アクション・バトルマンガの感想・レビュー4930件<<119120121122123>>人体破壊表現のひとつの到達点いちげき 松本次郎 永井義男ANAGUMA古今東西のマンガで人間の体は多種多様な表現でブッ壊されてきました。 本作では農民上がりの一撃隊が使う粗削りの剣術と 殺しのプロであるサムライの剣筋とが描き分けられていて 重い、鋭い、強い、痛い、などキャラが食らった斬撃が どんなものだったのかが一発で伝わってきます。 それによって損壊される身体も 気持ちよくデフォルメされてるかと思えば、痛々しく醜いほどに写実的に描かれたりとさまざま。 目まぐるしい物語の状況変化や、キャラクターがどんな感情を抱えているのかが ときどきで破壊される身体の表現によって語られていくのです。 ただカッコイイわけでも、ただグロいわけでも、ただリアルなわけでもない。 「人を斬る」ことを真摯に捉えた表現が本作には描かれています。夜明けまえに死ぬ2巻感想夜明け前に死ぬ 大北真潤名無し※ネタバレを含むクチコミです。ワクワク度が高まっていく戦闘シーン七つの大罪 鈴木央名無し主人公メリオダスが、進んでいく話の何をトリガーに戦闘を行っていくのかが好きで読んでいます。 増えていく昔の仲間にも不思議なスペックがあり見る側もワクワクします。 登場人物がみな、国を思い行動していている。それぞれの言い分になるほどと思いながら追い求めていく戦闘マンガです。正義感に燃えるブン屋が魅力的あばれブン屋 猿渡哲也 林日出夫名無し新聞記者として圧力に屈せず正義を貫く姿が心地よい作品。 様々な圧力を跳ねのけ、自分の意思を貫くというのはなかなかできないもの。 行動力とタフネスに溢れる主人公にはある種の尊敬の念すら抱いてしまいます。 タフの作者である猿渡哲也が描いているだけあって迫力あるアクションシーンも一見の価値ありです。進撃の巨人のスピンオフ学園漫画進撃!巨人中学校 titan junior high school 諫山創 中川沙樹名無し「進撃の巨人」のスピンオフ作品。描いている人は違う人なので、絵柄も違います。 本編はシリアスで重苦しい雰囲気(でもそれが面白い)ながら、ぶっとんだギャグシーンがあったりしますが、スピンオフのこちらはそれに輪をかけてぶっ飛んでます。本編をみていないと分からないシーンやギャグも多いので合わせて読みたい作品です。作画のデフォルメが可愛らしくて、いたって平和的でほのぼのした空気感なので肩の力を抜いて読めます。ちょっとアダルトなオカルトアクション漫画!鬼狩り師 谷村ひとし 宇治谷順名無しオカルトな感じの雰囲気のタイトルと表紙にひかれて読み始めました。 出だしから目玉が飛び出たり頭がはじけたりショッキングな展開ではじまり、少しアダルトなシーンもありますが、すぐにオカルトな世界に没入していく展開が良いです。 現代を舞台にしながら、さまざまな陰陽術が張り巡らされその説明を読むだけでも楽しい作品ですが、アクションや展開の速さや青年誌ならではのオカルティズムな感じも良いと思います。鮨の神の存在を感じる名作江戸前鮨職人 きららの仕事 早川光 橋本孤蔵starstarstarstarstarマンガトリツカレ男初期の鮨屋を再興させるものいいが途中から始まるスシバトル漫画の方が圧倒的に好き 一応主人公きららは「鮨の雷神」の曾孫で「鮨の龍神」の師匠を父に持つ凄腕の渡職人の娘であり「銀座の伝説の名店「松葉鮨」の職人に育てられ「鮨の鬼神」の弟子という鮨の申し子、通称「江戸前最後の遺伝子」というべき存在だがどうも影が薄い。 きららのライバルや師匠のほうがインパクトが強く スピンオフまで存在する石塔返しの坂巻/ジーニアス神原朱雀ことザク様/鮨の鬼神 秤谷小平治/鮨の龍神 小貝時宗 /鮨の雷神 海棠巳之吉 /スシサイボーグ 里見/ロールの魔術師 タッド松岡など個性が強すぎるライバルが多く登場する。 色々スシバトル漫画もありますが、他の違うのは握り方が大きな要素があるところです。各ライバルの必殺技のように独自の握り方を持っており、そこで大きく勝敗が決まる場合もあります。