消えた初恋

ベクトルがぶつかり合わない不思議な三角関係

消えた初恋 アルコ ひねくれ渡
sogor25
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消しゴム忘れた! ↓ 片思いしてる橋下さんが貸してくれたヤッター ↓ ケースから出した消しゴムには"イダくん♡"(前の席の男子)の文字…orz ↓ その消しゴムをまさかの井田くんに見られ、自分の物だと勘違いされて… というピタゴラ展開でなんとも残念な三角関係に巻き込まれることになった主人公の青木くん。橋下さんからは頼られて嬉しい反面、彼女を応援することはつまり自分が報われない展開に進むということで。一方の井田くんはなぜか勘違いしたままバカ真面目にこちらの恋心に向き合おうとしてくるし。そんな板挟みな青木くんのちょっぴりおバカ、でも真っ直ぐに純情なラブコメ。 基本的には自分の恋心に素直、でも要所で自分の利を投げ売った優しさを見せる青木くん。それにちょっと引っ込み思案だけど純粋な橋下さんと曲がったことができない井田くん。実は好きのベクトルが全然ぶつかってない、でも3人ともが幸せになる未来が見えない三角関係。ストレートな恋愛模様もあり、ちょっとBLっぽい雰囲気もあり、いろんな要素が詰まってて、こんな少女マンガが読みたかった!と思える作品。 1巻まで読了

百合ドリル

百合の飴玉235粒、甘く切なく。

百合ドリル 奥たまむし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

実力派百合作家達が、お題に沿った1ページの百合漫画を描いていく「百合ドリル」シリーズ。同じお題に対して、各人様々な成分を配合してギュッと凝縮した、十人十色の百合表現。甘酸っぱかったり、ちょっと辛かったり、ひたすら甘ったるかったり……それぞれ魅惑的な味の飴玉のような掌編が、無印・応用編・難問編合計で235編。 あまりに濃厚なので、ページ数の割に読み進めるのに時間がかかる。ゆっくり読むもよし、時々引っ張り出してちょっと読むもよし。百合成分が不足してるな……という時に、すぐに補充できる、やっぱり飴玉アソートパックのような、おいしい作品集。 【無印】 基本的な百合のジャンルに沿ったお題。基本と言いつつ、すでに超濃厚。これだけでもしばらくは楽しめるが、そのうちもっと欲しくなる(何かやばいものを勧めているような気がしてきた……)計117編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百/最高に興奮する百合 【応用編】 1ページの漫画を元に、発想を広げた数ページ〜20ページ程度の漫画が描かれる。発想の広げ方が様々で面白いし、百合成分が広がっていく様は、濃厚なアロマオイルを部屋にミストで充満させているようで、豊かな気分になれる。計16編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百合/最高に興奮する百合 【難問編】 お題が難解になるも、テンションは全く変わらず、1ページに繰り出される百合は尊い。ただ、感情がより複雑になって、中毒性は強いかも(だからやばいものとかではなくて……)計102編。 (内容)学生百合/大人の百合/キスのある百合/吸血鬼百合/いけないとわかっているけど…な百合/本当にあった百合/バトル百合/となりのお姉さんとなにかする百合/ベッドにおける(※敷き布団も可)百合/未来の百合/後世に残したい尊き百合

ルミナス=ブルー

一眼レフと「光」の世界(デジカメの話)

ルミナス=ブルー 岩見樹代子
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

11月30日は(オートフォーカス、以下AF)カメラの日。AF機構のカメラが登場した日です。 写真やカメラの漫画は多くありますが、こと最新のAFデジタルカメラとなると、扱う作品は意外と少なくなります。 ここからは『ルミナス=ブルー』に登場するカメラについて、推測してみたいと思います。 (物語の内容に関しては、sogor25さんのレビューをご覧下さい) 主人公の光(コウ)のカメラは、クラシカルな外見から、SONYのEマウントかと思われます(ミラーレスで軽いので、女性におすすめ)。レンズが短いので、恐らく単焦点の標準50mmf1.8。初心者は50mmの画角を覚えるべし、と言われる入門レンズ。機動性がいいので、光のようなスナップ派は、これをつけっぱなしで街に出るのが楽しいと思います。 また、単焦点レンズはズームレンズよりレンズの構成が単純で、画質が良いと言われます。シャープネス、ボケの表現は単焦点に分があり、光の写真のきらめき感は説得力があります。 一方、葉山先輩は、1巻の終わりで長くて白いレンズを使って、光と寧々を隠し撮りしています。あのレンズはキヤノンの望遠レンズ、通称白レンズと思われます。高価です。光が見て「すごいレンズ…」って言ってますね。 街撮りでは意外と望遠レンズが重宝します。かっこいい建造物、向こうに見える植栽の花など、広角や標準だと対象に寄りきれないのですが、望遠だと好きなように遠景を切り取ることができます。 被写体と近しい距離感で撮影する光。一方、被写体に無断で、ありのままの感情を撮ろうとする葉山先輩(寧々も勝手に撮られて怒ってましたね)。二人のスタンスの違いは、機材にしっかり現れていると思います。 ここまで、分かる範囲で『ルミナス=ブルー』に出てくるカメラのお話をしました。もし間違っているとか、こっちじゃないの?とか、その他カメラの話をしてくださる方いらっしゃれば、どうぞコメントください! ちなみに私はニコン派です。

