マッグガーデンマンガの感想・レビュー166件<<34567>>異世界転生モノとしては結構異色?迷宮ブラックカンパニー 安村洋平名無し現実世界で大金持ちになった主人公が異世界に飛ばされてヒドイ目に… そこまで遭うこともなく持ち前のズル賢さでクズとして無双するというのがこの手のテーマでは斬新かも。 ちゃんと努力したり一本スジを通すところが主人公の性格の悪さとギャップがあっていいですね。技術の進歩で風化される専門技術を思う映写室のわかばさん 青山克己 神田川あゆ六文銭時代の流れとともに、昔は人の手でやっていたことがボタン一つで片付いてしまう。 そんなところに、なんとなく哀愁を感じるんですよね。 電気をつけるのも昔は木から火を起こしていたわけです。 それがランプになって、今はスイッチひとつですよ。 手作りだった下駄も、今は工場であらかたつくってしまうわけです。 映画の世界も、時代はデジタル再生です。 なんなら人もいないかもしれない。 映写機を使ってフィルムでみれる映画館もどんどん減ってます。 本作はそんな希少職業の一つ「映写技師」のお話。 スクリーンに写す映像を、フィルムで順次流し込む仕事です。 映画1本で、巻き尺みたいに巻かれたフィルムの束を何本も使うこともしばしばで、そのつなぎこみをうまくやる熟練のテクニック。 1分1秒を見逃さず、観客にむけて映像を絶え間なくきちんと流す。 純粋にすごいのですが、機械に取って代わられてしまった技術なんです。 それでも人の手でやることに、私は味があると思うんですよね。 面倒だからという理由で、簡素に効率化して失われてしまったものたち。 そこに、本質があるんじゃないかと思ってしまうわけです。 本作の主人公も、そんなレトロな技術に没頭します。 これから先、使い物になるかどうかわからない技術なのに、 打算もなく、純粋にただ好きで楽しむ姿はすごく良いです。 あぁ、まだこんな世界があるんだなと痛感させられる作品でした。 やっぱり人が関わっている、人がつくっているっていいもんです。 描くことと愛すること #完結応援Still Sick 灯名無し完結記念に感想書かせていただきます。 「隠れ同人作家の清水さんが同僚の前川さんにオタバレして秘密を握られてこれからどうなっちゃうの!?」 という導入こそ軽妙ですが、ひとを愛することと、創作することに真摯に向き合っているのが本作の魅力だと感じます。 百合はもちろんのこと本格的なマンガ家マンガとしての読み応えも抜群です。 物語を描くのって過酷です。 真面目に向き合えば向き合うほど、ときには現実の人間関係や自分自身を傷つけてしまうことさえあります。 一方で、その過酷さは誰かの支えがあれば乗り切れることもあります。 物語を通じて前川さんが「誰かと一緒に描く」ようになり、清水さんが「誰かの傍にいる」ことを選ぶのが私にはとても尊いことのように思えました。 そして最終3巻のボリュームが圧巻。260ページ超えてます! ふたりがそれぞれのゴールと言うか、あり方を決めたあとのようすがじっくりと描かれています。 こういうエピローグがたっぷり読めるのはなんだか幸せですね。 素晴らしい余韻の残る作品でした。ほっこりの塊みたいな作品きつねとたぬきといいなずけ トキワセイイチぺそトキワセイイチ先生がnoteにて連載中し、同人誌を出版していた「きつねとたぬきといいなずけ」がついに連載となりました。 作者のことを知らないという人も、あのバズりまくったアマビエ漫画の人と言われれればピンとくるかもしれません。 https://twitter.com/seiichitokiwa/status/1235894263411425281?s=20 この作品のことはかなり前から知っていたものの、なんやかんや読むのを先延ばしにしていて、今回の連載を機に読み始めました。 いやめっちゃかわいい〜〜!!すごくゆるくて能天気…! 