鮨を握っている最中に肘が砕けそうになったりや鮨が空中に浮く感じで握ったりとむちゃくちゃなところもすごいいい シャリ/魚介類の産地/鮮度/握りなどを基準にスシバトルが展開されるが一番興味深い判断としては「どちらが鮨の神に愛されているか?」という表現が出てきたりと全く飽きない またライバルだけではなく、主人公を追い続ける雑誌「グルマン」高野の魚介説明が詳しすぎるのも一見の価値があります。 暗殺漫画!ダークヒーロー好きにオススメ!夜の料理人 たがわ靖之名無し主人公が法で裁けないような悪人に対して「暗殺」という手段で世直しをしていく漫画です。見どころとしては、料理のテクニックを暗殺に活かしている場面もあるので料理が趣味の人にオススメです。ダークヒーロー者が好きな方は楽しめる作品だと思います。ハードボイルドと孤独に生きる女性の悲哀銀猫 佐藤まさあき名無し劇画タッチで描かれる女殺し屋のお話です。 全編に渡りハードボイルドな展開がとても面白く一気に読み切ってしまいました。 生きる糧として殺しを生業にしている主人公の感情の揺れがとても人間くさくてよかったです。 冷徹な殺人マシーンになりきない女性の悲哀が見事に描写されています。 古き良き昭和の風俗が描かれているところも評価したいです。 背景に至るまで丁寧に描かれているので文化史的にも一読の価値があると思います。読み終えると気分がスカッとする外道坊 平松伸二名無し現代社会に蔓延る理不尽や暴力、悪に対して、外道坊というイケメン僧侶が成敗をしていくお話です。保険金をかけて殺人を目論む者、談合する者や爆弾魔など色々な悪役が出てきますが、最後には外道坊によって成敗されます。読んでいて悪者が成敗されるのはスカッとして気持ちが良いのですが、成敗のやり方が少々手荒(刀で悪者の首を切ったり、車ごと体を真っ二つにしたり)のため、暴力的なシーンが嫌いな方は読み控えたほうがいいかもしれません。あり得そうでコワイ。ヒル 今井大輔名無し誰かが家の鍵を使い、住人が不在の間に上がり込み、居室で勝手に過ごしている。現実にもあり得そうな設定で、しょっぱなから怖い。 住人の留守中を過ごす家無しの女の子の、無人のはずの居室での出会い。過去も垣間見えて、女の子のこれまでの境遇とか、出てきた元同級生との関係が気になる展開です。劇画のドンが秘めていた危険な裏話が、出て来るのかと期待させる漫画男の星座 梶原一騎 原田久仁信名無し今は亡き梶原一騎氏の自伝であり、これまで書けなかった事を暴露的に発表するとの触れ込みで連載が開始された本作品ですが、氏の急逝で残念ながら未完大作となりました。力道山vs木村政彦の世紀の決戦から始まる物語は、梶原氏の独壇場である格闘技界を中心に進んで行くので、安心・安定感があります。未完ですから物足りないと思った方も多いでしょう。そんな人は、小説「梶原一騎伝/斎藤貴男」を読み、漫画らしい部分の修正や補完をすれば尚良いと思います。やっぱり熱い!ミナミの帝王 天王寺大 郷力也名無し最近のは読んでいますが、実は1巻を読んだことありませんでした。 絵がいかにも昭和の熱い時代を表現していると思います。 現実にはこんなに人情味のある金貸しはいないのかもしれませんが、いて欲しいなと思います。 完全に大人向けの漫画なので、中年位の方で読んだことない人にはお勧めしたいです。この漫画が連載されていた週刊プレイボーイの発売が愉しみでしたワニ分署 篠原とおる名無し82分署と書いてワニ分署の火野三夏とリンのコンビが巨悪に立ち向かう、篠原とおる原作のアクション・バイオレンス漫画に位置付けられる作品です。映画化もされましたが、そちらは興行成績優先のお色気先行が目立ち面白さに欠けました。漫画の方は、もちろん色気も無くてはならない要素ですけど、ストーリーがそこそこしっかりしていて読める漫画です。余談ですが、歌手「日野美歌」の唄がヒットした際に、この漫画の主人公「火野三夏」を連想したのは私だけではなかった筈です。王道のヤンキーバトル漫画VF-アウトサイダーヒストリー- 林崎文博名無し一時のヤングアニマルの看板作品だった、ヤンキーバトル漫画です。 内容はこのご時世ですから、真面目な人や、女性などが読むにはあまり薦められないかもしれませんが、しかしそれも序盤だけ、中盤から後半にかけては王道のヤンキーバトル漫画路線を行っています。