小学館マンガの感想・レビュー4596件<<160161162163164>>惜しかったキャッチャー・イン・ザ・ライム 背川昇 般若 R-指定(Creepy Nuts)ニワカ根暗なJKがラップバトル部に入り、日々最低を起死回生する話。タイトルからも分かるように『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を意識した作品。 相手に踏み込んで熱く対話するラップは青春と相性がいい。馴染みない人も楽しめるようラップ部を太字にする工夫が見られた。 負のオーラを練り込んだようなラップをする女の子も出てきて、期待値もあがったが、打ち切りのためか、予定調和感のある幕引きとなった。残念マンガも煽り文もクセ!って感じでよかった【新装版】ふたりモノローグ ツナミノユウニワカマンガアプリサイコミで連載してたヤベーやつ。ちょっと前に完結した。作者は『つまさきおとしと私』のツナミノノユウ先生。 コミュ障とギャルの百合ギャグ漫画。変態キャラの演出が独特で面白い。サイコミ連載時は見所の一つとして、編集の煽り文があった。なんと1〜6話が同じ煽り文だったのだ!すでに無料公開期間は終わってしまったので、いまではもう見れないけど、あれは見返したかった……恐怖が膨らむラスト #読切応援忘れ形見 伊藤潤二かしこある日、墓場から赤ん坊の泣き声がする。どうやら埋葬された若旦那の妻が産んだらしい。よく見ると確かにヘソの緒が繋がっている。死人の腹の中で育った赤ん坊を、後妻は執拗に気味悪がり見向きもしない。実は妾だった後妻が若旦那をそそのかし、意地の悪い妻を殺したのだった。赤ん坊は女中が育て3才になったが、不気味さも増していく。イラつく後妻に何度も折檻され女中は、通夜の晩に見たものを白状し始める…。凄まじいポテンシャルをもってる傑作SF漫画モジャ公 藤子・F・不二雄にわか※ネタバレを含むクチコミです。 シカゴシカゴ 田村由美大トロハードボイルドな感じでかっこいい少女漫画でした!ありそうでなかった設定の組み合わせセーラー服と向日葵 中島ベガsogor25※ネタバレを含むクチコミです。これが音に聞くオメガバースというヤツか…Bite Maker ~王様のΩ~ 杉山美和子sogor25概念としては知っていたオメガバース。今まで手を出したことはなかったけど、一般的な概念だけ見ると「これって異性間の関係も加えたほうが物語が広がるんじゃないの?」と漠然と思っていた。そんな中で登場したこの作品。 1巻はオメガバース+この作品特有の世界観の説明を完了させることに注力してる感じだったけど、βが基本αに無抵抗な存在として描かれているので逆に過激な内容に(オメガバースでは一般的な設定なんでしょうか…?)。 主人公が女性のΩということで、発情期の設定は弱めに(抑制剤を飲んでいる描写はあり)、代わりに「Ωは確実にαを産むことができる」という所から番の意識を高める設定。 今のところは男性αに女性Ωの組み合わせなので、俺様男子系の少女マンガの文脈に近くて意外とオメガバースの設定が馴染んでる。逆に言うとシンプルに展開するとちょっとエロの強い俺様男子作品になってしまう可能性もありそうなので、発情期に対する心の抵抗だったり、女性αや男性Ωなどの他の性別のキャラだったり、オメガバースならではの展開が見られるのを期待。 1巻まで読了。 今年最高の恋愛マンガは『男の操』かもしれない。男の操 業田良家兎来栄寿> みさお〔みさを〕【操】 [名・形動]《不変の美や気高さなどをいうのが原義》 > 1 自分の意志や主義・主張を貫いて、誘惑や困難に負けないこと。節操。「信徒としての―」 > 2 女性の貞操。「―の固い妻」 > 3 上品で、みやびやかなこと。また、そのさま。 「うとき人に見えば、おもてぶせにや思はむと憚り恥ぢて、―にもてつけて」〈源・帚木〉 > 4 常に変わらないこと。また、そのさま。 「深き山の本意(ほい)は、―になむ侍るべきを」〈源・東屋〉 > 小学館 デジタル大辞泉より 恋愛。それは、いつの世にも人々に親しまれる永遠不滅のテーマです。