名無し

マグコミで連載されていた日下先生の漫画家デビュー作。数百年間、牛乳しか飲んでいない隠居中のヴァンパイアハシモト」が、グルメ漫画をきっかけに「人間の食事を体験しよう」と挑戦するだけのゆる〜いお話。

ハシモトは人の文化に疎いのに毎回一人ご飯をするので、基本的に失敗ばっかり。しかもそういう失敗をしてしまったときのモノローグが、やけにリアル…。
「心が弱ってて、人見知りや共感性羞恥の強いときってこういう風になっちゃうよね…」というリアクションをする。ちょっと胸に来る。

特に1話の「途中まで美味しく食べていたのに、人の目が気になって味がわからなくなってしまい店を出る」という描写の生々しさは、作者ご本人が食事に問題を抱えていたからこそだなと思う。

正直、この作品は万人に「買って読んで」と勧めることはできないけど、日下先生のことを知るいいきっかけにはなるかなと思う。

https://comic.mag-garden.co.jp/hitomuzu/
https://comic.pixiv.net/works/4619

読みたい

自分が日下幹之(ksk)のことを知ったのは、ニコニコ静画にアップされていた『生きろ!漫画家志望君!!』という作品がきっかけ。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:fwWJREqIHmIJ:seiga.nicovideo.jp/comic/17924%3Ftrack%3Dverticalwatch_epinfo1%253C/p%253E+&cd=4&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

漫画家に成りたくてもんどり打って過ごしている日下先生の日常を描いた半エッセイ漫画だったのですが、これがとにかくヤバさがキマってて好きだったんですよね。

漫画家になるという苛烈な思いと不安から、マグカップでウィスキーを飲むのが止められなかったり、幻覚を見る。頻繁に漫画の中で「フレ子(※イマジナリーフレンドの女の子)」とお喋りする。アル中だけじゃなく食事も上手く食べられなくなる。自尊心を回復させるため女児に成りきってお絵かきするなど、凄まじい生き様が好きでした。
https://togetter.com/li/1124222

この苦しんでいる過程を知っているからこそ、「漫画家志望君」が「ヒトの食事は難しい。」でデビューできたときの喜びはすごかったです。

エッセイなので、もちろん途中で自分が描いた作品の話になるのですが、「自分が面白いと思ったものが、編集・漫画家友達には面白いと思ってもらえない」というエピソードが印象的でした。

でもまあ生き様を見れば納得ですよね。あまりにも感性が独特すぎる。

この「ヒトの食事」もよくある普通のグルメ漫画の文法に則ってるようで則ってない。隠しきれない個性がすごく漂ってて、そこが「普通の漫画」を求めている人には「なんか違う」と刺さらない原因なんじゃないかと思います。(だからこそ、普通じゃない漫画大好きな自分には堪りません)

感性が独特で理解できないという点で、日下先生は吾峠呼世晴先生と同じタイプな気がします。

本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
逆ファンタジーグルメ漫画にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。