定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ

なにごともストイックに取り組む姿は美しいですね。

定額制夫の「こづかい万歳」 月額2万千円の金欠ライフ 吉本浩二
酒チャビン
酒チャビン
節約にストイックに取り組む人々の群像劇です。 節約を描いたマンガとしては「つるピカハゲ丸」が最高峰ですが、それを覆すポテンシャルを秘めたマンガです。いや、すでに抜いているかもしれません。 あちらはセコさをギャグに昇華して見せるスタイルを採り、「つるセコ」というオリジナル概念で流行語大賞目前までいきましたが、こちらはとことんストイックなところをリアルに細かく描写(作画自体はリアルでも細かくも無いですが)して心情を揺さぶってきます。そういう意味では、大きな枠組みとして捉えれば、本作もスポ根マンガと言えるかもしれません。 会社の経費の立て替えでポンタポイントを貯める人や、家飲みを突き詰めた結果、キッチンが居酒屋っぽく改装されてしまった人など、相当高みを極めた(というかヤバい)方々が登場します。2巻とか相当やばかったですね。 ただやはりその対象が何であれ、何かを極めんと欲して試行錯誤する姿は純粋に美しいものですし、我々の心を打ち、日々の生き方を変えてくれる(つまり世の中を変革する)もので、作者をはじめ、本作に登場される方々には尊敬の念を抱かずにはいられません(ホメてます)。 読んでいるときの心情としては、尊敬5、感動3、クスクス(ギャグ要素)2、くらいのイメージです。
明日食べる米がない!

タイトルのパワーよ

明日食べる米がない! やまぐちみづほ
六文銭
六文銭
『明日食べる米がない』 このタイトルに釣られました。 え?日本ですか?と思ったが、日本の話なんです。ええ。 主人公は、両親の離婚により、母親と2人暮らしに。 母親も、それまで働いたことがないから、いわゆるフリーターで、その給料だと当然極貧になってしまう。 その生活を描いた実録エッセイ漫画。 個人的に恐ろしいと感じたのは父親で、冒頭、急に離婚を切り出して、家を売却したから、二人を強制的に引っ越しさせるという流れ。 離婚の理由は特にない。 主人公にしてみれば父親は、家庭を顧みない、1人行動してしまうタイプなんだと軽く記載してましたが、いやいやいや・・・恐ろしいって。 なんで、そんなことできんだろ?って不思議に思ってしまった。 母親も母親で、よく言えばポジティブ、悪く言うと考えなしなところがあり(若干スピリチュアルも入っているし)、主人公が色々振り回されてしまう様が不憫でしかたなかった。 それでも、この逆境に大した不満をもたず、おもしろ可笑しく表現する著者の精神はすごいなと思った。 自分自身も貧乏だったので、貧乏話とか読むと思い出してトラウマなのですが、この作品は明るく笑えて良かった。 また最後には、著者(主人公)の生活が軌道にのっているのも安心しました。
田中圭一の「ペンと箸」

掘り出しものでした!

田中圭一の「ペンと箸」 田中圭一 GMOクリエーターズネットワーク 株式会社ぐるなび
酒チャビン
酒チャビン
面白いです!往年の有名マンガ家のご子息にマンガ家のエピソードを聞いてマンガにする企画で、一人当たり10ページ未満なので、サクサク読めます! 知らない、もしくは作品を読んだことがないマンガ家さんもいましたが、あっ読んでみたいな、と思わせるものが多くありました。チャレンジしてみます! 最初の数話は、手探りだったのか、あまりピンとこなかったのですが、途中から田中先生の中で何かが吹っ切れたのか、かなり面白くなってきます!なので、試し読みで「あまり面白くない」と判断しないで欲しい一作です!!! あとさすがマンガ家の血をひいているからなのか、登場するご子息もかなり個性的な方が多くて面白かったです!いがらしゆみこ先生のお子さんの登場シーンは思わず笑いました。 あとはパタリロでおなじみの魔夜峰央先生の娘さんから「ワンコ攻め」という単語がさらっと発せられていたシーンは、なかなか感慨深かったです。 元はぐるなびの企画だったようで、だからしょうがないのですが、個人的には飯の部分はいいので、そいういのをとっぱらって第二弾を作って欲しいです!