夕飯をニンジンで我慢するとき「がまん!がまん!」って突然踊りだしたりして、そういう気ままさが動物らしくていい。 高尾山まで電車(の屋根に乗って)帰るのもキュートすぎる…中央線かな。 ほっこりの塊みたいなホッとする作品です。 https://magcomi.com/episode/13933686331655584606 (1話のこのコマかわいすぎる) 大切に描かれ、大切に育てられた作品びんちょうタン 江草天仁なかやま自分はアニメからこの作品に入ったのですが、4コマと言うジャンルの枠を超えている素晴らしい作品で、主人公のびんちょうタンの生活を美しく描いていると思っています。 内容は主人公のびんちょうタンの貧しくも清らかに慎ましい生活を中心に描かれたもので、彼女の友人の話や学校へ行きたいなど、本人の世界が徐々に広がっているところが見ていて、心があたたかくなります。 特に、おばあちゃんの話は10年以上たっても、自分の心に刺さっています。 1巻前半の雰囲気とは後半から大きく変わっていくので、試し読み出来る部分と話の軸がちょっと変わります。(ちょっと注意ですが、読んでほしい) wikipediaをみると、即興で考えたキャラクターがひっそりと雑誌の片隅で始まり、徐々に人気が出てアニメ化とのことでした。 自分がこの作品を大きく評価しているのは、その即興で生まれたキャラクター達に命を吹き込んで且つ育て上げた作者の 江草天仁 さんの存在です。 例えば、 びんちょうタンが頭につけている「炭」ですが、コレは単純に備長炭のキャラクタだからつけている、というよりも村には「炭をつける」という風習があり、伝統を重んじる家庭の子供は炭を付けている と言う感じです。 そして、全4巻の作品ですが これ・・・同人誌版で『学校編』が存在します。 連載が終わった 2008年から同人活動として連載を続けて、2013年にまとめた本が発表されています。 これは、きっと作者さんがびんちょうタンを学校に行かせてあげたい、という優しい思いがあったのだと考えます。 大切に描かれ、大切に育てられた作品です、是非古事記から「藤原」を巡る秘史へ #1巻応援ふることふひと 壱村仁 風越洞あうしぃ@カワイイマンガ藤原(中臣)鎌足の息子、史(ふひと)は朝廷で一官吏に甘んじていたが、大海人大王(天武天皇)より歴史書の編纂を秘密裏に命じられる。抜群の記憶力で叩き込んだ史文を、彼はある思惑から名を隠して口述する事に。しかし、倭語で筆記する者に正体を隠す為、止む無く女装をする。稗田阿礼と名乗る女装した史を見た筆記者の太安万侶は思わず言ってしまう……「愛(うつく)しい」と。 ◉◉◉◉◉ 歴史書とは「古事記」の事。梅原猛の「稗田阿礼=藤原不比等」説に「稗田阿礼女性説」を掛け合わせた感じのストーリーは、様々な秘密や疑問が折り重なった、多様な面白さが詰め込まれている。 女装を巡る秘密と太安万侶のドキドキはコメディとして。分かりやすくコミカルな神話語りは知的好奇心として。神話への思いがけない疑義は政治ミステリーへ……等々。 見所を沢山詰め込みながら、史の「中臣」への疑問は、「藤原」を巡る大きな秘密に向かって静かに、だが大きく進んでいく。 歴史を少し知っている人なら、家名を変えながら1200年もの間続く藤原家の権勢の、理由を知りたいと思うのではないか。始祖・鎌足の後、没落した藤原を再興した、史=不比等の存在にその根本理由があるとしたら……という大きな運命に、記憶力以外は割と真っ当な若者の不比等が今後、どのような心持ちで挑んでいくのか。 また一つ、嘘みたいな本当の様な、不思議に胸躍る歴史ミステリー(エンタメ要素もバッチリ!)が生まれてしまった……。史上最もコミカルな"魔女狩り"の物語 #1巻応援魔女のマリーは魔女じゃない 小林安曇sogor25時は16世紀。神聖ローマ帝国は"魔女狩り"の最盛期である。