小説、演劇、映画、ドラマ……ありと、あらゆる物語の根幹として、スパイスとして不可欠なもの。 世界最古の文学と云われる『ギルガメッシュ叙事詩』でも、愛の女神イシュタルのギルガメッシュへの愛とそれに付随する歪んだ感情が描かれています。日本の最古の歴史書『古事記』においても、イザナギ・イザナミから禁断の兄妹愛を描いた一大恋愛物語「衣通姫伝説」まで、数多くの恋愛が描かれています。 近年では『恋スル古事記』という本も出されている程。最早、紫式部の『源氏物語』を繙くまでもないでしょう。近親相姦や幼女愛は日本のみならず、古来から世界中の人類全体の業……という話は長くなるのでまた別の機会にするとしまして。 古代から現代に至るまで、人々の心を掴み続ける恋愛物語。マンガ業界においても恋愛モノは不滅のジャンルです。近年でも『ハチミツとクローバー』、『のだめカンタービレ』、『君に届け』、『ストロボ・エッジ』などなど、大ヒット作も枚挙に暇がありません。 そんな中、今年出版された、そしてこれからされる恋愛マンガの中でも確実に屈指と言える、されどきっと多くの人は知らないであろう作品があります。それが、この『男の操』です。 「最近、オススメの恋愛モノありませんか?」 そう尋ねられたら、まずこの作品を差し出します。多分、差し出された方の顔は歪むでしょう。表紙、パッと見の印象、掲載誌、タイトル……どれをとっても恋愛マンガっぽく感じないことと思います。しかし、外見で判断するなということを私たちはフリーザ最終形態から学んでいる筈です。騙されたと思って読んでみてください。又、普通の恋愛マンガがちょっと苦手だという方にも強く推薦します。 ■目に見えない大切なもの ところで、サン=テグジュペリの『星の王子さま』はお好きですか? > 大切なものは目に見えないんだよ > 目にはみえないことこそ、一番大切なものがある 『星の王子さま』の中で語られるこのセリフが、私は大好きです。そして『男の操』は、正にそのことを体現した物語。そもそも、業田良家先生は常に「目に見えないけれど大切なもの」を切々と描き続けている作家です。だからこそ、私と同じようにこの『星の王子さま』のセリフが好きな方には是非とも読んでみて欲しいです。 『男の操』が描いて行くのは、恋愛を含む、広義の愛。心。そして、それらから自然と生じて来る、「操」という語の原義である所の不変の美や気高さ。形がなくても見えるもの、形がないから美しいもの、形がないから消えないもの。そうした人間として本当に大事にしなければいけないものに感じ入り、暖かい涙を流すことのできる作品なのです。何とも、堂々と口にするには少々こっ恥ずかしいテーマかもしれません。しかし、業田良家先生は、それを真っ向からどこまでも篤実に投げ掛けて来ます。 > 真心を人に差し上げるってことは素晴らしかことたい。本当に強か人間にしかできんことよ。 作中に登場する真っ直ぐなセリフが、真っ直ぐな想いが、真っ直ぐに胸を貫いて行きます。真心を伝えようとする人間の営みの、何と尊く美しいことか。 > 瞬間と永遠は、きっと同じものでできているよ 帯でも引用されているこの名セリフ、この名ゼリフが使われる名シーンの素晴らしさを、私はどこまでも広めたいですし、分かち合いたいのです。永遠はあるよ。ここにあるよ。 ■イケてないけれど、最高に格好良い男 このマンガの五五分け坊っちゃんカットの主人公・五木みさおは、35歳の売れない演歌歌手です。妻には先立たれてしまい、娘にサクラまでして貰ってもなかなか売れない、あまりにも情けなく冴えない男。しかし、読み進めて行くと、この丸顔ででかっ鼻で太眉の主人公がとてつもなく魅力的な人物に感じられて来るのです。 イケメンが格好良いのはある意味で当たり前。そうでない人物をどうやって魅力的に見せるかは作家の腕の見せ所。それができている作品は名作が多いですし、『男の操』はそれをしっかりこなしている作品です。 亡き妻への想い。亡き妻の想い。子どもへの想い。隣人への想い。隣人の想い。社長への想い。社長の想い。