自分が日下幹之(ksk)のことを知ったのは、ニコニコ静画にアップされていた『生きろ!漫画家志望君!!』という作品がきっかけ。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:fwWJREqIHmIJ:seiga.nicovideo.jp/comic/17924%3Ftrack%3Dverticalwatch_epinfo1%253C/p%253E+&cd=4&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
漫画家に成りたくてもんどり打って過ごしている日下先生の日常を描いた半エッセイ漫画だったのですが、これがとにかくヤバさがキマってて好きだったんですよね。
漫画家になるという苛烈な思いと不安から、マグカップでウィスキーを飲むのが止められなかったり、幻覚を見る。頻繁に漫画の中で「フレ子(※イマジナリーフレンドの女の子)」とお喋りする。アル中だけじゃなく食事も上手く食べられなくなる。自尊心を回復させるため女児に成りきってお絵かきするなど、凄まじい生き様が好きでした。
https://togetter.com/li/1124222
この苦しんでいる過程を知っているからこそ、「漫画家志望君」が「ヒトの食事は難しい。」でデビューできたときの喜びはすごかったです。
エッセイなので、もちろん途中で自分が描いた作品の話になるのですが、「自分が面白いと思ったものが、編集・漫画家友達には面白いと思ってもらえない」というエピソードが印象的でした。
でもまあ生き様を見れば納得ですよね。あまりにも感性が独特すぎる。
この「ヒトの食事」もよくある普通のグルメ漫画の文法に則ってるようで則ってない。隠しきれない個性がすごく漂ってて、そこが「普通の漫画」を求めている人には「なんか違う」と刺さらない原因なんじゃないかと思います。(だからこそ、普通じゃない漫画大好きな自分には堪りません)
感性が独特で理解できないという点で、日下先生は吾峠呼世晴先生と同じタイプな気がします。