鬼才・士郎正宗の鮮烈なデビュー作アップルシード 士郎正宗兎来栄寿『攻殻機動隊2045』がNetflixで公開され話題となっている昨今。『攻殻機動隊』は日本で生まれたあらゆるSF作品の中でも巨大な金字塔です。スティーブン・スピルバーグやジェームス・キャメロンからも絶賛を浴びる士郎正宗の想像力と創造力がなければ、『マトリックス』や『パシフィックリム』といった作品もこの世に存在していなかったかもしれません。その作者である士郎正宗のデビュー作が、この『アップルシード』です。 元々、士郎正宗が学生時代に同人誌として発行していた『アップルシード』の前身に当たる設定のある『ブラックマジック』という作品が存在し、その後関西大学SF研究会の創設者ら関西のSF好きによって創設された青心社から『アップルシード』が連載形式ではなく単行本として出されました。小さな会社であり当初の発行部数も多くなかったにも関わらず、『アップルシード』はその圧倒的なクオリティにより全国区でカルト的な人気を博すこととなりました。 士郎正宗らしい緻密な描き込みや設定、膨大な情報量、そして女の子のかわいさはデビュー作から全開です。編集者によっては「文字が多すぎるし読み難いから削れ」と言われてしまいそうなほどですが、この雑然とした中に構築された確固たる世界観と細部に宿った神によって生じるリアリティにこそ酔い痴れるところです。『AKIRA』が1982年に始まりそのフォロワーが多く生まれた80年台ですが、この時代のSFマンガでこれほどの独自性・独創性を発揮していたものは他にないでしょう。 1988年にはガイナックスがアニメ化しているのに加え、2004年にはセルルック3Dアニメの先駆的作品として映像化され、国内で17万枚、海外で43万枚売れるという大ヒットを飛ばしました。原作は読んだことはなくとも、そちらのアニメは見たことがあるという方も多いかもしれません。 残念ながら連載は中断され、作者自身によって続きが描かれないことも宣言されてしまっていますが、士郎正宗ファンの間では『アップルシード』の続きが読みたいという声も根強いです。 『攻殻機動隊』とも繋がっている物語なので、『攻殻機動隊』好きで読んでない方はもちろん、SFに興味のある方は一つのマイルストーンとして映像化された物と併せて通っておく価値があります。全員ゴルゴに見える日本極道史~昭和編 村上和彦名無し特に第1巻はキャラかぶりが激しい懐かしいです花のあすか組! 高口里純名無し学生時代に夢中で読んでました。 今の学生さんたちには想像できないようないわゆる「スケ番」と呼ばれている女子学生たちの喧嘩に明け暮れた青春時代のお話です。 制服は足首までの長いスカート、何にも入らないようなペッタンコの皮カバンがトレードマーク。 少女たちは筋を通す硬派な集団でそれぞれに組(くみ)がありつつも個人個人が自由に動き回ります。 主人公はタイトルにある「あすか」という黒髪ショートヘアの女子学生で学校にも登校しています。 喧嘩が強くて硬派で頭もいい(成績という意味では無く先を推測して立ち回ることに長けている)。 自分に甘い人間を嫌うので立ち向かわない人間には厳しいけど必死で立ち向かう人間のことは助けます。 当時は少女たちの姿に憧れましたし読んだ後は自分の目が覚めるような感覚を覚えました。 ちなみに喧嘩が強くて硬派な「あすか」のママはまるで少女のような感性の持ち主で、いつも「あすかちゃん」と呼んでケーキやおやつを準備してくれる。 そんなママに対して硬派な「あすか」は邪険な態度をとるけど、決してママのことを嫌うことはないということもこの漫画の素敵な部分だと思います。現代は忍者だらけだった!?アンダーニンジャ 花沢健吾名無しもし現代に忍者組織があったら、、という世界設定。日本の忍者の存在は、GHQにも恐れられ、戦後直後には姿を消したことになったそうなのですが、実は忍者は現代に20万人もいて様々な仕事をしながら活動しているというもの。おそらく他の漫画でも似たようなものはあったと思うが、花沢健吾氏の描く世界は見たことのない新しいものに感じました。 