友への想い。友の想い。最初はただのギャグマンガにしか見えないかもしれませんが、物語が進むにつれて徐々に明かされていくそれぞれの相互の想い合いや過去が、前半とのギャップによって強く際立って提示されて行きます。 それは、あたかも人間そのもののようでもあります。本当は辛い想いを抱えながらも表向きは笑っている。人は往々にしてそういった時があります。その笑顔は、ただ単純に楽しいから笑っているわけではない。様々な悲しみや辛みを乗り越えた上で無理をしているのかもしれないし、あるいは漸く何とか少しだけでも乗り越えたからこそ辿り着いた境地のものかもしれない。そして、この新装版の表紙ではメインとなる登場人物たちが皆笑顔で描かれていますが、それも単純な笑顔ではなく裏には実に複雑な様相があるのだ、と。この表紙は、みさおが様々な経験をして作り上げた曲「男の操」の歌詞のあまりの美しさと共に、物語の余韻として深く心地よく響き沁み渡ります。 ■『男の操』は試し読むべからず 『男の操』の試し読みは敢えてオススメしません。ただ、買って下さい。このマンガは『自虐の詩』などと同じく、最初だけ読むとどうでも良いギャグマンガにしか見えない恐れがあるからです。しかしながら、試し読みを読んで「あ、いいや」となってしまうのはあまりにも勿体ない傑作。私と業田良家先生を信じて、敢えて試し読みは読まずに買って、一冊最後まで読み切って頂きたいのです。そうすれば、きっと伝わる筈です。 朝の物語と、夜の物語さんらいず! 藤生ナミ兎来栄寿朝の物語と、夜の物語の二編を収めた単巻作品。どちらもヒロインが失ってしまった居場所を取り戻していく物語で、心に沁み渡ります。おじいちゃんのような老成した黒髪美少年が好きな人、三角関係ものが好きな人にもお薦めです。予定調和のようでもある青春劇が、爽やかに快く夜明けの光の粒子のように心に降り注ぎます。理不尽な社会で生きるために、心に気高き物語をテレキネシス 山手テレビキネマ室 芳崎せいむ 東周斎雅楽兎来栄寿> 「大人になるとどうなるんです?」 > 「人生が理不尽だと理解できる。希望をかなえるためには、失敗や恥をたくさん経験しなくちゃならないことがわかる。だから理不尽な人生を許せるし…他人を許せるようになる」 歳を重ね、大人に近付くごとに実感したことがあります。 それは今回紹介する『テレキネシス~山手テレビキネマ室~』で交わされる上記の会話にあるような、世の中の理不尽さです。 私は「大人になる」とは、襲い掛かる理不尽や伸し掛かる責任と上手く折り合いを付けて生きて行く能力を得ていくことだと思います。 人は生まれた時から不平等な理不尽さに晒される運命にあります。 子供の頃から家庭や社会といった枠組みの中で、大小様々な摩擦や軋轢を経験して成長して行きます。自分が悪くなくとも叱責・罵倒され頭を下げなければいけない時、やりたくない事をやらねばならない時、どうしようもない災難に見舞われる時…… そんな「酒!飲まずにはいられないッ!」というような瞬間が生きていれば幾らでもやって来ます。 特に、社会に出て勤め始めれば、そういった機会は高校生・大学生の頃より格段に増えるでしょう。 「生きることは不本意の連続で、時には全く理不尽な仕打ちもある」と赤木しげるも言っています。 それでも辛抱し、本当に自分が望む自分の姿を心にしっかりと定めて真っ直ぐに生きていれば、生を肯定できるような輝ける瞬間に達することができる。 『テレキネシス』では、そんな風に謳われます。 とは言っても、辛いものは辛いですし、死にたい時は本当に死にたくもなってしまうものですよね。 そんな時、誰か寄り添ってくれる人、支えとなる人がいてくれれば、そんな幸せなことはないのですが…… もし、そういった人が身近にいないとしても、精神的に寄り添ってくれるのが「物語」です。 漫画や映画などの究極的な価値は、そこにあるのではないかと思います。 ですから、マンガソムリエの私としては、そういった苦境に立たされた人にこそ漫画を読んで欲しいと願います。 