勿論処刑される者の中に魔女はほとんどおらず、本物の魔女は密かに身を隠したり上手く人間社会に溶け込みながら生き永らえていた。 主人公の魔女・マリーも森の中の小屋に1人で済みながら薬草を提供するなどして人間社会との関わりを保っていた。この作品はそんなマリーと彼女の身に迫る魔女狩りの危機の物語 …を限りなくコミカルに描いた"スラップスティック魔女ライフコメディ"である! そもそもマリーは自身のことを魔女だと思っていない。ただちょっと箒で飛べたり悪魔を召喚できたりするだけである。ちなみに彼女の言動にツッコミを入れてくれる相棒のナハトは"カラス"である。 その上でマリーは人間社会との関わりを極力保とうとする。一応身を隠すために礼拝に参列したりはするのだが、魔女の使いと言われる黒猫を助けたり箒を武器にしたりして自ら墓穴を掘っていく。 その軽いノリとキレのいいボケツッコミを繰り広げながら、魔女狩りなどのシリアスな設定はしっかりと守られていてそのギャップが楽しい不思議な雰囲気がある。果たしてマリーは魔女狩りを避けながら平穏な日常生活を守ることができるのか。乞うご期待! 1巻まで読了 食いしん坊な狛犬2匹に癒やされっぱなし #1巻応援巫女と狛犬のおそなえ御飯~もぐもぐ世界のグルメ~ 宝井サト名無し狛犬といっても見た目も中身も幼児なので、欲望にまっすぐ突き進んでは、巫女のいぶきに叱られる。 狛犬は、神様のお供え物のお下がりを食べるというしきたり上、毎日和食ばかり。しかし絵本やテレビでは、おいしそ〜〜〜うな外国の食べ物がたくさん。 そんなある日、どうしても和食以外が食べたいという2匹の切なるお願いに、いぶきも根負けして「米粉のピザ」を作ってあげたところ… こんなおいしそうに食べる生きものいる…?と思ってしまうほど一生懸命頬張る。もうこんな顔されたらなんでもあげたくなっちゃうじゃんよ…! 神社に関する基礎知識もしっかり解説してくれる親切な漫画です。 狛犬の他、お稲荷さんも2匹出てきますが、もれなく可愛いです。 癒やし漫画でもあり、グルメ漫画でもあり、親子でクッキングにチャレンジしてみたい人にも役立つかもしれません。才なき魔法使いと孤独な弟子の物語 #1巻応援魔導の系譜 イヌヅカヒロ 佐藤さくらANAGUMA魔導士が生きていくすべを学ぶための私塾を営むレオンは多くの教え子を排出してきましたが、彼の最大のコンプレックスは彼自身には魔導の才能がないこと。 そこに連れてこられたのが天賦の才を持ちながら人と交わろうとせず厄介払いされてきた少年ゼクスです。 とにかく絵の力がスゴくて、キャラクターの感情がズシンと響く実にいい表情が毎シーン繰り出されてきます。自分が望んでも手に入らなかったものを持った教え子を前にしたレオンと、誰からも理解されず全てを拒もうとするゼクスの心の機微がぐわんぐわん押し寄せてくるんですよね…。 「師匠と弟子」の関係から始まる彼らふたりの心の交流がどう実を結ぶのか、じっくりと魅せてほしい作品です。漫画で繋がる、拗らせた二人。Still Sick 灯あうしぃ@カワイイマンガ秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます) 以下一巻の感想。 テ…魔探偵ロキRAGNAROK~新世界の神々~ 木下さくらむぎちゃ以下一巻の感想。 ティーンの頃大好きだった作品で続きが出てたことは知っていたけどなんとなく読んでなくて、思い出して読んでみた。初期の頃を再びなぞるような展開は神話の再現性を象徴してるのかな?と思ってみたり。 絵がかわいくて相変わらずキャラクター達も魅力的だけど作者自身に漫画を描くことの根気や力がないのかなと思ってしまったりする箇所も。続きを読むかは微妙…。綺麗だけれどどこか危なげでもある世界魔法使いの嫁 オイカワマコ 三田誠 ヤマザキコレ 五代ゆう ツクモイスオ名無し魔法使いに買い取られた少女が、魔法使いと共に生活をします。