魔女ノ結婚

きっとあなたも百合好きドラゴンになってしまうことでしょう #1巻応援

魔女ノ結婚 studio HEADLINE
異世界スキー

魔女同士が親密になると魔力が向上する→じゃあふたりで同居したらいいじゃんそういう仕組みを作ればいいじゃん名前は「魔女ノ結婚」で!という「あ、これ天才の方が考えましたよね?」と言わざるを得ない設定が魅力の本作。 クールでデキ女のメリッサと頑張り屋の見習いターニャのふたりの魔女が「結婚」して日夜絆を育むようすに頬がゆるみっぱなしです。 ふたりのようすがいかに微笑ましいかは読んでいただければ“瞬”でわかると思うので今回は個人的に一番好きだった魔女の試練を司るドラゴンの話をしたいと思います。 魔女ふたりに互いの秘密を告白させてそれでも相手のことが好きかどうかを試すという試練。を司ってるドラゴンなんですけど、魔女ふたりが秘密をもじもじ打ち明けあうようすを拝むのが趣味ってマジでいいご身分のドラゴンじゃないですか? このドラゴン、披露する秘密の規模が小さいと「真実の絆炎(イグニス)の前でそんな子供だましが通用するとでも?」つってそれっぽく圧をかけてくるんですけど内実は「そういうんじゃないんだよな〜。もうちょいキュンな感じのエピソードあるでしょ?もっとちょうだいよ!」ってことじゃん!バラエティ番組のディレクターか!?っていうかどんだけ威厳がある感じを出してもお前は所詮もじもじする女と女を見たいだけのトカゲやろがい!!!!! ハァ…ハァ…すみません、熱くなりました。でも私という存在も突き詰めればこのドラゴンと同じようなものなのかもしれませんね…ただ尊い百合が見たいだけの……『魔女ノ結婚』を読めばあなたもきっと百合スキードラゴン(勝手にそのように名付けた)になってしまうはずです。みんなもドラゴンになっちゃおうよ。

純情ロマンチカ

祝☆50刷目!

純情ロマンチカ 中村春菊
名無し

本日紹介したいのはこちら!! 先日第1巻が50刷を迎えた超人気BL作品「純情ロマンチカ」略して「純ロマ」です!!! 私の腐女子道が始まったきっかけともいえる偉大なる作品です。 *あらすじ* 兄の友人で有名小説家である宇佐見に、大学受験のための家庭教師をしてもらうことになった主人公美咲。宇佐見は売れっ子小説家というだけでなく、財閥の次男で、T大首席卒業、都内一等地5LSDKマンション最上階一人暮らしの28歳……という高スペックの持ち主であった。 しかしある時、兄と宇佐見を主人公にしたBL小説(しかも作者はもちろん宇佐見自身)を発見してしまう。何考えてんだと美咲はそのまま、宇佐見の自室にカチコミをしてしまう。しかしそこにいた宇佐見は、なぜか超絶不機嫌で美咲に襲い掛かってきて!? というのがざっくりしたあらすじです! 最初宇佐見先生は、変人で悪いヤツかな?とも思うんですが実は全然そんなことはなくて、天才高スペックなりに色々考えていたり、美咲のことも嫌っている様子はないんです。美咲にも丁寧に勉強を教えていて、成績が上がると全力で喜んでくれたりと、本当にいい人なんです。 そんな美咲と宇佐見がこの先どんな物語を紡いでいくのか、惹かれていくのか、付き合ってしまうのかなど、読めば読むたび気になること間違いなし!! ぜひお手に取ってみてください~~!

山本和音作品集

13年間の精髄が宿った短編集 #1巻応援

山本和音作品集 山本和音
兎来栄寿
兎来栄寿

『星明かりグラフィクス 』山本和音さんの、2008年の赤マルジャンプ掲載のデビュー作から講談社で発表したもの、そしてハルタなど2020年までに描かれた11作品をまとめた短編集です。 8月に行った「最高の夏」をテーマにしたマンバ読書会では、本書にも収録された表題作の「夏を知らない子供たち」を紹介させていただきました。夏に読み返したくなる一篇です。 とりわけ私が大好きなのは、本書の最後に掲載されている「恋と夜をかけろ」です。世界全体で学問は行うと恥ずべきもの・禁止の対象とされ(ギリギリ合法扱いのかけ算の本は「成人向け」指定となっている)、代わりに恋愛が学生の本分となっている世界のお話です。不倫や多重恋愛が社会的な評価に繋がり、恋より読書や勉強が好きな主人公が父親から「お前彼女何人いる?斉藤さんや木本さんとこは10人近くいてちゃんと夜な夜な遊び歩いてるんだぞ 生物として恥ずかしくないのか?」と詰められるシーンなどは秀逸です。そして、実在の書名を連呼するシーンはとても愛しくて堪りません。 藤子・F・不二雄の不朽の名作短編である「気楽に殺ろうよ」では性欲と食欲に対する価値観が逆転した世界が描かれましたが、それを髣髴とさせます。こういうif系の短編は大好物です。 また、「雨は止んだか」などは正にハルタ系ど真ん中の絵で魅せてくるタイプの掌編で、山本和音さんの画の力を堪能できます。 「まどか、田園へ行く」もヒロインのキャラクターが愛しいしオチも好きです。 全編を通してサバサバしたキャラクターが多く、絵柄も程よい描き込み具合が絶妙で見易く、読み心地が軽快です。その上で趣向の凝らされたストーリーを美味しく味わえる、素敵な短編集です。