みかん氏短編集 ハッピーエンドはいらない

マイナスの為の百合 #1巻応援

みかん氏短編集 ハッピーエンドはいらない みかん氏
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

何かが傷つく時、壊れる時、失われる時の、隣にいる女性との関係性とエロスを描く短編集。重苦しさの分だけ、訪れる感慨は大きい。 関係性は女性同士ならではの部分もあるが、描かれる感情は昏さ、苦しさ、嫉妬、自己肯定感の低さといった、陰キャの百合男子にも思い当たる「マイナス」な物。 この「美しく無い」と感じる感情が、女性同士の交流と恋(=性欲?)で変化し、或いは肯定され、充足する時の喜び。「ハッピーエンド」もあれば、そうで無いものもある。しかし全ての短編に必ず「救い」がある。 ♡♡♡♡♡ ●好きになるなんてありえない/小学校で虐めていた子と、高校で再開。復讐劇は… ●ハッピーエンドはいらない/お嬢様とメイドの秘密の関係。しかしお嬢様の父の死去で… ●アイなんて知らない/演劇部の先輩の天才に掻き乱される自己肯定感の低い後輩。 ●会社を休んだ日のこと/失恋した幼馴染の絡み酒に付き合う、惚れた弱み。絡めるのは… ●ある会社の彼女たちのこと/行きずりに一夜を共にした女が、私の会社に転職。 ●ハッピーエンドはいらない、その後/後日譚。

徒然チルドレン

えっ これなんでクチコミないの

徒然チルドレン 若林稔弥
さいろく
さいろく

と思うぐらい私の中では超名作で、Tシャツも応援のつもりで購入したぐらい、最高に素晴らしく大好きなマンガなのです。 だからみんな読もうね。 若林稔弥先生のファンになったのはここからで、WEBで毎日毎日まだかなまだかなと更新を心待ちにしながら日々の仕事を乗り越えていたものです。。 ちなみに、今の大人気作品である「幸せカナコの殺し屋生活」のカナコがキャラがぶっ飛んでるとか面白いとか話題ではあるんですが、古参の風を吹かすようですごく恐縮ですが本作「徒然チルドレン」に出てくる超多数キャラ達の尖った個性と同格の1個性です。カナコ並にぶっ飛んでる(だけじゃないぞ!)キャラがいっぱい出てきて全員好きになるでしょう。間違いない。 ヲタあるあるすぎて何言ってるかわからなくなってきてますが本当に語彙力が欲しい。 でも本作が如何に面白いかは読んでもらわんと伝わらんのですが、4コマであり何パターンに至るかわからないぐらいのカップリングがあります。 で、設定云々は読んできゃわかるんでいいとして、本作の本当の売りはこの胸キュン度!声が出るほど胸に来るシーンが4コマの起承転結でめっちゃあります。もちろんほとんどギャグっぽい展開が多かったりはしますし、4コマだけで落ちてないやんけとかそういうのもあるものの本当に出来が素晴らしいです。 絵も上手いし、4コマに適した画角が得意な先生なんだと思うので(引きの画あんまり見た記憶がない)ずーーーーーっと読めます。 4コマで12巻まで続いてる実力がその内容の良さ、質の高さ、尊さを証明している!さあ読もう。 マンバに出会ったばかりぐらいの頃に完結してしまってたようでクチコミ書けてなかったのが悔やまれます。若林稔弥センセーのクラブハウスでのトークとかも面白いですよ!普通に心配になるよ! 画像は応援で買ったTシャツですがなんかまだ売ってそう!在庫残ってるサイズだけみたいですが1500円なのでサイズ合う人は買ってみるといいよ!外では着づらいデザインだけど!! とりあえず読んでみてやってもいいぞ、という方はこちらから無料でかなりの数読めますので読みましょう。 http://tsuredurechildren.com/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC/

花に問ひたまへ

切なくも爽やかな感動を呼ぶ、リバーサイドストーリー

花に問ひたまへ さそうあきら
ひさぴよ
ひさぴよ

「ここは何もないところさ でもね 何があっても水が流してくれるのさーーー」 多摩川近郊の町を舞台に、視覚障害者の青年・一太郎と、生活に困窮する女性・ちはやの、二人の心の交流を描いた物語。 ヒロインである「ちはや」を通し、視覚障害者の現実を知ることができると同時に、ちはやが抱える生活環境の苦しさにも直面させられる。 ちはやの家は、母親が居なくなり父子家庭でアル中となった父親をちはやが世話をして、家計を支えるため、ひたすらに働けども貧しい状態から抜け出せない。心が荒みきって、他人を助ける余裕など全くない状況から物語が始まることからも、この『花に問ひたまへ』が視覚障害者側の綺麗事だけで描こうとしていないことが伺える。 1話目での一太郎と出会いは、非常に気まずいシーンとなっている。早朝、急いで仕事に向かうちはやが、鬼のような形相でエスカレーターを駆け上がって、一太郎の持つ白杖を蹴り落としてしまうのだ。罪悪感を感じながらも、何もせずに立ち去ってしまうちはや。その後、町中のコンビニで一太郎に”発見“されてしまい、彼の優しさによって、ちはやの心は徐々に変わり始める…。 私たちは、障害者の物語と言えば、助けられるのは障害者の役割だと決めつけがちだが、この物語において本質的に手を差し伸べられているのは、ヒロインのちはやの方である。視覚障害者である一太郎が、ちはやにとってのヒーローのような存在となっている事が、人は目だけでモノを見るわけではない、ということを体現しているように思う。 視覚障害者にしかわからないことも、綺麗事抜きで読者に伝わりやすいように描かれていて、リアリティを持って伝わってくる。ヒューマンドラマとしても、ラブストーリーとしても上質な作品でありながら、障害を持つ人たちの日常を考えるきっかけを与えてくれる作品でもある。 ※ちなみに、冒頭でアリの巣を覗いてるお婆さんは、さそうあきら珠玉短編集「子供の情景」に登場する人物だったりする

声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん

テンプレを越えた優しさ #1巻応援

声の小さい小森さんとクソデカ大声の大林くん べっこうリコ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

声の小さな女子と声の大きな男子の甘々両片想いコメディ。この作品の良さは、〜らしさの「テンプレ」を薄めている所にあると思います。 声の小さな小森さんですが、特にコミュ障とか、オドオドしている感じはありません。笑いもすれば、はっきり気持ちも伝える(声小さくて伝わらないけれど)。 一方、声の大きな大林くん。彼の描かれ方がとても好き。 何って、大きな声なのに、威圧的で無い。 声も体も大きな男って、少し怖かったりするのが現実だし、漫画ではそういう部分はよく「強さ」「ガサツさ」「おおらかさ」と表現されます。しかし大林くんは、声の大きさを自覚して一応気を遣ったり(それでもつい大きくなって驚かれるけれど)小森さんの話を聞く時は黙って耳を澄ましている。性格も優しくて可愛い物が好み。 声が大きいのにカワイイ男の子……割と新しくない? 今までの漫画の「声小さい女=オドオド」「声大きい男=ガサツ」みたいなテンプレが薄れたキャラクターの物語は、全体的に愛らしく、甘々だけれども穏やか。バトルしたりしないフツーの男女の恋物語として、楽しく楽しく読めてしまうのです! 声が小さくて伝わらない系女子と、声が大きくてだだ漏れ系男子。どっちも頑張れ。