灼熱カバディ

灼熱カバディは面白い

灼熱カバディ 武蔵野創
のれん雛
のれん雛

マイナースポーツ「カバディ」を取り扱う王道スポーツ漫画。 スポーツ漫画の醍醐味が詰まってます。 ネタスポーツとして認知されていた『カバディ』という題材が凄く面白いスポーツだと、灼熱カバディを読んで初めて驚かされました! 『カバディ』は、チーム戦でもあり、個人戦でもあり、パワーもスピードも身体能力も精神力が、有利にも不利にも働くのは『カバディ』ならではです。 ルールは「カバディなんて知らねェ」と馬鹿にしていた主人公視点で進むのでルールが分かりやすく、頭の中に入ってきます。 とても熱く、どの巻も面白く、読むのをやめられません。毎話、熱量が凄く、いわゆる微妙な回やヒキ回が無いのが凄い! 登場人物の成長だけではなく作者や作品自身の成長が読み取れる程、作中が進むたびに実感し、連載を読めて私は幸せです! 思わず涙を流すほど愛おしい話もあり、どのキャラクターも愛おしいです。 スポーツ未経験者でも思わず深く共感し、絵や演出が直接胸に刺さるのも魅力的です! 灼熱カバディが理由で、現実の競技カバディをする人やサークルが増え、現実に影響を与えていく姿は登場人物達と同じくらい、とても面白いです!

機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-

All for GUNDAM Fan

機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより- 矢立肇 富野由悠季 ことぶきつかさ
ナベテツ
ナベテツ

この作品が「ガンダム」というコンテンツに興味のない方は恐らく手に取る機会は全くない漫画だということは、嫌になるくらい理解しています。「ガンダム好き」で「漫画好き」という市場はニッチでしょうし、たとえガンダム好きでも若い年代に訴えかけるような派手さには欠けているとも思います。 しかし、この作品の存在は「ガンダム」という作品の成熟を示しており、読み終えた時に感じる充実感は、ちょっと他では味わえないなあと思っています。 カイ・シデンという名前は、ガンダムの世界でも異彩を放つ存在です。1年戦争を生き延び、軍に残らずジャーナリストという生き方を選んだのはオールドファンにとっては語る必要のないことですが、どのように生きたのか語られることはあまりありませんでした(基本、ガンダムというアニメが戦場を描いているからですが)。 本作では、ジャーナリストとして中年となったカイ・シデンが、1年戦争の展示のオブザーバーとして自身の体験を語るというスタイルになっています。 そこで語られることは、勿論「原作」に準拠している部分もありますし、知らないと厳しい部分も多々あります。ただ、勿論それだけではなく、行間を埋め、語ることぶき先生の語り口は本当に素晴らしく、漫画の表現としての巧みさを感じます。 正直、ガンダムを知らない人には勧め辛いタイトルではあります。ただ、宇宙世紀のガンダムをある程度知っている方には、是非とも読んで貰いたい作品です。 前述の通り、決して派手な作品ではありません。しかし、原作を持ちつつ、その世界を活かし、新たな魅力を作り出すというのは、メディアミックスにおける成功例であり、漫画という異なるジャンルでこれほど優れた作品に出会えたことの幸福は、まだ出会っていない人に広く伝えたいと思っています。