そこで紹介するのが、この『テレキネシス~山手テレビキネマ室~』(全四巻)です。 左遷が決まり妻にも逃げられた男、短大卒だからと上司や同僚にナメられどうでもいい雑用ばかりを大量に押し付けられるOL、どうしても企画が通らない男性、付き合って一年で彼氏との今後に悩む女性、会社を辞めて何もする気が起きない若者…… そんな、仕事や人間関係で悩みを持つ多くの大人達が映画を紹介され、その映画から人生のヒントを得てブレイクスルーを果たして行く、という連作短編の形を取った物語です。 今作で描かれる人々の様々な思い煩いは、どこかしらで共感できる部分、あるいは人生の予習となる部分があるでしょう。 登場する映画作品は1940~70年台のものが多く、『大脱走』や『ニューシネマパラダイス』などの超有名作品を除くと、大半の作品を知りません。 知りませんが、そこで熱を持って語られるストーリー、人間の生き様には引き付けられます。各話の後には、その話に登場した映画の詳しい紹介コラムも付いており、実際にその映画を観てみたくなります。漫画も映画も、人類の生み出した文化の極みです。 そして、この作品自体も人間ドラマが面白く、仕事を頑張る全ての人に読んで欲しい名言のオンパレード。 > 仕事はなあ…たった一人自分自身の責任においてやるものだ。 > 孤独を背負えない奴は、絶対仕事ができない! 社会人になると、沢山の責任を抱えることになります。 ただその分、誰かの為になる仕事・誰かに感動を与える仕事ができるようになっているはずです。 人は不思議なもので、自分の為よりも他人の為の方が頑張ることができてしまう生き物。 誰かの為になっているという実感は、そのまま生きる活力に直結して行きます。自分一人の為に生きるのはしんどいので、孤独に仕事をしながらも世の為人の為に生きるのが理想的ですね。 又、組織に属した時にどうしても遭遇するのが、反りの合わない上司や同僚。「辞職」という盾を振りかざせばどんな言動も無敵になりますが、それはあくまで最後の手段。『テレキネシス』においては、会社を辞めることなく、それでも歪んだ論理に屈せず自分の理想を貫き通すための敢然たる闘いが幾つか描かれます。 > 人は、一度や二度闘わなきゃいけない時がある。 闘うのにはとてもエネルギーが要ります。社会人ですから、ある程度の不平不満は飲み込む局面も必要でしょう。それでもやるべき時にはやるべきなのです! 又、「管理職論」的な話も幾度か登場します。そういった理由もあり、この作品は新社会人はもとより多くの人に触れてみて欲しく思います。 > 能力あるリーダーは不良を飼う余裕がある。 > 部下に疑心暗鬼にならない! > 部下がやなこと言っても耳を傾ける! > 能力のない管理職は、会社の論理を咀嚼できないまま、無意識に不誠実で嫌な奴に変貌する。 > でも才能ある人は意識して自分を変えて行く。 > 自分のやるべき仕事がわからない管理職ほど、ヒマだから部下をいじめる… > 嫉妬して企画を潰す。 > そんな奴は辞めちまえ! 立場によって感じる所の違うセリフでしょう。あるいは未来の自分がそうならないように、自分が理想とする姿、初心と共に常に心の片隅に留め置いておくと、良い指標になります。 基本的に他人を非難して得をするケースってほとんどありませんので、そんな暇があったらそれこそ漫画や映画に触れて粋なセリフの一つでも心のメモ帳に記録しておく方が、余程人生を豊かにするでしょう。 『テレキネシス』には仕事のみならず、友情や恋愛についても咄嗟に言えると格好良い名言だったり、深く感じ入ったりするエピソードなどが盛り沢山。とても良いメンタルの栄養剤になります。 ちなみに、この作品の二巻後半には「理不尽な人生に立ち向かう魔法の言葉」も書かれています。 正直、私は初めて読んだ時にはその言葉がピンと来ませんでした。 ただ、ある程度人生を重ねてから再読した時「ああ、そうだなあ」とその言葉を噛み締めました。 それがどんな言葉かは……是非読んで確かめてみて下さい! 穂積先生の新たな挑戦の作品なのかもしれない僕のジョバンニ 穂積sogor25これまで最高でも3巻までで作品を完結させていた穂積さん。