魔法という単語だけを聞くと、何かすごいことができて美しいもののような印象を私は受けますが、この作品で登場する世界の魔法にはどこか危なげな感じが含まれています。少女は魔法使いと過ごす中で、どう魔法と付き合っていくのか…目が離せない物語です。超熱いファンタジー!!はめつのおうこく yoruhashiファンタジー好きファンタジーでよくある主人公の復讐動機で進むのですが、画力で圧倒されます!怒っているし残酷であるのに繊細に描かれていてスゲー!としか…! ファンタジーとかなろう系好きで、なおかつ復讐劇が好きな人なら読んどくべきですね。 逆ファンタジーグルメ漫画ヒトの食事は難しい。 日下幹之名無しマグコミで連載されていた日下先生の漫画家デビュー作。数百年間、牛乳しか飲んでいない隠居中のヴァンパイア「ハシモト」が、グルメ漫画をきっかけに「人間の食事を体験しよう」と挑戦するだけのゆる〜いお話。 ハシモトは人の文化に疎いのに毎回一人ご飯をするので、基本的に失敗ばっかり。しかもそういう失敗をしてしまったときのモノローグが、やけにリアル…。 「心が弱ってて、人見知りや共感性羞恥の強いときってこういう風になっちゃうよね…」というリアクションをする。ちょっと胸に来る。 特に1話の「途中まで美味しく食べていたのに、人の目が気になって味がわからなくなってしまい店を出る」という描写の生々しさは、作者ご本人が食事に問題を抱えていたからこそだなと思う。 正直、この作品は万人に「買って読んで」と勧めることはできないけど、日下先生のことを知るいいきっかけにはなるかなと思う。 https://comic.mag-garden.co.jp/hitomuzu/ https://comic.pixiv.net/works/4619葬太朗(※女)がナメクジのお姫様と結婚する話ばけむこ 枝屋初天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。まだまだ底の見えないファンタジー復讐戦記はめつのおうこく yoruhashimampuku序章もいいところですが、なかなかに骨太なオリジナルSF×ファンタジーが始まりました。 まず絵がいい!!上手い、可愛い、かっこいい三拍子そろってます。のっけから首切られたりとにかく死にまくりの血みどろ続きで、推しがしなないことを祈りながら読み続けることになりそうです。 「超産業革命(ギアエクスパンション)」とよばれる超絶的な科学発展を遂げた人類により魔女は滅ぼされた。という世界設定。現時点ではまだまだ疑問点が多いです。 「超」がつく通り、誇張でなく中世後期の国でスマートフォンが普及してるという文化レベルと科学技術の乖離ぶりと隔絶ぶりに何らかの陰謀の臭いがします。『幼女戦記』でいう存在Xのように、裏で糸を引いている超常的な存在がいそうです。(少なくとも魔女は「神に遣わされた」存在だそうなので、別の対立する神が企てた代理戦争だったりするのかも?)王妃がめちゃくちゃ怪しい感じがするのは果たしてミスリードか否か……w 神と鬼の不思議なコンビもののべ古書店怪奇譚 紺吉さいろく大正ぐらいの時代背景だろうか。 先日ハマった「絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男」の著者さんの他の作品はないものかと思ったらずいぶんと毛色が違う素敵な作品が連載中(たぶん)で、一気に最新巻まで読み終わった。 絵もキレイだけどキレイすぎず何処か味があり、ストーリーはよく練られていてまるでジャンプの王道のような展開ではあるものの少年向けではない描写も多く…と思ったけど「鬼滅の刃」もよく考えたら少年向けじゃなさそうなのになと思ってしまった。 世の中は進んで化けているのだなーと1人納得しました。 面白いのでぜひ。