ひとりぼっちで恋をしてみた

優しさを学べる漫画

ひとりぼっちで恋をしてみた 田川とまた
mampuku
mampuku

一巻読了。 不器用でいわば「ちょっと足りない」女の子のもどかしい片思いと、友情と成長のお話。 新人さんかな?絵の完成度が非常に高い(博、成家慎一郎、オジロマコト、ゴトウユキコあたりを連想しましたが、そのどれともまた微妙に違う感じ) 頭の回転が鈍く、いつも上手く立ち回ることができず失敗してばかりの主人公。そんな彼女の人格を仲のいい親友たちは「天然」と称して可愛がってくれるが、本人にとっては死活問題で、ついには思いつめて家出してしまう。 極寒の北海道で野垂れ死にかけていたところを、水商売で生計を立てる一人の女性に拾われ、命を助けられるだけでなく「人生」において大切なことを教わる。一巻おわり。 主人公の少女はたしかに「足りない」がちではあるものの、それはこの社会に属する全ての人が多かれ少なかれかかえている普遍的なテーマだ。 「他人に好かれたい、良く思われたい。でもそのためにどう振る舞うべきかわからない。言葉選びが上手くいかない。なぜか傷つけたり怒らせたりしてしまう。」 逆説的だが、負のスパイラルから抜け出すためにはまず「他人によく思われるためにどうすべきか」と考える癖自体から脱却する必要がある。「言葉を発する自分」ばかり可哀想がり労るのをやめて、「言葉を受け取る相手」を慮る。それこそが、信頼関係の第一歩なのだ。 「ありがとう」、信頼関係の初歩の初歩、第一歩の言葉を一巻の最後で水商売のお姉さんから教えられ、感謝あるいは後悔か堪えきれず涙を流す主人公の少女。 とてもシンプルだが芯のある美しい話だ。2巻以降の展開にも期待したい

あの人の胃には僕が足りない

おねショタ×怪異×食!こんなの見たことない!

あの人の胃には僕が足りない チョモラン
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

ずっと気になってて、まだ2巻までしか読んでないんだけど、なんだこのマンガ!激おもろいんだけど!!! すぐ3巻買わなきゃ! こんなジャンル見たことないよ! 読み終わって良すぎてかーっとして何も考えられなかったよ! Twitterの載せられたマンガに対してよく「尊い」って書かれてて言いすぎじゃない?って思ってたけどこれは完全にそれでした! 「尊い」のやつでした! もし読んでない人いたら読んでほしいし、最初のリアクションは大切にしてほしいからできるだけネタバレは避けたいんだけど、ほんと作者さんめちゃくちゃセンスいいなー。 まず、おねショタの時点でめちゃくちゃいいんですけど、身長差は当然のこと、力関係とか経験の差とか、中等部の年下男子的には高校生の年上のお姉さんにはもじもじしてしまうわけで、もじもじしながらも頑張ってアプローチしてるのかわいいし、すぐお腹すいちゃうお姉さんの健康的でいろいろでっかいかわいさ最高だし、なんだか思わせぶりな感じも最高! まず、ここまでが第一段階の最高さ。でもここまではまだギリギリ想定内の良さ。 だけど、その最高の皿の上に「怪異」が乗っかってたら、ほら、もうめっっちゃいいじゃん・・!ってなる! グッと来すぎる!! おねショタのラブコメ見てニヨニヨしてたら突然、後頭部を丸太で殴られた感じ! 語彙力失うってこれか! 物語に急に広がりが出てきて、ストーリー的な展開も気になるし、この二人の進展も気になるし、怪異の謎とか、どうやら普通ではない主人公の出生の秘密的な部分もいよいよ気になってくるしで、むちゃくちゃのめり込んじゃう!! 普通じゃないきっかけで二人は近づくし、普通じゃないきっかけで距離を取ることにもなりそうで、簡単に言うと、この恋は全く予想がつかないし違う意味でもハラハラする!! あ、ラブコメ(ラノベ?)特有の、両親ともいなくて謎にヒロインと同居するっていう部分もあるじゃん・・。 主人公の料理上手なところとか健気で一生懸命な部分もめちゃめちゃかわいいんだけど、ヒロインもめちゃくちゃよくって、『富士山さんは思春期』みたいにおっきい女の子が、大食いなところともマッチしてて最高。 さらに言うと、食べる行為のエロさったらない。 なんの映画だったか忘れたけど、男女がテーブルいっぱいに広がった料理を挟んで、ひたすらに互いの目を見てひたすらに食べるシーンがあってもはやセックスみたいなエロさがあった。 『盲獣』という映画では快楽を求めた先にお互いの体を食べるという結末が待っていて衝撃だったけど痺れるエロさがあった。(映画のネタバレすいません) 個人的にはこの作者さんは漫画が上手なんだなーと思う部分がたくさんあって、なによりコマ割りがめちゃくちゃ読みやすい! 気づいてないだけで読みやすいってめちゃくちゃ重要で、ノンストレスでテンポよく読めるのって最高ですからね。 ニヤニヤしちゃうやりとりとゾッとする何かを描ける振り幅もたまらない~。 このままいけば早い内にアニメ化するんだろうなーと思った!