初めて4巻に達したこの作品だけど、3巻までは1冊毎に結構大きく物語が動いてる感じがあったのに明らかに4巻はスローペース。これは完全に長期連載でじっくり鉄雄たちの成長を描く構えだ。 思えばこれまでは物語全体に大きな仕掛けを構えて、それを短~中編で綺麗にまとめ上げるという作風だった。今作でも仕掛け自体はあるけども、その仕掛けとそれぞれのキャラの関係性や心情変化がその仕掛けと強くは結びついてなくて、純粋な人物の表現をメインに勝負されている印象がある。もしかしたら新しい方向への挑戦をしている作品なのかもしれない。 4巻まで読了。自分用感想覚え書きアノナツ―1959― 福井あしびはんぺん第1球 晴天の霹靂 ・雷でタイムスリップがいい 落雷では1.21ジゴワットの電力が得られる(BTTF並感) ・おじいちゃんの前作主人公感すこ ・主人公が「21世紀のアスリート」なのがいい 「試合後に腕をアイシングしながら、スマホでフォームをチェック」という、スポーツ科学とテクノロジーを使い倒し、アスリートととして、受け入れられないことはハッキリと断るのは今っぽい ・高校野球文化を描くのがうまい 県大会決勝の朝。祖父世代の後援会長、商店街の人々、少年野球チームの子どもたちが万歳三唱で主人公を送り出す…。 主人公を老若男女が応援している姿で、「高校野球」という日本文化をこれ以上なくわかりやすく描いている。 ・タイトルが覚えやすい やたら長い文章タイトルや、「○○と誰々」のようなタイトルが氾濫するいま、4文字で覚えやすく、かつ掛詞になっていてヒネリも利いているタイトルは高感度高い ・主人公の名前めっちゃ推してくる 祖父・正也とバッテリーを組んでいた友呂岐さんが、主人公のことを何度もフルネームで呼ぶのが上手いな〜と思う。 基本的に、登場人物の名前は覚えないで漫画を読む自分でも、こう連呼されたら覚えざるを得ない。子供たちの「命」と向き合う教育現場マジスター 見崎先生の病院訪問授業 棚園正一 山本純士mampuku題名「マジスター」はラテン語で「教師」の意らしいです。 重病などで長期入院する子供たちのために病院へ派遣され授業をする先生たちを描いています。「病院訪問教育」という制度自体、このマンガを読んで初めて知ることができたので、こういう普段触れる機会のないところにスポットを当ててくれる作品はとてもありがたいです。 専門的で内容の濃い連載にありがちなように休載が多いです(「文化的で最低限度の生活」と同じ方式のようです)取材大変そうですもんね。 サンデーらしいファンタジー&ラブコメ水女神は今日も恋をするか? 三簾真也名無し予想外に面白かった! カラー絵の印象からどうしようもないお色気漫画という先入観を持っていたが、読んだら違った。 お色気といえばお色気かもしれないけど、マギのようなファンタジー要素、魔王城でおやすみのようなコメディ要素があって、世界観自体に魅力があった。 雨の降らない世界で、唯一水を出すことのできる女神とされる少女が、体から水を出す(意味深)という話で、ピュアなラブとエロさのバランスがちょうどよくて面白い! こういうのでいいんだよ、こういうので。時を超える野球漫画!『アノナツー1959ー』を語ろう!アノナツ―1959― 福井あしび名無し一年生左腕・拝郷ナツが祖父との約束「甲子園出場」を懸けた地方大会決勝に挑む中、球場を落雷が襲った。 気づくとナツは一人、見たことのないこじんまりとした野球場に。 混乱するナツが出会ったのは、高校生の姿をした祖父・拝郷正也! ナツは、1959年の夏にタイムスリップしてしまったのだった…。 祖父と孫の時を超えた絆… 未だかつてない野球漫画! 【著者】福井あしび 【作品】嘘つきは殿様のはじまり マコトの王者 (「サンデー公式HP」より) https://websunday.net/rensai/anonatsu/ギャグとシリアス、両面から描き出す"独裁”独裁君 業田良家兎来栄寿この本に収録された短編「慈悲と修羅」。 