも幼馴染二人の思いを受け、18度目の春は激動のものへと変わり始める――。 読みながら、こういう存在がオマァさんなのかと思った。 オマァさんというのは、昔々、予備校の先生が授業で「ここに、男と女とそれ以外の性別。仮にオマァさんというのがあるとしよう」と言っていたのをきっかけに覚えている単語だ。 なんのくだりで、そんな話をしたかはわからない。 謎の音を発していたので「オマァさん」は私が聞き取れた音で、先生が本当は何と言っていたのかもわからない。 とにかく、男と女以外の、肉体的に存在している性別。 半陰陽でもなく、精神的にでもなく、難しいことは置いておいて、第3の性別であるオマァさんがあるのが当たり前の世界を考えてみようと、先生はいった。 この漫画におけるオマァさんは、無性別という性別になるんだろう。 ふんふんと読み進めていくと、無性別のひなせという存在があるからこそ、男らしさや女らしさ、恋愛について考えさせられると思った。 ひなせは男らしくも見えるし、女らしくも見える。 本人はどちらでもないのに、周囲の反応で性別が見えるような気がしてくる。 今、4巻ほど読めたところなのだけど、私には「ひなせ」の性別が今後どうなるのか、想像がつかない。 ひなせの恋愛感情に対する葛藤、幼馴染ふたりの恋の行方。 残り6巻、どのような展開になるんだろう。