2600年の時を超えたアッシリアとギャルJKの邂逅ネオ・エヌマ・エリシュ マミーsogor25瞬間記憶能力を持つギャルJKが古代アッシリア帝国に飛ばされて王に見初められる、という設定盛り盛りな作品。 だけど一本芯が通っていて聡明なところも見せるギャル・英里のキャラクターと、巻末に記載された大量の参考文献で裏打ちされたオリエントの描写が不思議な相乗効果を生み出している。 ファンシーな絵柄で作品全体のリアリティラインが下がっているというのもあるけど、古代人の価値観と英里の熱血気味の性格がいい感じに好対照で、ギャルJKがアッシリアの王や戦士たちと対等に渡り合うという一見荒唐無稽な展開が作品としてしっかり成立している、意外な読み応えのある作品。 1巻まで読了気弱なドラゴンのマイホーム探しドラゴン、家を買う。 絢薔子 多貫カヲ六文銭もうタイトルどおりです。 自堕落ゆえにハンターに卵をとられ、親から勘当されたドラゴン「レティ」が、自身の安心安全を求めて家を買うというお話。 ファンタジーならでは世界観や細かい設定をギャグテイストに巧みに使って「ドラゴンの家探し」をする展開が秀逸。 ダンジョンの如く罠だらけの神殿を紹介されたり 山頂に建てたことで逆に有名になって、勇者がひっきりなしにやってきたり、追い払ったら同族に慕われたり 「召喚獣」としてバイトしたり ゆっくり暮らしたいだけなのに、何かしら欠点がありうまくいきません。 気に入ったマイホームを探す大変さは、人間もドラゴンも変わらないですね。 ドラゴンという一見ごついフォルムですが、優しくて気弱なところが不思議と可愛くて、応援したくなります。 一緒に物件探しを手伝ってくれる、ちょいドSなエルフとのコンビもまた良いです。 もしもかつての勇者たちを"介護"することになったら…どうする?ファンタジー老人ホームばるはら荘 岡村アユムsogor25かつて魔王との死闘を繰り広げた歴戦の勇者たち。その死闘から数十年、彼らも加齢という敵には抗うことができず、平和になった世の中でひっそりと余生を過ごしていた。そんな余生を過ごす家、特別養護老人ホーム「ばるはら荘」。 そこに職員として紛れ込んだ魔王の孫娘・マリー。彼女の目的は祖父の復讐、つまり年老いた勇者たちに自らの手で仇を打つこと。しかし彼女は知らなかった。勇者たちは年齢を重ねても現役時代と同様の魔力・戦闘力を保っていること、そしてそれにも拘らず、すでにボケが始まっていて時折能力を不用意に暴走させてしまうことを… という、剣と魔法の世界×老人ホームという異色の組み合わせの作品。ファンタジーの雰囲気を保ちながら実際にやってることは老人介護というアンバランスさ、そして勇者たちを介護するために集められた超有能な職員たちと、その辺の事情を全く知らずにノコノコと介護の現場という"戦場"に足を踏み入れてしまったマリーの振り回されっぷりがクセになる。現段階でもすごく面白いけど、今後の展開の仕方、それとマンガ読みの間での認知のされ方次第では「ダンジョン飯」になるポテンシャルを秘めている、そんな作品だと思ってます。 …というのが、この作品をファンタジーもしくはコメディとして見たときの感想。それに加えて私個人としては"介護を描く作品"としても非常に注目しています。 作品全体としては介護の対象が勇者たちなだけあって"異世界モノ"特有のフィクション性の高い設定も数多く見られますが、入居者に対する個々の介護の様子を見てみると、現実の介護にも当てはめられるような描写も多く見受けられます。 現実世界では"介護"もしくは"介護士"というと非常に厳しい環境に置かれており、半ば社会問題となりつつあるように思います。そんな介護の現場をリアルに描こうとすると、社会性が高くなる他方でエンタメ性を保てなくなり、敷居の高い作品となってしまうのではないでしょうか。 