私は、この18ページの物語を、世界に住む全ての人に読んで貰いたいと切に切に願っています。この短編が描くのは、チベット問題。あまり大々的にこの問題が報じられることのない現代日本で平和を享受している私達には、およそ実感の湧かない、しかし今もなお現実に起き続けている陰惨極まる悲劇です。ここで描かれる残虐な拷問や、敬虔な仏教徒に対する精神的陵辱の限りは、決して知らないままでいて良いものではありません。読むと、激しい嘆きや憤りが生じることでしょう。実際には、ここに描かれている以上のことも行われているといいます。文章だけでは千の言葉を尽くしても伝わり難い現実が、マンガという表現によって描かれることでその悲惨さをダイレクトに伝えてきます。業田良家先生の絵はかなりデフォルメが効いたタッチですが、しかしこの絵柄でこの内容が描かれるからこそ、その主張が際立ちます。マンガの持つ力という物をも、改めて考えさせられる内容です。私は、中学生や高校生に教科書と一緒にこの短編マンガを配布しても良いと考えます。 この本のメインは、ヒトラーやスターリン、金正日といった世界の独裁者たちへの激しい風刺の効いた4コママンガであり、それも勿論面白いのですが、「慈悲と修羅」及び、北朝鮮を描いた「シャルルの女」「シャルルの男」は非常にシリアスで、人として、この世界に生きる人間として、一読しておくべき作品です。 あなたに贈りたい哲学短篇集ゴーダ哲学堂 業田良家兎来栄寿私が、業田作品の中で最も好きなのが、この『ゴーダ哲学堂』シリーズです。 一話完結型の短篇集なのですが、その一つ一つのお話に込められたテーマ性の深さ、訴えの切実さたるや! 愛とは何か、幸せとは何か、正義とは何か、人は何のために生きて行くのか……一篇は僅か16ページ程なのですが、「哲学堂」というタイトルに相応しい、深い洞察がそこには存在します。16ページの短編マンガとしてはあまりにも有名な萩尾望都先生の『半神』がありますが、『半神』を読んだ時と同じように、マンガというのはこの僅かなページ数にこれだけの物を込められるのだな、と感嘆せずにはいられません。 この世からあらゆる悲劇を排除したら世界はどうなるのかを描いた「悲劇排除システム」や、素粒子や「空」「物自体」「神」といった概念で世界を解体しつつ最終的に愛という究極の奇跡に帰着させる「原子的ラブレター」など、私は愛して止みません。 業田先生は、人間存在や社会を時に冷厳に見据えつつも、しかし根底では深い愛情を以って希望と共に包み込みます。この本は、読めばきっとあなたの人生の財産となります。もしも今読んで響かなかったとしても、何年か経ったらまた読み直してみて下さい。様々な経験と年齢を重ねて再び紐解いた時、この一つ一つの輝く結晶はきっとまた違った感動を与えてくれるでしょう。又、誰かにプレゼントするにも最適な本であると思います。人間賛歌の究極形機械仕掛けの愛 業田良家兎来栄寿第17回手塚治虫文化賞短編賞受賞作。NHKでラジオドラマ化もされ、名実共に業田良家先生の代表作と言って良いでしょう。 こちらも、一話完結型の短編集です。上記の、『ゴーダ哲学堂』や『ロボット小雪』などでも描かれて来た、「心を持ったロボット」というテーマに今一度踏み込んだ物語群となっています。子供や老人と触れ合う、感情を持った純粋無垢なロボット達のお話は、ハートフルでとても感動的です。 しかし、この作品が凄いのは、そういった従来の「心を持ったロボットとのコミュニケーションによって生ずる感動」のみならず、戦闘用に作られたロボットや尋問用に作られたロボットたちが送るハードな物語も同時に描かれることです。その双極性によってそれぞれのテーマが立体化し、どちらもより痛烈に刺さって来るのです。業田先生は、ロボットを描くことによって、間接的にどこまでも人間を掘り下げて行きます。 今この瞬間に飢えている人に法を犯してでも食べ物を分け与えることは不正義なのか? 何かを築き上げてもいつかは天災などによって無に帰ってしまう不条理を前に、人間は諦観するしかないのか? 