忍者たちは、軍の特殊部隊も顔負けの武力を持っています。体術の動きがめちゃカッコいいですが「システマ」なる格闘技の動きを元にしているそうです。 意味があるのかないのかわからない日常パートと、忍の与えられた任務にあたるアクション部分がありますが、ボーッとしてると見た目で騙されます。 これからどんな展開になるのか全く不明ですが、ワクワクしてます。慈悲の心銀の聖者 北斗の拳 トキ外伝 原哲夫 武論尊 ながてゆかホーク元々、北斗の拳が好きでトキの生き様や、慈悲深い心が好きだったので、北斗の拳・外伝シリーズにトキ外伝が出たときは嬉しかった。悪者にも情けをかけ、痛みを与えずに退治する、心が優しすぎます。現代社会に生きる若者に、このマンガを読んで、人の痛みを感じる心や、思いやれる心を知って欲しいです。丸太振り回す系異世界漫画神眼の勇者(コミック) 白瀬岬 ファースト 晃田ヒカ名無し「みんな丸太は持ったな!!行くぞォ!」でお馴染み【彼岸島】の丸太を武器にするネタに乗っかった、丸太推しのなろう系漫画です。中身はわりと正統派でネタっぽくはなってないです。ヒロイン達との出会いや主人公が活躍するまで展開が速いのでテンポ良く読めます。個人的には赤ん坊が苦手ですが概ね面白いかった。特筆できるストーリー展開って感じでは無いですが、なろう系が好きならハマると思います。クローズでなくWORSTの外伝新装版 WORST外伝 高橋ヒロシさいろくちゃんと高橋ヒロシが描いている本物の(というと他のに悪いが)外伝。 新装版じゃない方の1巻は当時読んだが、まだ続きがあったというのを知らなかった。 1巻は初代武装戦線の立ち上げの話を初代メンバーが語る話+おまけでビスコが花に義理を立てる話。 2巻は「その後のWORST」に近いちょっとした話と、WORSTで下宿先となっていた梅星邸のあの双子の若かった頃の話。 通して読んで、外伝でいいから高橋ヒロシ先生の描く話をもっと読みたいと思わせてくれる。WORSTからの外伝だけどWORST外伝 髙橋ヒロシさいろくこっちは1巻しか出てないんだけど「新装版 WORST外伝」の方で2巻まで存在してるのを初めて知った。 多分1巻の中身は一緒?かな? 昔読んだけど2巻の方は新装版の方で初めて読んだので今から読むのであれば新装版でどうぞ。花木九里虎って一発で変換できるその後のクローズ 髙橋ヒロシさいろく高橋ヒロシの代表作「クローズ」の後日談。 タイトルどおり、クローズを読んだ人向けなのでまずはクローズを読もう。 前半は今でも町中でたまにTFOAと書いてあるちょっとイタい服を着てらっしゃる方がいるのを見かけるぐらい愛されている武装戦線の歴代頭の中でもインパクトが強い男(ネタバレはしないでおく)河内鉄生のお話。 そしてクローズを最後まで読んだ人はゼットンに勝つっていうのがどういうことかというのはわかるし、そのゼットンに1年戦争の真っ只中で九里虎がぶつかる話が後半。 クローズファンにはたまらない内容、と思うんだけど九里虎がどのぐらいクローズファンに受け入れられてるのかもちょっと気になる。 九里虎は春道とか花と違って主人公ではないのに転校してきた背景なんかもなく強いって言われてもただのインフレじゃんと思ってしまうもんだが(外伝の高橋ヒロシ先生が描いてない九里虎の話はめちゃくちゃなのでノーカンとして)<<119120121122123>>
古今東西のマンガで人間の体は多種多様な表現でブッ壊されてきました。 本作では農民上がりの一撃隊が使う粗削りの剣術と 殺しのプロであるサムライの剣筋とが描き分けられていて 重い、鋭い、強い、痛い、などキャラが食らった斬撃が どんなものだったのかが一発で伝わってきます。 それによって損壊される身体も 気持ちよくデフォルメされてるかと思えば、痛々しく醜いほどに写実的に描かれたりとさまざま。 目まぐるしい物語の状況変化や、キャラクターがどんな感情を抱えているのかが ときどきで破壊される身体の表現によって語られていくのです。 ただカッコイイわけでも、ただグロいわけでも、ただリアルなわけでもない。 「人を斬る」ことを真摯に捉えた表現が本作には描かれています。