そんな中でこの作品は、ファンタジーとして作品のエンタメ性を確保しつつ、いずれは誰もが接することになるであろう"介護"という存在をよりポップに読者に伝える、そんな意図も隠されてるのでは、というの深読みしすぎでしょうか? いずれにせよ、コメディとしての面白さもあり、介護というものに気軽に触れることもでき、読んでいていろんなものを得られる作品であることは間違いないです。 1巻まで読了全人類を敵に回す壮大なリベリオンファンタジーはめつのおうこく yoruhashisogor25かつては人間と魔女は寄り添いながら生きていた。それが今は魔法を凌駕する科学技術が発展し、自らの手で前進するため人類は魔女を狩った。そんな、魔女という存在が滅ぼされつつある世界で逃避行をする、強大な能力を持つ魔女クロエとその弟子の人間アドニスの物語。 という導入の作品なのだが、冒頭の2人の軽妙なやりとりからは想像できないほどに運命の歯車は苛烈に回ってゆく。1話の試し読みを読めば理解して頂けると思うが、この作品は全くの嘘偽りなく"全人類を敵に回す"物語である。 そしてその反逆の物語に対して、登場する全てがストーリーを展開するための駒として用いるという冷酷さも徹底されている。稀代のストーリーテラーによる圧倒的筆致のピカレスクロマンに今後も一切目が離せない。 1巻まで読了。『まほ嫁』スピンオフのバディアクション!魔法使いの嫁 詩篇.75 稲妻ジャックと妖精事件 オイカワマコ ヤマザキコレ 五代ゆうANAGUMA『魔法使いの嫁』のスピンオフマンガ! 主人公は幼少期に「チェンジリング(取替子)」によって人間に育てられた妖精ジャックと妖精に育てられた人間ラリー。彼らが成長してコンビを組み、魔法絡みの事件を解決するためニューヨークを駆け巡る! 原作は舞台がイギリスで、ゆったりした時間の流れが味わいになってますけど、本作はニューヨークの賑々している感じとアクションの派手さで特徴つけてるなと思いました。 そしてバディものはやはりいい。 取替子として育ったジャックは人間の世界に馴染みきれない寂しさを抱えていて、それを同じ境遇のラリーと一緒に過ごすことで和らげている。この関係性やキャラクター造形も混沌と孤独の街ニューヨークが舞台になっているのが超効いてます。最高…。 ジャックちゃんがニッポン・アニメのオタクなのもツボ(かわいい)。 ただカワイイだけじゃなく、物語のキャラクターに自分のあこがれを重ねて、格好良くあろうとしているのもグッときます。彼女が一人前になるのを応援したくなりますね。 僕は原作途中で止まっちゃってたんですけど本作に触れて読むの再開しました。 『まほ嫁』の広大な世界観の一片を個性的に使いながらも、原作の魅力もいや増すような良スピンオフだと思います! 絵も色合いも良い妖怪の子預かります 森野きこり 廣嶋玲子さいろく森野きこり先生、今作で初めて読んだけど線が繊細でとても良い。 語彙力がほしいほんと。 とあるキッカケで妖怪の子を預かる預かり屋をやる事になった少年のドタバタストーリーなのだけど1巻だけの今のところはホッコリできる話が多くて単話もので読みやすい。 原作も気になるけどネタバレになるだろうし漫画が終わってしまったら読もうかなー青年と子供の組み合わせは癒し…flat 青桐ナツ名無しあっさりマイペースな青年、へいすけと感情表現がそんなに豊かじゃないあきの話 2人が歩み寄ったり平介のまわりの話だったり日常ほのぼの ホッとする雰囲気、癒し漫画! なんでもない日常をドラマに、しかも心が温かくなるようなテイストにできるのは作者も温厚で優しい人なんじゃないかなーと勝手に想像してしまいます。 <<34567>>
現実世界で大金持ちになった主人公が異世界に飛ばされてヒドイ目に… そこまで遭うこともなく持ち前のズル賢さでクズとして無双するというのがこの手のテーマでは斬新かも。 ちゃんと努力したり一本スジを通すところが主人公の性格の悪さとギャップがあっていいですね。