様々な哲学的な問い掛けに、業田先生は果てしない希望と愛情を以って筆を尽くします。誰かの為に何かを為すことの尊さは、決して失われることのない永遠性を持つのだと。そう、この作品は、負の面も含めた人間賛歌の究極形なのです!ビッグコミックの別の総務部漫画イリーガル 木村直巳 工藤かずやstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男ビッグコミックの総務部漫画といえば総務部総務課 山口六平太のイメージが強いけどイリーガルも好きだった。 一見ダメ社員が影では有能な社員という設定でよくある感じの内容だが「パイナップルARMY」の原作者 工藤かずやと「殺手」の木村直巳なのでいい感じで面白い。 最近読み直したがコンピュータ関係の描写が古いところはあるけどその辺は気にならなく楽しく読めた 気がついたら好きになっているが最強神のみぞ知るセカイ 若木民喜名無しギャルゲーの知識と経験を活かして女の子を「攻略」していくというコンセプトがまず面白い。人によって好き、嫌いが分かれる設定だが主人公の桂馬君がオタクゲーマーとは思えない行動力を備えており見ていて清々しい。実は顔、知力、コミュ力と揃った稀有な主人公。ロジックで行動しているだけのように見えて、きちんと一人一人の女の子のことを桂馬君なりに考え、きちんと感情、気持ちを向けている点が好ましい。また、ただの色物設定の漫画ではなくて、人を好きになるってのはどういうことなの?ということや、オタクはどうやって現実と向かい合うの、と言ったテーマが込められているように感じる。ひきこもりの経験が作品内で活きていることは作者にとっても救いであろう。F先生の凄さが分かる!藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版> 藤子・F・不二雄猫あるくいつもの子供向けF作品にはあまりない、ねっとりとしたブラックな物語というギャップだけではなく、社会風刺を取り入れた物語の巧さや、完璧なオチに驚愕しっぱなしだった。 「ノスタル爺」は実写化したらこの短編だけでも一本の映画が作れそうなくらいのすごい物語だと思いました。 星新一なんかが好きな人はぶっ刺さりますよ!もしかしたらとんでもない作品になっていくかもしれない【新装版】少女巡礼 にしお栞sogor25※ネタバレを含むクチコミです。 ちゃおで連載してた男の娘マンガライバルはキュートBoy 富所和子かしこ初めて買ってもらったマンガだと思う。すごく懐かしい。 今思うと、主人公より女の子としてレベルが高い弟って斬新な設定だったな。弟には超美少女なガールフレンドもいたし。ちなみに姉弟の仲はよかったはず。 コマ割りとかトーン使いはお手本になるくらいTHE少女マンガで、お洋服が可愛くて大好きだった。 ミントな僕らも読んでたから、こういう設定好きなのかな自分。デビュー作とは思えないクオリティーのうけん 長田亜弓かしこ超能力者が集まる部活「のうけん」に入る為に転校してきた主人公。キャラの濃い先輩達と共に楽しい青春を送るべく奔走するコメディー。 掲載誌のIKKIが休刊になり1巻で完結(まだまだネタはたくさんあったそう…)ですが、最初から最後までハイテンションで楽しい作品になってます! やわ男とカタ子を読んでも思いますが、作者の長田亜弓さんはコンプレックスをテーマに描くのが上手い。ただツライだけで終わらせず、ユーモアと優しさをもって、自分らしさで克服することが大切だと教えてくれる。<<160161162163164>>
根暗なJKがラップバトル部に入り、日々最低を起死回生する話。タイトルからも分かるように『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を意識した作品。 相手に踏み込んで熱く対話するラップは青春と相性がいい。馴染みない人も楽しめるようラップ部を太字にする工夫が見られた。 負のオーラを練り込んだようなラップをする女の子も出てきて、期待値もあがったが、打ち切りのためか、予定調和感のある幕引きとなった。残念