sogor25
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2019/10/03
この関係性に"百合"以外の名前を付けたい
同級生の恋愛話に今ひとつ乗り切れない高校3年生の女子・纏(まとい)。テレビ番組で恋愛感情を持たない"アセクシャル"という概念を知り、自分もそうなのだと自認する。そんな中、突然の雨で人気のなくなった教習所でとある女性・百合子と出会う。 一緒に遊ぶうちに親密になっていく二人だが、百合子から見た纏は"年の近い友達"で、一方の纏から見た百合子は"年上"で"友達"以上の感情を持ち始めている。百合子もそれに気付いているが、百合子もまた、自身は恋愛感情を持たないと自認していた…というお話。 現在一般に認知されてるジャンルで言えば、百合作品の中に含めるのが一番適してるとは思う。しかしながら、お互いに好意を持って接しているけど、纏からの百合子への感情は恋愛なのかどうか自分でも判別がついてない様子で、一方の百合子は明確に恋愛ではないと自覚している。読めば読むほどこの作品を"恋愛作品"ではない別の何かのように見えてくる。だからこそ、この2人の関係性には"百合"以外の別の名前を付けたくなってしまう。 また、好意の微妙な違いもそうだけど、例えば"都会の人"と"こっち(田舎)の人"だったり、"年上の友達"と"年の近い友達"のように、2人それぞれの視点によって捉え方が微妙に違う様子が描かれていて、それもとても興味深い。こういう微妙な差異を見せられると、当たり前だけど同じものを見ててもその捉え方は人それぞれで、結局、人間関係に絶対の正解なんてなくて、あるとすれば個々の相手に対する最適解くらいなんだろうなって感じる。 お互い好意を持ちながら些細な気持ちのすれ違いがあるこの2人が、今後どんな関係性を作っていくのかが凄く楽しみ。 ちなみに本編では"アセクシャル"という単語しか出てこないが、近い概念で"ノンセクシャル"という言葉があり、実は作者のtwitterで「ノンセクシャルとアセクシャルな女の子の話」と明言されていたりする。 https://twitter.com/skRe_n/status/1172067936132988929 このあたりの単語をちょっと調べてみてから本編を読むと、2人の関係性や好意の中身がより違ったものに見えてくるかもしれない。 1巻まで読了。